Arm 社は、システムのニーズに合わせて調整されたデバッグ プローブを介して、組み込み C/C++ ソフトウェア開発向けに JTAG と Serial Wire Debug (SWD) での接続を提供します。深く組み込まれたシステムでの高速シリアル トレースでも、簡単なマイクロコントローラーのデバッグでも、作業に適切なツールを提供します。
Arm 社の高性能なデバッグ トレース ユニットを備えた DSTREAM と DSTREAM-ST は、あらゆる Arm® プロセッサー ベースのハードウェア ターゲットにおける強力なソフトウェアのデバッグと最適化を実現します。次のデバッグ ハードウェア プローブとの統合は、Arm 社の CoreSight™ のデバッグとトレースのアーキテクチャに直接アクセスするために利用できます。
Linux や Android でアプリケーションを開発する場合、GDB (GNU プロジェクトのデバッガー) または ADB (Android Debug Bridge) の使用が一般的です。これらのデバッグ メソッドは、システムにおける下位レベルの CoreSight™ アーキテクチャには接続せず、ソフトウェアのデバッグはサーバーに依存します。GDB は、DS-5 やサードパーティによる Arm のソフトウェア開発ツールに統合されています。
モデルをデバッグする場合、C++ の API である CADI (Component Architecture Debug Interface) を介して Arm Development Studio または Keil® MDK-Arm を使用します。これは抽象化されているため、デバッグ目的でモデルへ接続する場合、その他のデバッグ接続と同様のプロセスになります。
デバッグ プローブ | DSTREAM | DSTREAM-ST |
---|---|---|
機能性 | デバッグ、トレース | デバッグ、ストリーミング トレース |
ターゲットの種類 | ハードウェア | ハードウェア |
Arm® Cortex®-A シリーズのサポート | ||
Arm® Cortex®-R シリーズのサポート | ||
Arm® Cortex®-M シリーズのサポート | ||
Arm11™ シリーズのサポート | ||
Arm9™ シリーズのサポート | ||
Arm7™ シリーズのサポート | ||
最大コア数 | 128 (Cores + CoreSight™ デバイスの制限を参照してください。) | 1022 (Cores + CoreSight™ デバイスの制限を参照してください。) |
デバッグ接続 | JTAG、SWD | JTAG、SWD |
JTAG の周波数 (MHz) | 60 | 180 |
メモリ ダウンロード (KB/s) | 2500 | 12000 |
オンターゲット トレース | ||
外部のパラレル トレース | 最大 16 ピン | 最大 4 ピン |
外部のシリアル トレース | HSSTP、SETM | - |
トレース バッファー | 4 GB | なし - ホスト PC にストリーミングされます |
Cores + CoreSight™ デバイスの制限 | 254 (最大 128 CPU) | 1022 |
ホスト接続 | USB 2.0、イーサネット | USB 3.0、ギガビット イーサネット |
Arm 社のデバッグ アダプター製品は、SoC の立ち上げ向けの強力なソフトウェアのユーティリティと、サードパーティ IP のサポート向けのインターフェイスを提供します。
CoreSight™ Access Tool (CSAT) は、ターゲットの CoreSight™ Debug Access Port (DAP) へスクリプト可能なローレベルのインターフェイスを提供し、オンチップ デバッグおよびシステム バスへのアクセスを許可します。CSAT は、ターゲットへのデバッガー接続が利用可能になる前に、初期の立ち上げテストを行う際に役立ちます。
CSAT を使用することで、DAP に接続されたサードパーティ IP(カスタム インストルメント ハードウェアなど)の設定が可能になり、デバッガーが Arm® プロセッサーへ接続されている間使用できます。これにより、複雑なハードウェア関連の問題をデバッグできます。
Arm 社のターゲット接続製品は、Python スクリプトを介して強力なローレベルのターゲット制御を実装します。例えば、ターゲットに接続している間ウォッチドッグ タイマーを自動的に更新し、ハードウェアのバグを回避するように設定できます。
