最終更新日: 2006/08/04
翻訳を行わない翻訳メモリ ツール
翻訳メモリ ツールは翻訳ソフトとよく混同されがちですが、その発想は全く異なるものです。基本的に単語単位で辞書を参考にして原文を翻訳する翻訳ソフトとは異なり、翻訳メモリ ツールは、基本的に文章(セグメント)単位で原文と訳文(翻訳した内容)を対応させて翻訳メモリ(原文と訳文のデータベース)に登録し、その翻訳メモリをベースに作業を行います。翻訳は行いません。翻訳に使用するのに翻訳を行わない??なぜ翻訳を行わない翻訳メモリ ツールがローカライズの世界で重要視されているのでしょうか?
表現の統一
翻訳メモリ ツールを使用しないで翻訳した場合、通常は同じ原文や類似する原文に対して一から翻訳を繰り返して行う必要があるため、同じ原文に対して訳が異なってしまうことがよくあります。原文が同じ/似ていることに気づいた場合でも、以前の訳を検索してカットアンドペーストしてから修正するという単純作業はミスが発生しがちです。翻訳メモリ ツールを使用すると、こういった手動で行っていた作業が自動化されます。翻訳メモリ ツールは、翻訳メモリに登録された内容と同じまたは類似した原文があると、訳文を自動的に引用して表示します。その結果、同じ原文で翻訳が異なったり、翻訳における表現が異なるといった問題が発生することなく、表現が統一され、翻訳の品質が向上します。
正確な解析
新しいプロジェクトの見積を作成する際、弊社では、翻訳メモリ ツールを使用して、既存の翻訳メモリや以前のバージョンなどのファイルを参照して解析を行っています。繰り返し、100%一致、95-99%一致...、新規のように、原文と一致する割合が数値化されるため、全体の単語数やページ数といった漠然とした数値ではなく、誰が見ても納得のいく具体的な数値を基に作業に必要な時間を正確に予測できます。
資産の継承
それまで翻訳メモリ ツールを使用しないで作業していた場合でも、原文と訳文が揃っていれば、原文と訳文をアライン(対応付け)して翻訳メモリを構築できるため、過去の資産も無駄になりません。弊社では、バージョンアップなどの場合、お客様に古いバージョンのファイルをご提供いただいて、翻訳メモリを作成してから作業を行っています。
非の打ち所がないように見える翻訳メモリ ツールですが、間違った訳文が登録されてしまうと、それ以後の引用も間違った訳文になってしまうという弱点もあります。翻訳メモリ ツールはあくまでも翻訳者を助けるツールであり、翻訳の間違いを修正してくれるツールではありません。翻訳メモリは正確な翻訳があってこそ活かせるものです。翻訳を依頼するときは、単にツールを使用しているかどうかではなく、ツールを使用して優れた翻訳を行っているかどうかで判断する必要があるといえるでしょう。
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