2021年 9月、世界保健機関 (WHO) は、大気質に関するガイドラインを 16年ぶりに正式に更新しました。BreezoMeter は、この新しいガイドラインの意味を個人や企業が理解できるように、わかりやすく説明したいと考えています。
はじめに – WHO 大気質ガイドラインとは?
世界保健機関 (WHO) は、公衆衛生に関するさまざまな事項について世界基準を設定しています。様々なリスクによる健康への影響を一般の人々に伝え、説明することで広く認知され、必要に応じて前向きな変化や政策の見直し、積極的な防御策を推進しています。
特に WHO の大気質ガイドラインの目的は、健康リスクをもたらす主要な大気汚染物質に関する世界的なガイダンスを提供し、科学的根拠に基づいて短期および長期の暴露閾値を設定することにあります。ガイドラインは、健康へのリスクを最小限に抑えるために、個人や政府が遵守すべき明確なリスク指標と優良事例の推奨として機能します。
なぜ WHO は大気質ガイドラインを更新したのか?
前回の大気質ガイドラインは 2005年に更新されており、今回は 16年ぶりの更新となります。
この間に、大気汚染が健康に及ぼすリスクを強調する証拠がどんどん出てきました。蓄積されたデータを体系的に検討した結果、WHO は AQGs の多くのレベルを下方修正し、より危険な汚染物質のいくつかの推奨値を半減させました。
主なポイント – 大気質ガイドラインはどのように更新されたのか?
すべての証拠は、大気汚染は以前に考えられていたよりもはるかに有害であり、以前に推奨されていたよりもはるかに低いレベルであることを示しています。
- 5 の年間推奨値を、10μg/m3 から 5μg/m3 に引き下げ
- 5 の 1日推奨値を、25μg/m3 から 15μg/m3 に引き下げ
- NO2 の年間推奨値を、40μg/m3 から 10μg/m3 に引き下げ
その他の汚染物質についても、新ガイドラインではより厳しい推奨値が設定されています。
- PM10 の年間推奨値を、20μg/m3 から 15μg/m3 に引き下げ
- PM10 の 1日推奨値を、50μg/m3 から 45μg/m3 に引き下げ
- O3 の 8時間推奨値は 100μg/m3 のままだが、ピークシーズンの推奨値を 60μg/m3 とする項目を追加
NO2、SO2、CO も新たに 1日の推奨値が設定されました。
- NO2 の推奨値を、25μg/m3 に設定
- SO2 の推奨値を、40μg/m3 に引き上げ
- CO の 1日あたりの推奨値を、4mg/m3 に設定
今回のガイドラインの更新で最も重要なことは、このように大幅に見直しされたことで、これまで大気質の点で「健康」とされていた地域が「不健康」と登録されるようになったことです。このことを理解していただくために、BreezoMeter のサイエンス チームは以下の解説動画を作成しました。
これからどうすべきなのか?
ガイドラインが更新されたのは、大気汚染そのものが劇的に変化したからではありません。むしろ、劣悪な大気環境が健康に与える影響についての理解が深まったことを反映しています。
大気環境への意識が高まるにつれ、多くの国で新しいガイドラインや、管理されていない大気汚染への曝露がいかに危険であるかという新たな理解を反映して、地域の大気環境指数が更新されることが予想されます。
WHO によると、「現在の大気汚染レベルが新しいガイドラインで提案されているレベルにまで低下した場合、PM2.5 に関連する死亡の約 80% を世界で回避することができる」とのことです。
BreezoMeter の使命は、高精度の大気質情報と個別の環境に関する洞察を提供することで、何十億もの人々の生活を守ることです。そのため、BreezoMeter は世界保健機関の大気質に対する新たな注目を支持し、この画期的な規制の更新による影響を近い将来および遠い将来に注視していきたいと考えています。
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記事参照:
© 2021 BreezoMeter
2021 年 9 月 29 日
「Why Should You Care About WHO’s New Air Quality Guidelines?」