OpenMP* の環境変数

インテル® コンパイラーは OpenMP* 環境変数 (OMP_ プリフィックス) とインテル固有の環境変数の形式での拡張 (KMP_ プリフィックス) をサポートしています。

OpenMP* 環境変数

構文の例は、Linux* および Mac OS* X の bash 用です。Windows* の場合は set コマンドを使用してください。

変数名

説明、デフォルト値、構文

OMP_NUM_THREADS

アプリケーションでほかの値が指定されていない場合は、OpenMP* 並列領域で使用する最大スレッド数を設定します。

この環境変数は、-openmp-parallel (Linux* および Mac OS* X) または /Qopenmp/Qparallel (Windows*) の両方に適用されます。

デフォルト: オペレーティング・システムで認識されるプロセッサー数

構文:

export OMP_NUM_THREADS=value

OMP_SCHEDULE

ランタイム・スケジュールの型とチャンクサイズ (オプション) を設定します。

デフォルト: STATIC、チャンクサイズの指定なし

構文:

export OMP_SCHEDULE="kind[,chunk_size]"

OMP_DYNAMIC

スレッド数の動的調整を有効 (1) または無効 (0) にします。

デフォルト: 0

構文:

export OMP_DYNAMIC=value

OMP_NESTED

入れ子された並列化を有効 (1) または無効 (0) にします。

デフォルト: 0

構文:

export OMP_NESTED=value

OMP_STACKSIZE

スレッドのプライベート・スタックとして使用する各 OpenMP* スレッドに割り当てるキロバイト数を設定します。

推奨するサイズは 16M です。

B (バイト), K (キロバイト)、M (メガバイト)、G (ギガバイト)、T (テラバイト) などオプションのサフィックスを使用して単位を指定します。B、K、M、G、T が指定されずに、値のみが指定されている場合は、サイズは K (キロバイト) であると見なされます。

この変数は、OpenMP* プログラムのシーケンシャル部分、あるいは -parallel (Linux* および Mac OS* X) または /Qparallel (Windows*) で作成された並列プログラムを実行するユーザープログラムやスレッドによって生成されるネイティブ・オペレーティング・システムのスレッドには影響ありません。

kmp_{set,get}_stacksize_s() ルーチンは値を設定/取得します。kmp_set_stacksize_s() ルーチンは、最初の並列領域が作成される前にシーケンシャル部分から呼び出される必要があります。これが行われない場合、kmp_set_stacksize_s() を呼び出しても効果がありません。

関連環境変数: KMP_STACKSIZE および GOMP_STACKSIZEKMP_STACKSIZEGOMP_STACKSIZE は、OMP_STACKSIZE よりも優先されます。

デフォルト: IA-32 アーキテクチャー: 2M
インテル® 64 アーキテクチャー: 4M

構文:

export OMP_STACKSIZE=value

OMP_MAX_ACTIVE_LEVELS

入れ子されたアクティブな並列領域の最大数を制御します。指定された値よりも深い入れ子レベルの並列領域は、シリアル化されます。

デフォルト: 制限なし

構文:

export OMP_MAX_ACTIVE_LEVELS=value

OMP_WAIT_POLICY スレッドは待機中、スピンするか (active)、スリープするか (passive) を決定します。

デフォルト: Passive

構文:

export OMP_WAIT_POLICY=value

OMP_THREAD_LIMIT

OpenMP* プログラムで同時に実行されるスレッド数を制限します。

この制限に達し、別のネイティブ・オペレーティング・システムのスレッドが OpenMP* API コールや構造を検出すると、プログラムはエラーメッセージを表示して終了します。OpenMP* 並列領域の開始時点でこの制限に達した場合は、チーム内のスレッド数が減少したことを示す警告メッセージが 1 度だけ生成されますが、プログラムの実行は続けられます。

この環境変数は、-openmp-openmp-profile-parallel (Linux* および Mac OS* X) または /Qopenmp/Qopenmp-profile/Qparallel (Windows*) のいずれかでコンパイルされたプログラムでのみ使用されます。

omp_get_thread_limit() ルーチンは制限値を返します。

関連環境変数: KMP_ALL_THREADS。この値は、OMP_THREAD_LIMIT よりも優先されます。

デフォルト: 制限なし

構文:

export OMP_THREAD_LIMIT=value

インテル固有の環境変数

変数名

説明とデフォルト値

KMP_ALL_THREADS

OpenMP* プログラムで同時に実行されるスレッド数を制限します。

この制限に達し、別のネイティブ・オペレーティング・システムのスレッドが OpenMP* API コールや構造を検出すると、プログラムはエラーメッセージを表示して終了します。OpenMP* 並列領域の開始時点でこの制限に達した場合は、チーム内のスレッド数が減少したことを示す警告メッセージが 1 度だけ生成されますが、プログラムの実行は続けられます。