また、Arm Development Studio はデバッグとトレースの設定に Jython スクリプトを使用することで、複雑なトレース トポロジーを簡単に定義でき、トレースを DS-5 へルーティングするのに役立ちます。
RDDI は、Arm 社のデバッガーと DSTREAM 間における C API のメインのセットです。RDDI にはいくつかの API セットが含まれ、下記の通り、DSTREAM によってサポートされています。
RDDI API クラス | サポート |
---|---|
RDDI-Config | |
RDDI-Browse | |
RDDI-JTAG | |
RDDI-DAP | |
RDDI-Debug | |
RDDI-Trace | (DSTREAM) (DSTREAM-ST) |
RDDI-StreamingTrace | (DSTREAM) (DSTREAM-ST) |
Arm® ならびにその他のプロセッサー コア向けのサードパーティによるデバッガーまたはその他の顧客特有のツールは、RDDI インターフェイスを使用して DSTREAM へ接続できます。RDDI は C レベルの API ですが、Java や Python など、その他の言語も使用できます。DSTREAM のファームウェアは、単一のデバッグ インターフェイスを介して SoC 上で複数の Arm® やサードパーティ IP コアに接続できる柔軟性を備えています。
RDDI は、Arm Development Studio をインストールする際に無償でご利用いただけます。
DSTREAM-ST に対するローレベルの RDDI 接続を使用して、ターゲット デバイス内部の JTAG スキャン チェーンにアクセスできます。これにより、本番環境でのテストやフラッシュ プログラミングなどの簡単なタスクにユニットを使用することができます。
FPGA アクセラレーションは、高度なダウンロード速度を提供し、シングルおよびマルチ コア デバイス上でコードを高速で実行できます。DSTREAM には、JTAG、CoreSight™、TI、および MIPI コネクター向けのアダプターが付属しており、プロジェクトに使用しているデバイスに関係なく、最大限の柔軟性を提供します。
DSTREAM では、SoC の立ち上げとハードウェアの検証を支援する強力なソフトウェア ユーティリティが利用できます。さらに、サードパーティやカスタム ツール向けのインターフェイスも提供します。Arm Development Studio と DSTREAM は、初期の開発からデバイスの立ち上げまで、デバッグをサポートするソリューションです。
Arm® アーキテクチャのバージョン 4 から 8 までにおけるデバッグおよびトレースをサポートします。DSTREAM は、レガシー アーキテクチャと最新のアーキテクチャの両方をサポートします。
HSSTP トレース プローブを使用して、最大 9.6 Gbps のパラレル トレースまたは 最大 20 Gbps のシリアル トレースが可能です。
最速のターゲットでも拡張トレースをキャプチャして、ソフトウェア実行の詳細な画像を取得します。
JTAG、CoreSight™、TI、および MIPI 向けのアダプターです。サードパーティ IP およびデバッガーと互換性があり、最大限の柔軟性を提供します。
トレースは、ソフトウェアやハードウェアの計装を必要とせずにソフトウェア実装後の分析ができるため、複雑なソフトウェアとハードウェアやタイミング関連の問題を解決するための必要不可欠なツールです。
DSTREAM の 4 GB のトレース バッファーは、長時間にわたる高帯域幅トレースを可能にし、ソフトウェアがターゲット上でどのように実行されるかをさらに可視化します。
トレースは、DSTREAM に付属するデフォルトのパラレル トレース プローブまたは別途購入可能な High Speed Serial Trace Probe (HSSTP) を使用して収集できます。これにより、Arm® HSSTP または Marvell® SETM から 高帯域幅シリアル トレースで最大 20 Gbps をキャプチャできます。
最先端のインターフェース デサインは、ターゲット プラットフォームごとに自動チューニングを行い、FPGA アクセラレーションにより、非常に高いダウンロード速度を提供し、シングルおよびマルチコア デバイス上で高速なステップ実行を実現します。
