PhotoModeler を使った文化財の調査、保存プロジェクト ~ 奈良公園/興福寺にて

まもなく東京では桜の開花が始まる時期となり (3月 13日現在)、今年は全国的にも平年より早い開花が予想されています。野生のシカや大仏などの歴史的文化遺産でよく知られる奈良公園は、桜の名所 100 選にも選ばれていますが、今回の記事では、そんな美しい奈良公園で写真撮影をし、フォトグラメトリ ツールの PhotoModeler を使った文化財の調査、保存プロジェクトについてご紹介します。 

本プロジェクトの概要

このプロジェクトは、撮影現場で費やす時間を最小限に抑えながら、奈良に実在する有名な歌碑の 3D 表面形状をモデリングすることを目標としました。

奈良公園には、早稲田大学の教授を務めた歌人で美術史家の会津八一 (1881 〜 1956) の歌碑がいくつかあります。 本プロジェクトのモデルとなった興福寺本坊前の歌碑は、2007 年に建てられました。この歌碑には、春と桜について詠った八一の短歌が彫られています。

モデリング プロジェクトに使用した 11 枚の写真のうちの 1 枚

短歌: はるきぬと いまかもろびと ゆきかへり ほとけのにはに はなさくらしも (会津八一「興福寺をおもふ」)

解釈: 春が来た。人々は今ごろ興福寺を訪れ、仏さまのいらっしゃる庭には桜が咲いていることだろう。

「興福寺をおもふ」のテキスト部のクローズアップ

公園や美術館などでは、写真撮影の時間が限られていることが多いため、このプロジェクトでは、撮影現場での時間を最小限に抑えることを目標としました。一般消費者向けでクオリティの高いカメラを使用し、11 枚の写真撮影に要した時間はわずか 2 分でした。写真を作業場に持ち帰り、PhotoModeler Premium に読み込んでオリエンテーションと自動キャリブレーションを行いました。カメラについて追加した情報はありません。プロジェクトの処理時間は約 1 分で、その結果、11 枚の写真の標定、カメラのキャリブレーション、1200 個の 3D  SmartPoints ができました。次に、およそ 12 分をかけて730,000個の 3D 点群による高密度のサーフェス モデル (DSM) とテクスチャをフル画像解像度で作成しました。草の部分のポイントを除去する修正作業後、歌碑の彫刻部分が正面となるように向きを設定しました。また、歌碑の調査、測定のために、3D ビューアーを使ってさまざまなレンダリングを生成しました。

PhotoModeler に読み込んだ 11 枚の写真と 3D サーフェス モデル

歌碑の表面をテクスチャなしの影付きのサーフェスでレンダリングしたクローズアップ。彫刻の深さが確認できます。

色付きのサーフェス形状のレンダリング。深さを視覚化できます。

ごく最小限の作業のみで、日本の美しい歌碑をキャプチャした非常に興味深いプロジェクトができました。

(PhotoModeler で作成したムービー アニメーション。キャプチャされた 3D モデルを表示しています。)

プロジェクトの基本スペック

  • 撮影日: 2020 年 2 月 29 日
  • 撮影場所: 奈良公園/興福寺 (奈良県奈良市登大路町)
  • 写真: 11 枚
  • カメラ: Canon Eos M100 (15 mm – 45 mm ズーム レンズを 15 mm に設定)
  • ソフトウェア: PhotoModeler Premium 2020

参考文献

• https://noborioji.com/noboriojiselect/article/80
• https://aizuyaichi.or.jp/en/aizuyaichi/life/


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「Preservation and Study PhotoModeler Project of Stone Sculpture with Japanese Poem」