
Apryse 2026 Summer リリースでは、AI を活用した OCR の精度向上と言語対応の拡充、モバイルで撮影した文書の自動補正、DOCX Editor の変更履歴をプログラムから操作できる新 API などが追加されました。さらに、WebViewer 12.0、Spreadsheet Editor の XLS/CSV 対応、RTL (右から左) 言語翻訳、Kotlin Multiplatform 対応のスキャン機能なども追加されています。本記事では、それぞれの新機能がどのように精度や開発者の自由度を向上させるのか、また詳細な技術情報を確認できるリリースノートについて紹介します。
実運用の文書でも高い精度を実現
文書処理パイプラインでは、精度こそが最も重要な要素です。データ抽出に失敗すると、その後の検索や分類、自動処理にも影響し、最終的には手作業による修正が必要になります。
今回のリリースでは、文書の取り込みからデータ抽出までの精度を向上させる 2 つの主要機能が追加されました。
AI OCR エンジンを刷新
Server SDK v12 では、新しい AI ベースの OCR エンジンを搭載しました。オフィス文書だけでなく、品質の低いスキャン画像や複雑なレイアウトの文書でも、より高い認識精度を実現します。
また、対応言語も拡充され、以下の言語に対応しました。
- 日本語
- 中国語
- 韓国語
- ポルトガル語
- その他ラテン文字圏の言語
この精度向上により、以下のようなメリットがあります。
- スキャン文書を検索可能な PDF (テキスト レイヤー付き) へ高精度で変換
- 古い紙文書、FAX、コピー文書でも正確な全文検索
- JSON や XML として構造化データを出力
- 検索システム、インデックス作成、LLM/RAG パイプラインへそのまま連携可能
さらに、処理はすべてユーザー環境内で実行されるため、文書が外部クラウドへ送信されることはありません。クラウド型 OCR のようなページ単位課金ではなく、ライセンスベースで利用できます。
モバイル撮影時の文書補正
もう一つの大きな改善点は、Scanbot Document Scanning SDK に追加された Document Straightening (文書補正) です。
スマートフォンで撮影した文書は、以下のような状態になりがちです。
- 歪んでいる
- 折れ曲がっている
- しわがある
新機能では、このような文書を自動的に補正および平坦化し、OCR が読み取りやすい状態へ変換します。その結果、これまで認識できなかった文書も、自動処理可能な品質まで改善できます。
この OCR エンジンと文書補正機能を組み合わせることで、これまで自動処理が難しかった現実の業務文書にも対応できるようになりました。
アプリケーションの UI は開発者が自由に設計
Apryse は機能を提供し、その見せ方や操作方法は開発者が自由に設計できます。
今回、その代表的な機能として追加されたのが、DOCX Editor の変更履歴 (Tracked Changes) をプログラムから操作できる API です。
DOCX Editor の変更履歴 API
これまで UI 操作が必要だった変更履歴を、API 経由で直接制御できるようになりました。特に AI を活用したレビューシステムとの組み合わせで効果を発揮します。
例えば、以下のようなワークフローを構築できます。
- AI が契約書をレビュー
- 修正候補を変更履歴として自動追加
- ユーザーが承認、却下
- またはアプリケーション側で自動反映
WebViewer 12.0
Web SDK も開発者向けに大きく改善されています。
WebViewer 12.0 では、以下のような統合が追加されました。
- UI を単一構成へ統合
- カスタマイズ方法も一本化
これにより、ビューアの実装やカスタマイズ方法が分かりやすくなり、開発効率が向上します。
Spreadsheet Editor
Spreadsheet Editor では、新たに以下のファイルの読み込みに対応しました。
- XLS
- CSV
従来の Excel ファイルや各種システムから出力された CSV をそのまま編集できます。さらに、グラフ機能も強化されています。
その他の新機能
今回のリリースでは、精度向上と開発者向け機能強化に加え、各国市場や対応プラットフォームも拡充されています。
XLIFF Reflow の RTL 言語対応
アラビア語やヘブライ語など、右から左へ読む (RTL) 言語に対応しました。左から右 (LTR) の文書へ翻訳を適用すると、自動的にレイアウトも RTL 向けへ反転します。
Kotlin Multiplatform 対応
バーコード スキャンおよび文書スキャン SDK が Kotlin Multiplatform に対応しました。Android と iOS の両方を、単一の Kotlin コードベースで開発できます。
Scanbot Data Capture
Scanbot Data Capture では、新たに以下の国の身分証明書 (ID) に対応し、さらに、13 言語が追加されました。
- ルーマニア
- ポーランド
- トルコ
- イタリア
2026 Summer リリースを体験
これらの新機能は、インタラクティブなデモで実際に体験できます。また、より詳しい技術情報については、以下のリリースノートをご参照ください。
Apryse では無償トライアルも提供しています。ぜひお試しください。
Apryse 製品の詳細は、弊社 Web サイトをご確認ください。
記事参照:
© 2026 Apryse
「The Apryse Summer 2026 Release: Sharper Accuracy, Enhanced Developer Control」