DSTREAM-ST には、標準の Arm JTAG 20、TI JTAG 14、CoreSight™ 10/20、および Mictor 38 コネクターを使用してターゲットに接続するために必要となるすべてのケーブルやアダプターが付属しており、プロジェクトで使用するデバイスに関係なく最大限の柔軟性を提供します。
DSTREAM-ST を利用するためのソフトウェア ユーティリティは Arm Development Studio に完全に統合されており、SoC の立ち上げやハードウェアの検証を強力に支援します。また、サードパーティのツールやカスタム ツール向けのインターフェイスを提供します。Arm Development Studio と DSTREAM-ST は、初期の開発からデバイスの立ち上げまで、デバッグをサポートするソリューションです。
Arm® アーキテクチャのバージョン 4 から 8 までにおけるデバッグをサポートします。DSTREAM-ST は、レガシー アーキテクチャと最新のアーキテクチャの両方をサポートします。
最先端のインターフェース デサインは、ターゲット プラットフォームごとに自動チューニングを行い、非常に高いダウンロード速度および信頼性のあるレスポンシブなデバッグを保証します。
4 ピンの外部計測トレース (STM、ITM) をキャプチャし、USB 3.0 または GbE インターフェイスを介してホスト PC へリアルタイムに配信します。Arm® Cortex®-M の外部計測トレースおよびオンチップ トレースもサポートされます。
JTAG、CoreSight™、および TI 用のコネクターとアダプターを提供します。サードパーティ IP およびデバッガーと互換性があり、最大限の柔軟性を提供します。
DSTREAM および DSTREAM-ST は、複雑な SoC の立ち上げを念頭に置いてデザインされているため、Arm Development Studio および Armv8 の SoC と組み合わせることで、開発時間を大幅に削減します。
Arm Development Studio には 、Arm® Cortex®-M シリーズ MCU (SoC の電源管理を実行している可能性があります) や主要なアプリケーション プロセッサーからコンポーネントをトレースするために SoC の一般的な CoreSight™ コンポーネントを自動検出するデバッグ構成ユーティリティが含まれます。また、カスタマイズされたトレース オブジェクトを追加して複雑なトポロジーを簡単化するための高度な抽象化レイヤー (Debug and Trace Services Layer - DTSL) を提供することで、デバッグ構成ユーティリティやプラットフォーム構成ユーティリティの機能性を補完します。
Armv8 開発において Arm 社のパートナーから世界中で使用および信頼される DSTREAM、DSTREAM-ST、および Arm Development Studio は、Arm 社の専門サポートに支援されており、複雑な Arm® Cortex®-A53 および Arm® Cortex®-A57 をベースとした SoC の立ち上げに役立ちます。
仕様 | DSTREAM | DSTREAM-ST |
---|---|---|
デバッグ プロトコル | JTAG および シリアルワイヤ デバッグ | JTAG および シリアルワイヤ デバッグ |
ターゲット コネクター |
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|
トレース キャプチャ | 300 MHz DDR (1 ピン当たり 600 Mbit/s)、16-bit ワイド | 300 MHz DDR (1 ピン当たり 600 Mbit/s)、4-bit ワイド |
インターフェイス Vref | 1 V - 5 V (ターゲットから構成可能) | 1 V - 3.3 V (ターゲットから構成可能) |
ソフトウェア要件 | Arm Development Studio または DS-5 (別途購入の必要あり) | Arm Development Studio または DS-5 (別途購入の必要あり) |
サポートされるプロセッサー コア | サポートされるプロセッサー コアはこちら » | サポートされるプロセッサー コアはこちら » |
サポートされるデバイスおよびプラットフォーム | サポートされるデバイスおよびプラットフォームはこちら » | サポートされるデバイスおよびプラットフォームはこちら » |