フォトグラメトリの仕組み

PhotoModeler Technologies 社のソフトウェアを最も喜んでくださるお客さまは、フォトグラメトリの分野をよりよく理解している方々であると感じています。これは、フォトグラメトリの基礎知識を持つ人々が、さらに深い質問を投げかけ、最終的に PhotoModeler ソフトウェアをマスターするのに最も適した立場にあることを考えると、非常に理にかなった見解ではあります。

PhotoModeler Technologies 社のコア製品であるフォトグラメトリ ソフトウェアでは、手持ちのカメラで撮影した写真から正確でクオリティの高い 2D や 3D モデルが作成できます。フォトグラメトリは、単なる素晴らしい技術概念ではなく、製造、測量、法医学、公共安全、研究、ドローン撮影、映画のエフェクト、ビデオ ゲーム制作など、実世界での実用的なアプリケーションも多数あります。

したがって、この記事では、フォトグラメトリのために写真をキャプチャする方法を説明し、「フォトグラメトリの仕組み」の解明を試みます。長年の PhotoModeler ユーザーにとっては、フォトグラメトリとそのアプリケーション、および PhotoModeler 製品がフォトグラメトリ分野でどのように役立つかについて、より多くのバックグラウンドと学習資料を提供する、新しい記事シリーズのはじまりとなります。これらの記事では、特に製品自体やその機能については説明しませんが、一般的なフォトグラメトリのリソースとして役立つことを願っています。

それでは、フォトグラメトリというエキサイティングな分野について学んでいきましょう!

フォトグラメトリとは?

「フォトグラメトリ」という言葉自体は、「光」を意味する “photo”、 「記録、描画」を意味する “gram”、そして「測ること、測定法」を意味する “metry” から成っています。まとめると、フォトグラメトリとは「写真を使用して測定すること」という最も基本的な定義に落ち着きます。

たとえば、フォトグラメトリを使って山岳地帯の一部を図表化したい人がいるとしたら、山並み上を飛行し、数メートルごとに写真を撮ります。フォトグラメトリ ソフトウェアでは、撮影したすべてのポイントを三角法で測り、ポイント間の距離をスケールとして定義して、山岳地帯の正確な 2D または 3D マップを作成します。この説明だけでも、フォトグラメトリの多くの用途が明らかになってきます。

フォトグラメトリの歴史

フォトグラメトリが、写真撮影やコンピューターが普及した現代の産物だろうと想定している読者は、それが正解でもあり、ハズレでもあると知って驚くかもしれません。デジタル フォトグラメトリが始まったのは 1980 年代の話ですが、著名なイタリアン ルネッサンスの芸術家であり、発明家でもあったレオナルド ダ ヴィンチは、1480 年に、視点をイラストに組み込む方法、つまり、消失点を小さくし、見た目にはより近くにあるオブジェクトは大きくするという独自の理論を記録しています。1850 年代には、フランスの科学者エメ ロスダー氏が写真からのマッピングの可能性を指摘し、今日ではしばしば「フォトグラメトリの父」とみなされています。ほどなくして世界中のコミュニティがフォトグラメトリの実用的な活用方法に注目し始め、第 1 次世界大戦と第 2 次世界大戦中にそのテクノロジを実験的に使用するようになりました。

その他のより現代的な取り組みは、20 世紀を通して行われました。コンピューターを使って複雑な数学を解く解析フォトグラメトリは、1950 年代にウキ へラヴァ氏によって広められました。1990 年初期にデジタル カメラが出現してからは、フォトグラメトリが現代化し、画像処理と計算の両方がデジタル化しました。今日では、誰もが PhotoModeler のようなフォトグラメトリ ソフトウェアを入手して個人的な目的に使用できるようになりました。

フォトグラメトリのロケーション

フォトグラトリに必要な写真は、異なるロケーションで撮影できます。従来は空上からの撮影が主でしたが、飛行機やドローンが必要なわけではありません。フォトグラメトリは実世界において幅広い用途があるため、いくつかの異なる種類の写真撮影が可能です。

空中測量

航空写真を使用したフォトグラメトリを行う場合には、カメラを飛行機または UAV/ドローンの底面に取り付け、まっすぐ、またはわずかな角度で地面に向けます。カメラは、飛行機が移動するたびに地面の各エリアを重複しながら複数の写真を撮影します。これらの画像が、のちにフォトグラメトリ ソフトウェアでマッピングのモデルを作成する際のベースとなります。

