インテル® IPP 2021

画像処理、信号処理、データ圧縮および暗号化向けライブラリーです。
インテル® oneAPI ベース・ツールキットに同梱されています。

関連情報
[お知らせ一覧]

あらゆる画像処理、信号処理、データ圧縮、および暗号化を支援

インテル® インテグレーテッド・パフォーマンス・プリミティブ (インテル® IPP) を使用して、高度に最適化された画像処理、信号処理、セキュリティー、ストレージ・アプリケーションを作成できます。

この高度なツールは、最新の命令セットを活用してインテル® プロセッサーの能力を引き出す、最適化された低水準 API を提供します。これらの最適化は、多くの計算ドメイン (特に信号処理、画像処理、データ処理) を高速化します。

クロス OS のサポートおよび最良の最適化パスを選択する内部ディスパッチャーにより、複数の世代のプロセッサーで機能する移植性に優れたコードを素早く作成することができます。

詳細・新機能 技術情報

特長

  • 電力効率とパフォーマンスを向上する最適化

    • 高度に最適化されたルーチン群
    • インテル® SSE、AVX2、AVX-512 命令セットを使用して高度に最適化
    • 最適化コンパイラー単体で実現可能なパフォーマンスをはるかに超えるパフォーマンス
  • インテルによって開発された将来性のあるライブラリーで開発時間を短縮

    • 現在および過去のプロセッサーに対する最適化
    • 開発、デバッグ、メンテナンスの時間を短縮
    • 記述したコードは将来の最適化にも有効
  • 幅広いプラットフォーム & OS のサポート

    • 高度に最適化された数多くの信号処理、データ処理、メディア処理関数
    • 広範なアプリケーション領域のサポート
    • インテル® Quark™ プロセッサー、インテル® Core™ プロセッサー、インテル® Xeon® プロセッサー、インテル® Xeon Phi™ プロセッサー、および Intel Atom® プロセッサー
  • すぐに使用でき、ロイヤリティー・フリー

    インテル社によって提供されるインテル® IPP は、すぐに使用でき、ロイヤリティー・フリーなため、開発者は、アプリケーションの新しい機能の開発に時間を割くことができ、通常の開発、デバッグ、メンテナンス時間を短縮できます。
    また、作成したコードを、将来の世代のインテル® プロセッサーで最適に実行できるようにすることも重要です。

  • 数千の最適化機能

    インテル® IPP は、デジタル・メディア、エンタープライズ・データ、組込み、通信、科学技術、技術、およびセキュリティー・アプリケーションの開発など、頻繁に使用される基本的なアルゴリズムをカバーする数千の最適化機能を提供します。 このライブラリーには、2500 の画像処理、1300 の信号処理、500 のコンピューター・ビジョン、および 300 の暗号化プリミティブが含まれています。

スイート製品に同梱

インテル® IPP は単体で販売されておりません。以下製品に同梱されます。

インテル® oneAPI ベース・ツールキット

1 つのプログラミング・モデルで複数のアーキテクチャー (CPU、GPU、FPGA) にわたって高いパフォーマンスを発揮できるコードの開発を支援します。

インテル® oneAPI ベース & HPC ツールキット

C/C++、Fortran コンパイラーと MPI 開発ツールにより、CPU およびアクセラレーターまたはそれらのクラスターへ最適化された HPC アプリケーションの開発を支援します。

インテル® oneAPI ベース & レンダリング・ツールキット

さまざまなレンダリング・ツールにより、優れたビジュアライゼーション・アプリケーションやソリューションの開発を支援します。

バージョン 2021.9.1 新機能

主に以下の変更・機能が追加されました。
詳細は、リリースノートおよび インテル社公開の情報を参照ください。

  • インテル® IPP のデータ圧縮で zlib バージョン 1.2.13 向けのサポートと最適化を追加しました。

  • インテル® IPP の画像処理におけるカラー変換関数 ippiYCbCr420ToRGB_8u_P3C3R および ippiYCbCr422ToRGB_8u_P3C3R での YCbCr 平面のエラーを RGB 変換に修正しました。

※ インテル® IPP 2021.7 におけるインテル® IPP Cryptography のリリースバージョンは 2021.6.3 です。

アプリケーション・パフォーマンスの最適化

インテル® IPP は、インテル® ストリーミング SIMD 拡張 (インテル® SSE)、インテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション (インテル® AVX)、インテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション 2 (インテル® AVX2) 命令セットを使用して、コンパイラー単独で開発を行うよりも、より高度な最適化ができるようになります。