この環境変数は、-openmp または -openmp-profile (Linux* および Mac OS* X) と /Qopenmp または /Qopenmp-profile (Windows*) でコンパイルされたプログラムでのみ使用されます。

デフォルト: 制限なし

KMP_BLOCKTIME

並列領域の実行が終了した後、スレッドがスリープ状態になるまでスレッドが待機する時間 (ミリ秒単位) を設定します。

s (秒)、m (分)、h (時間)、d (日) などのサフィックスを使用して単位を指定します。

待機時間に制限を設けない場合は infinite を指定します。

実行モードKMP_LIBRARY 環境変数も参照してください。

デフォルト: 200 ミリ秒

KMP_DYNAMIC_MODE

OMP_DYNAMIC=true の場合に、並列領域に使用されるスレッド数を決定するメソッドを選択します。設定可能な値: (asat | load_balance | thread_limit)

  • asat: 並列開始時にスレッド数を推定します。

  • load_balance: システムで利用可能な実行ユニットより多いスレッドを使用しないようにします。

  • thread_limit: システムの合計実行ユニットより多いスレッドを使用しないようにします。

デフォルト: load_balance (サポートされている場合、Linux* OS のみ)。thread_limit (その他)

KMP_LIBRARY

OpenMP* ランタイム・ライブラリーの実行モードを選択します。変数値のオプションは、throughputturnaroundserial です。

Note icon

KMP_LIBRARYOMP_WAIT_POLICY よりも優先されます。

デフォルト: throughput

KMP_SETTINGS

プログラム実行中の OpenMP* ランタイム・ライブラリー環境変数の出力を有効 (1) または無効 (0) にします。ユーザー定義の環境変数設定と OpenMP* ランタイム・ライブラリーにより使用される効率的な変数の値の 2 つの変数リストが出力されます。

デフォルト: 0

KMP_STACKSIZE

スレッドのプライベート・スタックとして使用する各 OpenMP* スレッドに割り当てるバイト数を設定します。

Note icon

デフォルトの単位がキロバイトではなく、バイトである点を除き、形式は OMP_STACKSIZE と同じです。

推奨するサイズは 16M です。

B (バイト)、,K (キロバイト)、M (メガバイト)、G (ギガバイト)、T (テラバイト) などオプションのサフィックスを使用して単位を指定します。

この変数は、OpenMP* プログラムのシーケンシャル部分、あるいは -parallel (Linux* および Mac OS* X) または /Qparallel (Windows*) で作成された並列プログラムを実行するユーザープログラムやスレッドによって生成されるネイティブ・オペレーティング・システムのスレッドには影響ありません。

関連環境変数: OMP_STACKSIZE および GOMP_STACKIZEKMP_STACKSIZE は、OMP_STACKSIZEGOMP_STACKSIZE よりも優先されます。

デフォルト: IA-32 アーキテクチャー: 2M。インテル® 64 アーキテクチャー: 4M

KMP_MONITOR_STACKSIZE

スレッドの監視に割り当てるバイト数を設定します。これは、プログラムの実行中の記帳に使用されます。

B (バイト)、,K (キロバイト)、M (メガバイト)、G (ギガバイト)、T (テラバイト) などオプションのサフィックスを使用して単位を指定します。

デフォルト: max (32k、システムの最小スレッド・スタック・サイズ)

KMP_VERSION

プログラム実行中の OpenMP* ランタイム・ライブラリーのバージョン情報の出力を有効 (1) または無効 (0) にします。

デフォルト: 0

KMP_AFFINITY

ランタイム・ライブラリーを有効にして、プロセシング・ユニットにスレッドをバインドします。

デフォルトについての情報およびこの環境変数が並列環境に与える影響についての詳細は、「スレッド・アフィニティー・インターフェイス」を参照してください。

デフォルト: noverbose、
respect、
granularity=core

KMP_CPUINFO_FILE

マシントポロジーの記述を含むファイルの代替名を指定します。このファイルは、/proc/cpuinfo と同じ形式でなければなりません。

Default: なし

GNU 環境変数の拡張

以下の環境変数は GNU 拡張です。これらの環境変数はインテルの OpenMP* 互換ライブラリーで認識されます。

変数名

説明

GOMP_STACKSIZE

OMP_STACKSIZE と同じです。KMP_STACKSIZEGOMP_STACKSIZE よりも優先されます。GOMP_STACKSIZE は OMP_STACKSIZE よりも優先されます。

デフォルト: OMP_STACKSIZE の説明を参照してください。

GOMP_CPU_AFFINITY

OS のプロセッサー ID のリストを指定します。この変数を使用して、明示的に OS プロセッサー ID を指定する方法については、「スレッド・アフィニティー・インターフェイス」を参照してください。

デフォルト: アフィニティーは無効

関連情報


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