地上測量

フォトグラメトリに使用する写真は、地上で直接撮影することも、歩行移動する人物や建物に取り付けたカメラなど、固定の地上位置から撮影することもできます。

衛星測量

3 つ目の主要なフォトグラメトリの方法では、衛星から軌道上で撮影された写真を使用します。これは、一般の人々が容易にアクセスできる方法ではありませんが、たとえば政府は衛星から撮影した写真やスキャンを使って地球上の大部分のポイントを三角測量できます。Google Earth や Google Maps などはこの種のデータソースをフォトグラメトリに使っています。

写真撮影の要点

フォトグラメトリの性質上、写真撮影は、工程初期に最高の品質で行う必要があります。フォトグラメトリに使用する写真には、次の 3 つの主要な要素があります。

画質

写真からクオリティの高いデータを抽出するには、写真そのものが高品質であるべきなのは明らかです。高品質の写真とは、十分な照明があり、ぼやけがほとんど、またはまったくといっていいほどなく (ピントおよび手ブレ)、適切な被写界深度を持ち、高解像度であることなどが特長として挙げられます。

位置と角度

フォトグラメトリを使った測定では、適切な制約事項を備えていれば単一の写真でも実行可能な場合がありますが、たいていのプロジェクトでは、複数の重複した写真を使用します。ソフトウェアのアルゴリズムがジオメトリを再構築するには、位置と、場合によっては角度が分離している必要があります。90 度までの角度はあり得ます。(PhotoModeler の SmartMatch 機能のように) マッチングが自動化されている場合には、写真間により小さい角度が求められますが、それでも異なる位置から撮影するようにします。

十分な視野と重複

フォトグラメトリ プロジェクトでは、カメラに適切な視野があることが重要です。被写体をカバーするのと同時に、解像度もできる限り高くします。これらは相反する要件ですが、写真を重複させることによってそれを克服できます。各写真では、オブジェクトやシーンの一部をカバーしていますが、異なる位置や角度で撮影した他の写真と重複するようにします。

フォトグラメトリの用途

これらを踏まえた上で、PhotoModeler をどのように活用できるでしょうか。関連する業界のニーズに合わせて、自然の風景から犯罪現場、ボートのカバーにいたるまで、正確で高解像度のさまざまなモデルを作成できます。採掘、測量、法医学、製造業など、フォトグラメトリ ソフトウェアはあらゆる業界で有効利用されています。

3D モデルが完成したら、撮影したエリアのシーンをスケール付きで詳細にわたって適切な角度から観察できます。このように、コンピューターを使ってシーンやモデルを文字通りあらゆる角度から観察できることを想像してみてください。フォトグラメトリでは、それが実現できるのです。

フォトグラメトリは実際にどのような仕組みになっているのでしょうか?

とはいえ、フォトグラメトリとは実際にはいったいどのような仕組みになっているのでしょうか。ソフトウェアがどのようにして写真から 2D や 3D モデルを抽出できるのでしょう。端的にいえば、フォトグラメトリは 3D ジオメトリを使用している、ということなのですが、それが何を意味するのかここで少し考えてみましょう。

フォトグラメトリに使用する目的で撮影した写真を見てみましょう。写真上の各ポイントは、カメラから始まり、実際のポイントまで伸びる 3D 空間での光線を定義しています。ただし、フォトグラメトリ ソフトウェアを活用するには、各写真を撮影したカメラの位置と角度、そして焦点距離、ピクセル サイズ、レンズの歪み等のカメラ特性など、写真に関する追加の情報が必要です。

これらの情報と、2、3 枚の写真上で特定できるポイントを使って、ソフトウェアは光線の幾何学的な交差点を見つけ出し、3D 空間においてそのポイントがどこに位置するかを判断します。写真上で同一の 3D ロケーションを指すポイントを複数見つけ出すことを「ポイント マッチング」といい、ポイント マッチングは手動または自動で行うことができます。光線が集結することを「光線交差」と呼びます。複数の写真を使ってポイントを解く方法を、「三角測量 (トライアンギュレーション)」といいます。PhotoModeler は、「バンドル調整」と「カメラの自動キャリブレーション」と呼ばれる 2 つのアルゴリズムで、わずかなポイントのマッチングを使用してカメラの位置、角度、およびカメラの特性を割り出します。その結果、3D ポイントの位置を取得し、ライン、サーフェス、テクスチャ マップ、そして完全な 3D モデルが作成されるというわけです。

必要に応じて、単一の写真でもフォトグラメトリの機能が使える場合があります。たとえば、現場に関するほかのデータがあれば、防犯カメラの単一フレームから強盗犯の身長を見極めることができます。フォトグラメトリには、想像以上にたくさんの用途があるのです。

この記事では、フォトグラメトリの概要と、PhotoModeler がどのように役立てるかをお伝えしました。


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How Does Photogrammetry Work?

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