インテルのソリューションは開発者の時間を節約

インテルでは、ランタイム・ライブラリーの再配布権込みの関数群の開発を行っているため、開発者はアプリケーションの新しい機能の開発に時間を取れるだけでなく、長い目で見れば開発、デバッグ、そして保守の時間を節約でき、現在開発したコードを、将来の世代のインテル® プロセッサーでも動作させることができます。

数千ものよく利用される関数群

インテル® IPP は、デジタルメディア、エンタープライズ・データ、組込み、通信およびや科学/技術系アプリケーションにおいてよく利用される基本アルゴリズムを網羅する、数千もの最適化済み関数を提供しています。

イメージ処理/カラー変換

日常のカメラ付き携帯電話のスナップと遊び心のあるアプリによる画像の強化から、高度なバイオメトリック検知、ファクトリー・マシン・ビジョン、自動運転カー (画像認識) まで、処理は非常に重要な役割を果たします。
インテル ® IPP は、視覚的な情報を入手し、それを分析して意思決定に役立つデータに変換します。 ビジョンシステムによって捕捉された画像情報の膨大な量が増加し続けるにつれて、画像処理は画像アレイを管理可能な単位に変換します。
  • ヘススケア (医療画像を含む)
  • コンピューター・ビジョン
  • e コマースのためのビジュアルサーチ
  • デジタル監視
  • バイオメトリック認証
  • ファクトリー・マシン・ビジョン
  • ADAS (先進運転支援システム)
  • 印刷/プリンター
  • 画像認識
  • 遠隔操作
  • ジェスチャー認識
  • 不正な画像認識
  • 光学補正

信号処理

信号処理は、私たちの周りの広範なデータソースから意味を引き出すことで、情報の生成、変換、および解釈を可能にし、音声認識、バイオテクノロジー、ウェアラブル技術、補聴器、音声合成などを含む現代的なコミュニケーションを支援しています。インテル® IPP は、さまざまなインテル® アーキテクチャー向けに最適化済みの、DFT、FFT、コンボリューション、フィルタリング、統計などの一般的に使用される信号処理機能を提供します。
  • 通信
  • エネルギー
  • 超音波装置
  • 医療スキャン
  • 音声または非音声信号の録音、拡張および再生
  • エコーキャンセル: フィルター処理、イコライズと強調処理
  • 環境や音響のシミュレーション
  • 洗練されたオーディオやエフェクトを伴うゲーム
  • 音声で制御される個人用アシスタント

データ圧縮

クラウドとデータセンターをエッジデバイスに接続することで、データの格納と管理が優先されます。データ圧縮は、データの格納または送信に必要なビット数を削減する技術です。 Lempel-Ziv-Storer-Szymanski (LZSS)、LZ77 (Zlib)、Lempel-Zib-Oberhumer (LZO)、bzip2 などの一般的に使用されている圧縮標準は、インテル® IPP で高度に最適化されています。 インテル ® IPP のプラグインと性質により、これらのアプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上します。
  • インターネットのポータル・データセンター
  • データ・ストレージ・センター
  • データベース
  • 企業データの管理

暗号化

セキュリティー分析、脅威情報、モバイル・セキュリティー、クラウド・セキュリティー、IoT セキュリティーなどの分野では、サイバー・セキュリティーが重要視されています。 セキュリティーは、サイバー攻撃や侵入からの保護のために、自律走行車や自走車にも重要な役割を果たします。 インテル ® IPP には、データの完全性と認証ハッシュ (SHA、MD5、SM3)、公開鍵暗号化 (RSA、ECC、HMAC、CMAC)、および対称アルゴリズム、AES (Advanced Encryption Standard) 、Triple DES (TDES)、SMS4、およびストリーム暗号を含みます。
  • 通信
  • トランザクション・セキュリティーおよびサイバーセキュリティー
  • スマートカード/ウォレット・インターフェイス
  • ID の検証
  • コピー保護
  • 電子署名
  • ADAS (先進運転支援システム)

将来性のある最適化

一度コードを記述するだけで将来の利用も可能にします。単純に最新のインテル® IPP と再リンクすることで、将来のプロセッサーと命令セットによるパフォーマンス向上が期待できます。この将来性は、アプリケーション開発の時間とコストを削減します。

