ビデオ ゲームでも活用されるフォトグラメトリ

フォトグラメトリとは、カメラを使って実世界を測定したり、モデリングしたりする技術を指します。フォトグラメトリは、単なる素晴らしい技術概念ではなく、製造、測量、法医学、公共安全、研究などの分野において、実世界での実用的なアプリケーションが多数あります。

あまり知られていないフォトグラメトリのアプリケーションの 1 つに、ビデオ ゲームのデザインがあります。多くのビデオ ゲーム開発者は、この写真からの測定技術を使用して、ゲーム内のアセットとして使用されるあらゆる種類の 3D モデルを作成しています。その対象は、ボトルや武器などの小さな手持ちの物体から、都市景観や山並みなどの大規模な環境までさまざまです。フォトグラメトリを活用して写真撮影をし、モデリングして変更を施し、ビデオ ゲームに配置できるオブジェクトの数や種類には無限の可能性があります。

さらに、ゲームのリアリズムの進化に伴い、プリビジュアライゼーション (“pre-viz”) などといった、より映画に似た制作手法がゲーム デザインでも使用されています。フォトグラメトリ (カメラを使用した測定やモデリング) は、プリビジュアライゼーションの分野で非常に役立つテクノロジです。

ビデオ ゲームにあまり馴染みのない読者のために説明すると、ビデオ ゲーム開発会社がゲーム制作にフォトグラメトリを使う主な理由は、リアリズムのためです。1970 年代後半から 1980 年代にかけてのビデオ ゲームは、グラフィック的には簡素で、カートゥーンと表現することさえできました。しかし、コンピューター技術が進化するにつれて、ビデオ ゲームはプレイヤーが求めるリアリズムに力を入れるようになりました。ゲームをより現実的にする主な方法の 1 つには、オブジェクトとゲームの世界自体のグラフィカルな描写があります。そしてこれはすべて、PhotoModeler Technologies が開発しているようなフォトグラメトリ ソフトウェアによって実現できます。

この記事では、いかにフォトグラメトリとそこから作成できる 3D モデルを使用して、実世界を反映するビデオ ゲームを開発するかについて説明します。

ビデオ ゲームでフォトリアリズムを採用する理由

ビデオ ゲーム制作でフォトグラメトリが使用されるようなフォトリアリズムの類は、ゲームをできるだけ現実を反映したものにしようとする近年のトレンドから派生しています。ゲームのリアリズムは、設定からスクリプト、グラフィックスまで、多くの形態をなしています。歴史的意義を持つ時代設定のゲーム (たとえば、革命時代のパリなど) は、実世界の出来事の描写においてもリアリズムに満ちているといえます。

同じように、ビデオ ゲームも、キャラクター、オブジェクト、場所、大規模な環境の表示において、グラフィックスをリアルに表現できます。過去 10 年ほどの間、この種のリアリズムは、多くのビデオ ゲーム開発者のゴールとなっています。肝心なのは、プレイヤーが楽しめる真の没入型エクスペリエンスを作成することです。グラフィックスがリアルであればあるほど、脳はファンタジーの世界にはまっていきます。もちろんプレイヤーは架空のゲームに従事していることを常に認識していますが、現実に即したグラフィックスはゲーム内での出来事に対する興奮を高めるのに役立ちます。

ここで、フォトグラメトリがプロセスの重要な一部となります。2020 年代に突入し、ビデオ ゲームが現実の反映を改善し続けるにあたり、グラフィックスの正確性は引き続きゲームの中核的な要素となっています。最新のテクノロジを採用したゲームでのリアルなグラフィックスの生成では、単なる一娯楽製品の作成というよりも、プレイヤーにとって包括的でインタラクティブな体験を考案することに重きを置いています。

ビデオ ゲームでのフォトグラメトリの使用

この記事においては、フォトグラメトリの基本を説明する必要はないと思われますが、ビデオ ゲームにおけるフォトグラメトリ (英文) の初歩的な概説は役に立ちます。ゲームのグラフィックスにリアリズムを求めるゲーム開発者は、コンピューター上でマニュアル作成するよりも、より現実に近いビジュアルを提供できるフォトグラメトリを選択する傾向にあります。

その過程を示す具体的な例として、Infinity Ward 社によって開発され、2019 年 10 月に待望リリースを果たした Call of DutyModern Warfare 挙げてみましょう。 

ビデオ ゲーム業界では、Infinity Ward 社は人気のあるファーストパーソン シューティング  (FPS) ゲーム、Call of Duty シリーズでゲーム機能の新境地に挑戦していることで知られています。同社の開発者たちは、フォトグラメトリの活用により、デジタル オブジェクトを手動で作成するのに要する時間の数分の 1 の時間で、Modern Warfare に登場するあらゆる種類のオブジェクトを撮影できたと述べています。    

ゲーム開発中、カリフォルニア州バーバンクにある Infinity Ward 社のスタジオには、写真撮影の多くが行われるフォトグラメトリの専用スペースがありました。白っぽい部屋の中央には、200 台もの高解像度カメラが配置された、複雑な金属格子に囲まれた円形のプラットフォームがありました。

開発者はそのプラットフォームとカメラ設定を使用し、またより大きなオブジェクトには同様に大きな設備を使用して、タイヤ、破壊された車、葉巻、タンク、人など、ゲーム内で描写されるあらゆる種類のアセットを撮影しました。これらのオブジェクトは瞬時にキャプチャされ、個別のイメージとして開発者のコ​​ンピューターに読み込まれました。フォトグラメトリ ソフトウェアを利用することにより、開発者はすべての写真をつなぎ合わせて、ゲームのニーズに合わせてさまざまに変更できる 3D モデルを作成しました。

たとえば、ある開発者はフォトグラメトリ ソフトウェアを使用して Modern Warfare に登場する車の画像をキャプチャしました。車の画像を 10,000 枚撮るのに 3 日かかりました。そこから、ソフトウェアを駆使して 5,000 万ポリゴンで構成される単一の自動車モデルが作成されました。その時点で必要だったのは、モデルからシャドウを削除することと他のいくつかのマイナーな改善点のみで、モデルをゲームのレベル内に配置する準備ができました。 

とはいえ、ビデオ ゲームにおけるフォトグラメトリ 技術の世界でも、「ギブアンドテイク」のシナリオが存在します。つまり、フォトグラメトリ ソフトウェアはゲームの開発時間を大幅に削減できますが、ハードウェアは開発スタジオにとって高価な初期投資となる可能性があります。これはすべて、スタジオがどのようなセットアップを使用するか、またはスタジオの予算、およびスタジオがそのテクノロジに何を求めているか、といった点が大きく影響します。ただし、フォトグラメトリのセットアップにかかる初期費用は、開発期間の短縮によって長期的には相殺される可能性が十分にあることにも留意すべきです。それなりの手段を備えたゲーム スタジオにとっては、フォトグラメトリは、他の方法に比べてほんのわずかな時間で現実的なグラフィックスと没入型ビデオ ゲーム体験を実現できる、最適なツールであるといえるでしょう。

ビデオ ゲーム制作に使われるフォトグラメトリ ソフトウェア

ビデオ ゲーム開発スタジオの数社が、ビデオ ゲーム グラフィックスの作成に PhotoModeler 製品を使用しています。ビデオ ゲームでの高品質のリアリズム実現において、フォトグラメトリは、開発者の時間とコストを削減しつつ、プレイヤーがゲームに求める信憑性を高められる、大いに将来性を秘めた分野です。


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How Is Photogrammetry Used in Video Games?

 

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