AI Engineering Summit Tokyo 2026 登壇、出展レポート

エクセルソフトは、2026 年 6 月に開催された AI Engineering Summit Tokyo 2026 において、Docker 社とともにスポンサーとして参加しました。セッションでは、Docker 社 Field CTO の Justin Rackliffe 氏と、エクセルソフト、セールス エンジニアの田淵が登壇しました。講演では、AI コーディング エージェントの活用が進むなかで、開発者や組織がどのように安全性を確保しながらエージェントの自律性を活かしていくべきかを、実際のデモを交えて紹介しました。

セッションでは、AI エージェントの利用を単に制限するのではなく、自律的に動作させながらも安全性を確保できる実行環境を整えることの重要性が示されました。AI エージェントは、コード生成やテスト実行、依存関係の追加、コンテナーのビルドなどを高速に進められる一方で、ローカル環境や認証情報、ネットワークに広くアクセスできる場合には、新たなリスクも生まれます。

セッションで語られた AI エージェント活用の課題

Docker Field CTO の Justin Rackliffe 氏は、現在の AI コーディング エージェントの多くが、開発者のローカル環境上で動作している点に触れました。この場合、エージェントはファイル システム、認証情報、Docker ランタイム、ネットワークなど、開発者がアクセスできるさまざまなリソースに触れる可能性があります。

特に興味深かったのは、エージェントは利用者の目的を達成するために、想定外の手段を選ぶことがあるという説明です。ユーザーが明示的に意図していなくても、エージェントが Docker ランタイムやシェル コマンドなどを利用して、制限を回避するような動きをする可能性があります。これは、AI エージェントの設定やポリシーだけに頼るのではなく、実行環境そのものを分離する必要があることを示しています。

Docker Sandboxes が提示する解決策

セッション内で解決策として紹介したのは Docker Sandboxes です。Docker Sandboxes は、AI コーディング エージェントを隔離された microVM 上で実行するためのソリューションです。サンドボックス内には専用の Docker デーモンやファイル システム、ネットワークが用意され、エージェントは必要な作業を実行しながらも、ホスト側のファイル システムや認証情報へ直接アクセスできない構成になります。

セッションでは、Claude Code、Gemini CLI、Copilot CLI、Codex、OpenCode など、複数の AI コーディング エージェントを対象にした活用イメージも紹介しました。エージェントごとに異なる権限制御を個別に理解して設定するのではなく、実行基盤側で共通のガードレールを設けることで、企業利用における一貫した管理と安全性の確保につながります。

Docker Sandboxes のクイックスタート ガイドはこちらからご確認いただけます。

デモで確認できたサンドボックス化の効果

Justin Rackliffe 氏によるデモでは、ホスト環境上に置かれた機密ファイルを例に、AI エージェントがどのようにアクセスを試みるかが示されました。通常の実行環境では、エージェントに対して「このファイルを読まないで」と指示していても、シェル コマンドなど別の経路を使ってファイルへアクセスできてしまう可能性があります。

一方、Docker Sandboxes 上で同じ操作を行うと、サンドボックス内にはその機密ファイルが存在しないため、エージェントはホスト側のファイルへ到達できません。このデモは、エージェントに「守ってもらう」のではなく、そもそもアクセスできない環境を用意することの重要性をわかりやすく示していました。

また、API キーなどのシークレットをエージェントへ直接渡さず、プロキシ経由で安全に扱う仕組みも紹介されました。エージェントから見える値を実際の認証情報とは分離することで、万が一エージェントがその情報を外部に送信しようとしても、実際のキーがそのまま漏えいするリスクを抑えられます。

セッションのまとめ

今回のセッションでは、AI エージェントを導入するかどうかだけでなく、どのような実行環境で安全に活用するかが重要なテーマとして示されました。AI エージェントは開発のスピードを大きく高める可能性がありますが、その自律性を活かすためには、組織として適切なガードレールを用意する必要があります。

Docker Sandboxes は、AI エージェントを隔離された実行環境で動かすことで、スピードと安全性の両立を支援するアプローチです。AI コーディング エージェントを個人利用からチーム利用、さらに組織全体の開発プロセスへ広げていくうえで、実行環境レベルの制御は今後ますます重要になると考えられます。

また、AI エージェントの活用を組織全体へ展開する際には、実行環境の保護だけでなく、利用状況の可視化やポリシー管理、ガバナンスの確立も重要になります。こうした取り組みにご関心のある方は、Docker AI Governance もあわせてご覧ください。

ブースの様子

ブースでは、Docker の新しいソリューションである Docker Sandboxes や Docker Hardened Images などを展示し、AI 開発における開発環境の標準化やセキュリティの確保に関する最新の取り組みを紹介しました。多くの来場者にお立ち寄りいただき、活発な意見交換が行われました。

最後に

本セッションおよびブースにお立ち寄りいただいた皆さま、ご参加、ご視聴いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。

当日は、会場だけでなくオンラインでも多くの方にご聴講いただき、AI コーディング エージェントの活用や AI 開発における安全性、ガバナンスへの高い関心を感じる機会となりました。

エクセルソフトは Docker Preferred Reseller として、Docker 製品の販売だけでなく、製品紹介やデモの実施、導入支援なども行っています。本記事でご紹介した Docker Sandboxes をはじめ、AI 開発を支援する Docker ソリューションにご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。


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本記事に関する注意事項:

  • 本記事は、AI Engineering Summit Tokyo 2026 で実施されたセッション内容をもとに作成した参加レポートです。製品の機能、仕様、提供形態は今後変更される可能性があります。
  • デモで紹介された内容は、AI コーディング エージェントを安全に活用するための考え方を示す一例です。実際の利用にあたっては、各組織のセキュリティ ポリシーや開発環境に応じた確認が必要です。
  • 本記事に記載されている製品名、サービス名、会社名は、各社の商標または登録商標です。

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