再配布のロイヤルティー無料

アプリケーションとともに再配布するランタイム・ライブラリーの数に制限はありません。そのため、長期に渡りコストを削減できます。

インテル® IPP は、インテル® アーキテクチャーの改善と新たなインテル® プロセッサー固有の最適化による恩恵を受け、パフォーマンス向上を実現します。

信号処理

オーバーヘッドの少ない、高性能な信号処理機能の集まりです。 最も一般的な機能には、信号フィルタ、畳み込み、相関、1-D FFT などがあります。

画像処理

画像処理機能は インテル® IPP の主要な部分です。 すべての操作は 2D 画像で行われます。 最も普及している CPU 集中型の機能は、画像のサイズ変更、FFT、画像フィルタです。

データ圧縮

可逆圧縮とも呼ばれるデジタルデータ圧縮は、さまざまなアプリケーションで使用され、データストレージおよびネットワーク転送操作中のデータ量を削減します。 データ圧縮処理にはかなりの時間がかかります(CPU および電力消費)。
インテル® IPPには、 インテル® IPP DC ドメインと呼ばれる特殊な機能ドメインがあり、これらの操作に必要な CPU 時間を短縮します。

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製品セミナーや関連イベントをご紹介。

米インテル社の製品情報を日本語に翻訳して公開中。

プロセッサー

下記のインテル® プロセッサーをサポートします。

  • インテル® Core™ プロセッサー
  • インテル® Xeon® プロセッサー
  • インテル® Atom® プロセッサー
オペレーティング・システム

複数オペレーティング・システム上で同じ API を使用してアプリケーションを開発できます。

Linux*

  • Red Hat* Enterprise Linux* 8
  • Fedora* 34、35
  • SUSE* Linux* Enterprise Server 15
  • OpenSUSE* 15
  • Ubuntu* 18.04 LTS、20.04、22.04
  • インテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション (インテル® AVX) およびインテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション 2 (インテル® AVX2) 命令を使用するには、2.6.30 以降の Linux* カーネルが必要です。
  • インテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション 512 (インテル® AVX-512) 命令を使用するには、3.15 以降の Linux* カーネルが必要です。

Windows*

  • Windows* 10、11 (IA-32 / インテル® 64)
  • Windows Server* 2019、2022
  • インテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション (インテル® AVX) およびインテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション 2 (インテル® AVX2) 命令を使用するには、Microsoft Windows* 10 および Windows Server* 2016 またはそれ以降のバージョンが必要です。
  • インテル® アドバンスト・ベクトル・エクステンション 512 (インテル® AVX-512) 命令を使用するには、Windows Server* 2016 またはそれ以降のバージョンが必要です。
開発ツールと環境

Linux*

  • インテル® oneAPI DPC++/C++ コンパイラー 2023.1 またはそれ以降
  • GNU コンパイラー 8.x またはそれ以降
  • Glibc バージョン 2.28 もしくはそれ以降

Windows*

  • インテル® C++ コンパイラー・クラシック 2021.9.0 またはそれ以降
  • Microsoft Visual Studio* 2019 (ヘルプファイルおよび環境統合)
  • Microsoft Visual Studio* 2022 Community、Enterprise、および Professional エディション (「C++ によるデスクトップ開発」コンポーネントがインストールされている必要があります。ただし、インテル® Inspector およびインテル® Advisor では使用できませんので、ご留意ください。)
  • 最新の情報は、製品または評価版に同梱されているリリースノートを参照ください。

お知らせ

2020年 12月 9日、インテル® IPP 2021 が同梱されるインテル® oneAPI 2021 の販売を開始しました。

過去に製品をご購入いただき、現在有効なサポートサービスをお持ちのお客様は、すぐにバージョン 2020 を無料でダウンロードしてご利用いただけます。

2019年 12月 18日、インテル® IPP 2020 が同梱されるインテル® Parallel Studio XE 2020 の販売を開始しました。

過去に製品をご購入いただき、現在有効なサポートサービスをお持ちのお客様は、すぐにバージョン 2021 を無料でダウンロードしてご利用いただけます。

2018年 9月 13日、インテル® IPP 2019 が同梱されるインテル® Parallel Studio XE 2019 の販売を開始しました。

過去に製品をご購入いただき、現在有効なサポートサービスをお持ちのお客様は、すぐにバージョン 2019 を無料でダウンロードしてご利用いただけます。

インテル社の方針により、2014年 8月 26日 (火) を以って、インテル® IPP 単体製品の新規ライセンスの販売を終息しました。
インテル ® IPP の SSR および、本製品を含むバンドル製品の新規ライセンス、SSR は継続して販売いたします。

