英語を使う上で、“Thank you” はほとんどの人が毎日口にする言葉ですが、かといって反射的に使うべきではありません。シチュエーションによっては、ちょっとした気遣いが大きな違いを生むこともあります。
ここでは、いつ、どのように使うのか、よくある間違いなど、プロフェッショナルな英文メールにおける感謝の表現について知っておくべきことをご紹介します。
“Thank you” メールとは?
プロフェッショナルな “Thank you” (お礼の) メールは、相手が自分のチームや会社に対してしてくれたことに対し、簡潔で効果的な方法で感謝や謝意を伝えるものです。
シンプルにメッセージの最後に “Thank you” と伝えるものから、相手の行動が与えたインパクトについて長文で説明するものまで、感謝の気持ちをメールで伝える方法はたくさんあります。小さなものから大きなものまで、過去または未来の行動に対して感謝の気持ちを伝えることができます。
どのような言葉を選び、どのようなトーンで伝えるかによって、相手がどのように受け取るかが変わってきます。
プロフェッショナルな英文メールでの “Thank you”
仕事でのメールにおいて、適切な文脈で感謝の気持ちを伝えると、インパクトのある表現になります。たとえば、面接後に心のこもったお礼状を送ることで、自身の存在を際立たせ、採用担当者の心に名前を留めておくことができます。“Thank you” メールは、同僚との関係をより親密なものにし、思慮深く展開できれば、顧客を獲得したり、取引を成立させたりするのに役立つことさえあります。
“Thank you” メールが成功するかどうかは、トーンと文脈が左右します。たとえば、相手に報告書を送ってもらうことに重点を置いたメールに “Thank you in advance” (「前もってお礼申し上げます」) と付け加えれば、不誠実、あるいは受動攻撃性のあるメールだと受け取られてしまう可能性があります。また、メールのトーンがユーモアに傾きすぎていると、読み手はあなたの感謝の言葉を真剣に受け取らないかもしれません。ですから、この種のメールを書くときには注意が必要となります。
メールの結び言葉としての “Thank you”
結びの言葉は、メール本文の最後で署名の直前に書くものです。プロフェッショナルなメールの中で、特に相手に感謝したいことがある場合は、ここに書き加えることができます。これにより、たとえメールの残りの部分で質問を投げかけたり、追加で行うべき仕事に焦点を当てたとしても、ポジティブな形でメールを終わらせることができます。
感謝の気持ちを効果的に伝える結びの言葉の例をいくつかご紹介しましょう。
- As a side note, I also wanted to say thanks for your hard work on this [タスク名].
- I know it’s been a tricky project, but I appreciate how flexible you’ve been about [感謝の理由を挿入].
- Lastly, I want to say thank you for [感謝の理由を挿入].
私たちは日常的に同僚や上司と協力して仕事をこなしており、それがあたり前だと思いがちです。何か別の目的でメールを送る際に “thank you” と一言添えておくと、相手が助けてくれていることを認識していることを示すことができます。
また、“thank you” や “thanks again” をプロフェッショナルなメールの結びとして使用することで、ポイントを改めて強調し、本気であることを示すことができます。
実際の例をいくつか挙げてみましょう。
I couldn’t do this without you!
[氏名]
I appreciate your help!
[氏名]
“Thank you” のバリエーション
“Thank you” には、素早く効果的に表現できるバリエーションがたくさんあり、すでに英文メールでのコミュニケーションでそれらを定期的に使っているかもしれません。
- “Thank you” または “Thanks” — これらは昔からよく使われる定番の表現で、メール本文に追加する場合でも (通常であれば、感謝していることについての文脈が必要になります)、結び言葉として使う場合でも、デフォルトとして使えます。
- “Thank you so much” — このバリエーションは、“Thank you” を強くしたもので、より砕けた感じとなります (プロフェッショナルな場でも通用する場合もあります)。ビジネス メールの結び言葉としても使えますが、感謝の気持ちを伝えるコンテキストを加えることが必要になるかもしれません。
- “Many thanks” — この感謝の言葉はよりフォーマルな表現になるため、新しい仕事関係や見込み客にメールを送るような場合に効果的です。具体的なシチュエーションに対する感謝の言葉だけでなく、相手が積極的にコミュニケーションを続けようとしてくれていることに対する感謝の念を示すことができます。
特定のシナリオ別の “Thank you”
