VQ Analyzer 便利機能ガイドシリーズ Part 1: YUV ビューアー機能

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画像 1: VQ Analyzer バージョン 4.2 概要

VQ Analyzer は、以下のビデオ・コーディング標準をサポートするグラフィカル・ビデオ・ビットストリーム分析ツールになります。

  • HEVC: ISO/IEC 23008-2 MPEG-H Part 2 または ITU-T H.265 (8/10 ビット)
  • HEVC: RExt 拡張 (8/10/12 ビット – 4:0:0/4:2:0/4:2:2/4:4:4)
  • HEVC:
    Screen Content Coding (SCC) 拡張 (参照コード HM + SCM 8.6 に準拠)
  • HEVC スケーラブル拡張および多視点拡張 (MV-HEVC)
  • AV1、SHA-1: バージョン 1.0.0 Errata.1 (add4b15580e410c00c927ee366fa65545045a5d9)
  • VP9: プロファイル 0、1、2、3 (8/10/12 ビット – 4:2:0/4:2:2/4:4:0/4:4:4)
  • AVC: H.264/AVC、ISO/IEC 14496-10、MPEG-4 Part 10 (SVC/MVC を除く)
  • MPEG2: ISO/IEC 13818-2 Part 2 (8 ビット- 4:2:0/4:2:2)
  • コンテナー: MKV、MP4、MMT(ARIB STD-B60 1.0)、MPEG2 TS/PS、AVI、ASF、FLV、IVF

ビットストリームを読み込むことで、デコードプロセスにおける主要な各ステップを分析できます。あらゆるシンタックス要素を視覚的に、または数値的に分析できます。また、コード化された画像の各構造を調べることもできます。このツールは、開発されたエンコーダーまたはデコーダーをデバッグする際、プロダクション目的以外でも使用できます。広範な可視化機能を備えているため、HEVC/H.265、VP9、AVC/H.264、MPEG2、AV1 などのビデオコーデック標準を研究するための優れたソースおよび参照向けのツールにもなります。2020 年初頭には、次世代動画符号化規格である H.266 に対応するとされる VVC (Versatile Video Coding) もサポートされる予定です。

この記事では、VQ Analyzer が提供する隠れた便利機能をガイドツアーとして紹介します。Part 1 となるこの記事では、YUV ビューアー機能について紹介します。

YUV ビューアーとは

YUV ビューアーは、VQ Analyzer プロジェクトの一部であり、YUV ファイルを操作する際に使用することを念頭にデザインされています。VQ Analyzer のモジュールの 1 つとして提供される YUV ビューアーについては、将来の記事でご紹介します。

YUV ファイルを開く

YUV ビューアーにより、さまざまな種類にわたる YUV の生データを閲覧できます。VQ Analyzer 内に任意の YUV ファイルをドラッグアンドドロップするか、または [File] メニューの [Open Bitstream…] 項目を選択します。

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画像 2: VQ Analyzer バージョン 4.2 で YUV ファイルを開く

YUV ファイルを読み込む際、VQ Analyzer はファイル名から高さと幅を予測します。ファイル名で高さと幅が指定されていない場合、高さ、幅、色の形式、プレーン順序、クロマ順序、ビット深度、値ごとのビット数などのストリーム向けパラメーターの入力が求められます。[Select predefined value] 項目を使用して、高さと幅を設定します。

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画像 3: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ファイルを開いて YUV の幅および高さを選択

一般情報

指定のパラメーターで YUV ファイルを読み込む際、VQ Analyzer のメインパネルが表示されます。VQ Analyzer は、YUV ファイルに関する一般情報を [Selection Info] セクションに表示できます。

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画像 4: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードにおける YUV ファイルの Selection Info

ユニット情報

[Unit Info] セクションには、ファイルのコンテンツが 16 進法で表示されます。これは、2 進法表示に変更することもできます。黄色の背景は、現在選択されているブロックをハイライトし、輝度プレーンにおける最初の選択バイトの開始ビット位置と、最後の選択バイトの終了ビット位置を示します。

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画像 5: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードにおける YUV ファイルの Unit Info

[Unit Info] セクションでは、データの表示を 16 進数からバイナリーに変更できます。

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画像 6: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードの Unit Info における YUV ファイルの データ表示形式の変更

グリッドマップ

YUV ビューアーには YUV と呼ばれる 1 つのモードと、グリッドマップ、PSNR マップ、および SSIM マップと呼ばれる 3 つのオーバーレイ・マップが存在します。

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画像 7: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードにおけるグリッドマップ

デフォルトではグリッドマップが表示され、ブロックサイズが 4×4 から 128×128 の動的グリッドで各フレームを表示できます。

グリッド (ブロックサイズ) は、デブロッキングの Depth (深度) を変更することで調整ができます。Depth レベル 0 は、最大ブロックサイズである 128×128 を示します。Depth レベル 5 は、最小ブロックサイズである 4×4 を示します。

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画像 8: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードにおけるグリッドサイズの変更

マウスボタンを右クリックすることで、ブロックの詳細ビューを開くことができます。同様の操作により、ブロックビューに戻ることもできます。

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画像 9: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードにおけるブロックの詳細ビュー

YUV のデバッグ

画面上部にある [YUVDiff] メニューから [Open debug YUV] をクリックし、デバッグ用 YUV ファイルを選択します。

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画像 10: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードでデバッグ用 YUV ファイルを開く

デバッグ用 YUV ファイルを読み込む際、グリッドマップでは、デバッグ用 YUV ファイルと参照用 YUV ファイルの差異が赤色の点として表示されます。デバッグ用 YUV ファイルはウィンドウ上に表示され、画面下部にあるパネルのボタンを押下することで RefYUV や DiffYUV へ切り替えることができます。

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画像 11: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードにおけるデバッグ用 YUV ファイルの読み込み時

YUV ファイル間における差異の表示を削除するには、画面下部にある [Info] パネルから [Block Info] に対するチェックを外す必要があります。[Info] パネルでは、画像の境界、ブロックグリッド、ブロック分割グリッド、ピクセルグリッドなど、その他のレイヤー構成を設定できます。

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画像 12: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーのデフォルトモードにおける Info レイヤーの設定

PSNR および SSIM メトリック

デバッグ用 YUV ファイルを読み込む際、[Info Overlays] を使用してさまざまな形式で PSNR マップや SSIM マップを表示することができます。

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画像 13: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーの PSNR モードにおけるデバッグ用 YUV の読み込み

PSNR および SSIM モードのグリッドも動的であり、グリッドブロックをリサイズする際に値が再度計算されます。

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画像 14: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーの PSNR モードにおけるデバッグ用 YUV の読み込み

 

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画像 15: VQ Analyzer バージョン 4.2 YUV ビューアーの SSIM モードにおけるデバッグ用 YUV の読み込み

まとめ

本シリーズの Part 1 である VQ Analyzer の 「YUV ビューアー機能」の紹介は以上です。次回公開予定の Part 2 では、「フレーム・サイズ・ビュー機能」をご紹介いたします。

VQ Analyzer 製品に関する詳細は、弊社の概要ページをご確認ください。
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この記事は、ViCue Soft 社の Technology Blog に公開されている「VQ Analyzer — Guided Tour. “YUV Viewer” functionality」の日本語参考訳です。

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