FAQ

インテル® IPP は、画像処理、信号処理、データ圧縮、暗号化アプリケーション向けの、高品質で、プロダクション環境に対応した、低レベルのビルディング・ブロックを開発者に提供します。インテル® IPP は、さまざまなインテル® アーキテクチャー (インテル® Quark™ プロセッサー、インテル® Atom™ プロセッサー、インテル® Core™ プロセッサー、インテル® Xeon® プロセッサー、インテル® Xeon Phi™ コプロセッサー) 向けに高度に最適化された、広範なソフトウェア関数を 1 つにまとめたものです。これらの、すぐに使える、ロイヤルティー・フリーの API は、アプリケーションをチューニングして指定されたプラットフォームで最良のパフォーマンスを得るため、ソフトウェア開発者、インテグレーター、ソリューション・プロバイダーによって使用されます。

最も一般的に使用されている画像、信号、データ (暗号化/圧縮/展開) 関数を手動で記述する時間/労力を費やしたくないソフトウェア/アプリケーション開発者向けです。インテル® IPP を使用することにより、自動的にパフォーマンスを向上できます。

インテル® IPP は、 インテル® Parallel Studio XE および インテル® System Studio の一部として提供されています。インテル® IPP は、インテル® Xeon® プロセッサー、インテル® Core™ プロセッサー、インテル® Atom™ プロセッサー、インテル® Xeon Phi™ コプロセッサーを含む (ただし、これらに限定されない)、さまざまなプロセッサーをサポートします。

はい。インテル® IPP 暗号化アドオンはインテル® IPP 製品の一部ですが、米国輸出規制に従うため、別々に提供されています。インテル® IPP の登録ユーザーはインテル® IPP 暗号化アドオンをダウンロードできます。詳細は、「 暗号化アドオンのダウンロード (英語)」セクションを参照してください。

インテル® IPP 暗号化アドオンはインテル® IPP 製品の一部ですが、米国輸出規制に従うため、別々に提供されています。インテル® IPP の登録ユーザーはアドオンをダウンロードできます。詳細は、「 暗号化アドオンのダウンロード (英語)」セクションを参照してください。

新機能の詳細は、インテル® IPP のこちらの「 製品機能情報」を参照してください。

インテル® IPP を利用すると、現在および将来のプロセッサーのパフォーマンスを引き出すことができます。各命令セットは新しい実装レイヤーが追加されると更新されます。以前の実装は以前と同様に動作しますが、新しいハードウェア機能の利点が得られる関数は、新しいアーキテクチャーが公開される前に更新され有効になります。インテル® IPP を利用すると、新しいハードウェアで提供される新しいパフォーマンスを引き出すことができます。追加の最適化を行うために開発サイクルを中断することなく、新しいプロセッサーの機能を直ちに利用することができます。ほとんどの場合、パフォーマンスは自動的に向上されますが、場合によっては再コンパイルが必要です。

メイン製品はプリミティブ (開発者がハードウェア別に固有のバージョンを作成することなくハードウェアの機能を利用できる最適化された関数) です。 インテル® IPP の例は、インテル ® IPP のメイン製品およびプレビューの機能の利用方法を説明するためのものです。これらの例は、メインパッケージおよびプレビューとともにインストールされます。簡単な例はドキュメントに含まれています。例は、サンプルとは異なり、個別のダウンロード・パッケージで提供するほど大きくありません。 サンプルは、インテル ® IPP の以前のバージョン向けに作成されたものです。これらは例に似ていますが、大きすぎるため継続的な保守が行われず、過去のものとなっています。詳細は、「 インテル® IPP のコード例とサンプル (英語) 」を参照してください。

一部のインテル® IPP ドメインおよび関数はインテル® IPP 9.0 で非推奨になりました。これらの機能は最新のアーキテクチャー向けに最適化されていないため (最新の最適化はインテル ® アドバンスト・ベクトル・エクステンション 2 向け)、新しく見つかったパフォーマンスや安定性の問題を修正する予定はありません。非推奨の関数についての詳細は、 こちら (英語) を参照してください。再配布、ロイヤルティー、ライセンス条項など、その他のライセンス関連の質問は、 ライセンス FAQ (英語) ページを参照してください。

インテル® レジストレーション・センターで操作します。
操作手順やよくあるご質問、トラブルシューティングは、インテル ® レジストレーション・センター操作マニュアルを参照ください。

» マニュアルはこちら

最新版、または旧バージョンのダウンロードは、インテル® レジストレーション・センターで行います。
詳細は以下ページを参照ください。

» 製品登録 & ダウンロード