“Thank you” というフレーズには、特定のシチュエーションに最適なものがあり、それぞれのニュアンスを理解して正しく使うことが大切です。ここでは、プロフェッショナルな場面で感謝の気持ちを表す一般的な 3 つのオプションを簡単にご紹介します。
- “Thanks again” — このフレーズは、継続的な協力に対する感謝を意味しますが、メールで先に伝えた感謝の気持ちを再度伝えるためにも使えます。ニュートラルなトーンで、フォーマルな場にもインフォーマルな場にも合います。
- “Thanks in advance” — このフレーズを使うときは、将来の相手の行動に対する感謝の意を表しています。意味合いとしては、議題となっている特定のことを相手がしてくれるであろうという場合になります。ただし、相手が頼まれたことをする義務がない状況で使ってしまうと、このフレーズは厚かましいと思われる可能性があります。そのため、受け手が従うことを義務付けられている場合 (たとえばそれが仕事の一部である場合など) に使うのがベストです。
- “Appreciatively” — これはシンプルで形式的な結び言葉となることがあるため、あまり親しくない連絡先や、監督する立場の相手に使うことができます。このフレーズが正しく受け取られるためには、メールの本文が誠実で感謝に満ちたトーンでなければなりません。
“Thank you” を使った 3 つの避けるべき間違い
よくできたお礼の手紙は、受け取った人の気持ちを高めるものであるべきでしょう。そのためには、気をつけるべきいくつかの失敗例があります。
1. 自信過剰
通常の仕事内容やすでに承諾されている仕事とは異なる頼みごとを相手がしてくれると思い込んでいる場合、厚かましく聞こえることがあります。“Thanks in advance” といったフレーズにもそれに当てはまります。その場合、“I appreciate your time” のようなフレーズを使えば、思い込みによる罠を避けることができます。
2. カジュアルすぎる
もう 1 つの落とし穴は、読み手に対してカジュアルになりすぎることです。一般的なルールとして、面識の浅い相手ほど、よりフォーマルな文章を書くべきです。“I appreciate [感謝の理由を挿入]” や “I’m grateful for your [感謝の理由を挿入]” のようなフレーズは、メールの相手と限られた交流しかない場合に便利です。一方、“you’re a lifesaver” や “thanks a million” のようなフレーズは、あまりフォーマルではないため、より親しい間柄でのみ使うようにしましょう。
3. 過度の使用
上司やチーム メンバーのちょっとした好意や行動にいちいちお礼を言っていると、誠意がない、または自信がないと思われてしまう危険性があります。毎回のやりとりに反射的に “thank you” を付け加えると、その意味は失われてしまいますし、常に繰り返すのは、同僚からは賞賛のシャワーを浴びせないと援助が得られないと考えていることを示唆しかねません。最高の “thank you” には、その裏にちょっとした思いが存在するものです。
感謝を伝えるメール以外の方法
状況によっては、オフラインで感謝の気持ちを伝えることもできます。特に、日常的なやりとりを超えた感謝の気持ちを伝えたい場合や、相手に特別感を感じてもらいたい場合にはその方が有効です。たとえば、感謝の気持ちを伝えるメモと一緒に小さなお礼の品を贈ることもできます。また、同僚や上司に誰かの功績を認めてもらうために、会議の中でその人の努力について言及することもできます。
プロフェッショナルな場面で謝意を伝えるにはメールが最も簡単な方法ですが、オフラインでも感謝の気持ちを伝えることで、相手の努力にどれだけ感謝しているかを伝えることができます。
“Thank you” メールのよくある質問
ビジネス メールで “Thanks” と言う場合、どの程度のフォーマルさが適切なのでしょうか?
文脈が重要になりますが、一般的には、あまり親しくない相手ほどよりフォーマルであるべきです (逆もしかりです)。
仕事上のメールで “thank you” と言うのは適切ですか?
はい、ビジネス メールのエチケットとしては適切な表現です。一般的なものであれ、特定の理由であれ、感謝の気持ちを表したいのであれば、“thank you” というひとことは常に有効なフレーズです。
メールで陳腐な表現にならないよう感謝の気持ちを伝えるには、どのような方法がありますか?
“Thank you” や “many thanks”、または “thanks so much” のようなバリエーションを使うことは、メールで感謝の気持ちを表現する確実な方法です。どこにでもある言葉ではありますが、陳腐な表現とは考えられていません。
大きな頼みごとや多大なる助けに対する感謝の気持ちをメールで伝えるにはどうしたらいいでしょうか?
そのような場合は、他のことに重点を置いたメールに付け加えるのではなく、メール全体をお礼に充てるのがよいでしょう。感謝している事柄について少し詳しく説明し、それが相手の多大な努力を要したと認識していることを伝える必要があります。
2024 © Grammarly Inc.
「11 Ways to Say “Thank You” Over Email, and 3 “Thank You” Mistakes to Avoid」