デザインファーストの API 開発

API デザイン プロセスの現状

今日の API 主導の世界では、強力な API デザインが、信頼性と拡張性に優れたサービスを構築する鍵となります。構造化や標準化がなければ、デザイン フェーズはあっという間に混乱に陥る可能性があります。チームの連携不足、システムの密結合、コードの重複、一貫性のない標準といったよくある問題が雪だるま式に増えていきます。これは遅延や顧客体験の低下を招き、場合によっては長期的な技術的負債となり、深刻なビジネス リスクにつながります。

こうした落とし穴を避けるには、構造化された手法とそれをサポートする適切なツールが必要です。そこで、SmartBear API Hub と ReadyAPI を組み合わせたデザイン ファーストの手法が役に立ちます。

デザイン ファースト手法

デザイン ファースト手法は、コードを記述したりテストを実行したりする前に、API インターフェイスのデザインを優先する API 開発アプローチです。この基礎となるデザイン ステップにより、先に述べた多くの一般的な問題が解消されます。

  • コラボレーションの強化: デザインファースト手法により、プロダクト マネージャー、開発者、QA、デザイナーなどの主要な関係者が、初日からコラボレーションを実現できます。この早期の調整により、全員が共通のビジョンを持ち、API の方向性に対する責任感を持つことができます。
  • 開発の迅速化: API デザインが完全に具体化されているため、開発者は方向性を確認するための頻繁な会議を必要とせず、すぐに作業を開始できます。バックエンド チームとフロントエンド チームは、API 仕様をガイドとして、並行して作業を進めることが可能です。
  • バグと手戻りの削減: API のすべての構成要素が事前に定義されているため、チームが不整合なコンポーネントを構築する可能性が低くなります。これにより、開発中のエラーが減り、手戻り作業の必要性が最小限に抑えられます。
  • 顧客体験の向上: デザインファーストの視点で構築された API は、多くの場合、一貫性が高く、ドキュメントが充実し、リリースが迅速になります。これは、エンドユーザーにとって、スムーズな統合と問題の減少につながります。

API Hub による API デザインの一元化

デザインファースト手法を効果的に実行するには、コラボレーションを促進し、標準に準拠し、すべての関係者の連携を維持するプラットフォームが必要です。SmartBear が開発した API Hub は、まさにそのようなプラットフォームです。

API Hub は 5 つの緊密に統合された機能を備えており、デザインファースト ワークフローのあらゆる段階をサポートし、優れたアイデアを信頼性の高い API へと変えます。

  • API Hub for Design: API 仕様の信頼できる唯一の情報源です。チームはコード エディターやフォーム エディターを使用して API を共同で構築しながら、一貫したガバナンスと標準化を実現できます。コードを記述する前に明確なコントラクト (契約) を確立する、これがデザインファースト手法の開始点です。
  • API Hub for Portal: デザインした API をインタラクティブなドキュメントとして公開します。社内チームと API の利用者をつなぐ橋渡しとして機能し、API Hub for Design で作成されたデザインをシームレスに反映する、カスタマイズ可能でブランド化されたインターフェイスを提供します。
  • API Hub for Explore: 開発者とテスターに、ドキュメントから直接 API エンドポイントをすばやく試す実践的な方法を提供します。API Hub for Design と API Hub for Portal の両方からアクセス可能で、テストと探索を同じフローで実行し、デザインファーストのパイプラインをさらに加速します。
  • API Hub for Test: API Hub for Explore を基盤とするこの機能は、API 仕様から直接、より詳細なテストを可能にします。エンドポイントを取り込むことで、チームはサイクルの早い段階で動作とパフォーマンスの検証を開始できます。これは、デザインファーストの重要な利点です。
  • API Hub for Contract Testing: 双方向のコントラクト (契約) テストをサポートし、元のデザイン コントラクト (契約) と照らし合わせて、API を独立して継続的に検証することを可能にします。これにより、特にマイクロサービスやパートナー主導の環境において、チームはテストをシフトレフトし、統合リスクを軽減できます。

ReadyAPI による API テストの強化

API Hub で API をデザインして公開したら、次は包括的なテストを実施します。そこで ReadyAPI の出番です。

ReadyAPI は、API Hub の API デザインを直接利用可能なテスト プラットフォームです。統合機能とローコード インターフェイスにより、バックエンドが完全に実装される前であっても、テスターは機能テスト、セキュリティ テスト、パフォーマンス テストを作成することができます。

  • テスト: API Hub から OpenAPI 仕様を直接インポートし、数秒でテストを生成できます。アサーションの設定、外部データソースのリンク、さらには自動セキュリティ スキャンを適用して API の整合性を検証することも可能です。
  • パフォーマンス: 機能テストにスケーラブルな負荷シナリオを適用し、実際の使用状況をシミュレーションできます。カスタム プロファイルを作成し、本番環境に移行する前に API が負荷に耐えられるかをテストできます。
  • 仮想化: 実際のバックエンドがなくても問題ありません。仮想化により、テスターは依存サービスをモック化し、エンド ツー エンドのテスト カバレッジを完全に実現できます。これは、デザインファースト プロセスの早い段階にテストを実施する際に特に役立ちます。また、実際の統合を構築する前に、コントラクト (契約) テストなどの形式にも対応できます。

API Hub と ReadyAPI を組み合わせたデザインファースト手法が必要な理由

デザインファースト手法は単なるプロセスではなく、明快さ、コラボレーション、スピードを優先する考え方です。SmartBear の API Hub と ReadyAPI と組み合わせることで、この手法は完全な統合ワークフローとなります。

  • API Hub for Design から始め、API を共同で定義します。
  • API Hub for Portal でドキュメント化し、公開して、API Hub for Explore で即座にテストします。
  • API Hub for TestAPI Hub for Contract Testing で元の仕様との整合性を維持しながら、より詳細な検証を行います。
  • ReadyAPI に移行することで、機能、パフォーマンス、仮想環境にわたるスケーラブルなローコード テストを実現できます。

このアプローチを採用することで、組織はより迅速かつ安全に、そして予期せぬトラブルを最小限に抑えながら、より優れた API を提供できます。その結果、社内ワークフローがよりスムーズになり、エンドユーザーにとってより優れたエクスペリエンスが実現します。

デザインファーストの API 開発で次のステップへ

API Hub と ReadyAPI は、信頼性の高い API を自信を持ってデザイン、テスト、提供するために必要な強力な基盤を提供します。

無料評価版でぜひお試しください。


この資料は、SmartBear の Web サイトで公開されている API Hub for Contract Testing University ドキュメントの「Design First With API Hub for Design」にある「Embracing the Design-First Methodology with SmartBear API Hub and ReadyAPI」を参考に作成しました。

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