インテル® MPI ライブラリー 2021

インテル® アーキテクチャー・ベースのクラスター・アプリケーション高速化を支援します。
インテル® ベース & HPC ツールキットに同梱されています。

関連情報
[お知らせ一覧]

柔軟で効率の良い、スケーラブルなクラスターメッセージを提供

インテル® MPI ライブラリーは、ハイパフォーマンスな MPI-3.1 規格を複数のファブリックに実装することにより、インテル® アーキテクチャー・ベースのクラスターでアプリケーションのパフォーマンスを向上させます。インターコネクトを変更したり、新しいインターコネクトにアップグレードした場合でも、ソフトウェアや動作環境を変更することなく、パフォーマンスを素早く最大限に引き出すことができます。

ハイパフォーマンスな MPI メッセージ・ライブラリーを使用することで、実行時にユーザーによって選択される複数のクラスター・インターコネクトで実行可能なアプリケーションを開発することができます。インテルでは、インテル® MPI ライブラリーで開発された製品用に無償のランタイム環境も提供しています。利用者の規模を選ばず、エンタープライズ、各部門やグループ、個人向けのいずれにおいても、ハイパフォーマンス・コンピューティングでパフォーマンス向上を支援します。

詳細・新機能 技術情報

新しいフローグラフ・ツール (現在はアルファ版)

  • Flow Graph Designer

    開発者がフローグラフ・アプリケーションを作成およびチューニングするのを支援します。これは、次の 2 つの方法で行われます

  • 解析ツール

    インテル® oneTBB によるフローグラフ・アプリケーションの実行トレースを収集し、可視化する機能 Flow Graph Designer を提供します。Flow Graph Designer により、開発者はノードの実行時間のタイムラインと相互に作用するグラフのトポロジーを検索することができ、そのグラフのノードに関する重要な統計情報を得ることができます。

  • 設計ツール

    インテル® oneTBB のフローグラフのダイアグラムを可視化し、将来の開発における出発点となる C++ スタブを作成します。

Flow Graph Designer ツールの詳細とダウンロードについては、 Flow Graph Designer の記事 (英語) をご覧ください。

スイート製品に同梱

インテル® MPI ライブラリーは単体で販売されておりません。以下製品に同梱されます。

インテル® oneAPI ベース & HPC ツールキット

C/C++、Fortran コンパイラーと MPI 開発ツールにより、CPU およびアクセラレーターまたはそれらのクラスターへ最適化された HPC アプリケーションの開発を支援します。

バージョン 2021.9 新機能

主に以下の変更・機能が追加されました。
詳細は、リリースノートおよび インテル社公開の情報を参照ください。

  • XE リンクを使用して GPU から GPU への直接的な通信を実現するインテル® データセンター GPU マックス。シリーズ (開発コード名 Ponte Vecchio) の初期サポートを提供します。
  • 第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー (開発コード名 Sapphire Rapids) に組み込まれた新しいデータ・ストリーミング・アクセラレーターの利用により、クラスター・アプリケーションのパフォーマンスを高速化します。
  • インテルの GPU とインテル® Xeon® CPU マックス・シリーズ向けにパフォーマンスの最適化が実装されました。

パフォーマンス

マルチコア・プラットフォームの共有メモリーパスの最適化により、通信スループットの向上と低レイテンシーを提供します。ネイティブ InfiniBand* インターフェイス (OFED* verb) による低レイテンシーもサポートします。

また、マルチレール機能による高帯域幅、プロセス間通信の向上、TMI (Tag Matching Interface) のサポートによるインテル® True Scale、Qlogic* PSM* および Myricom* MX* インターコネクト・パフォーマンスの向上を実現します。

  • 低レイテンシーの MPI 実装により、一般的な MPI ライブラリーより最大 2 倍高速化
  • 大規模な SMP ノードで最適化された共有メモリーへ動的に接続可能
  • 強化された DAPL、OFA および TMI ファブリック・サポートにより、パフォーマンスを向上
  • 拡張された MPI 向けのチューニング・ユーティリティーにより、アプリケーションを高速化

スケーラビリティー

ハイパフォーマンスな MPI-3 規格バージョン 3.1 を複数のファブリックに実装することにより、インテル® MPI ライブラリー for Windows*/Linux* は、IA ベースのクラスター上でアプリケーションのパフォーマンスを向上させます。

インテル® MPI ライブラリーでは、インターコネクトを変更したり、アップグレードした場合でも、ソフトウェアや動作環境に大幅な変更を加えることなく、パフォーマンスを素早く最大限に引き出せます。インテルでは、インテル® MPI ライブラリーで開発された製品用に無償のランタイム環境も提供しています。

スレッドの安全性により、マルチコアおよびメニーコアのインテル® プロセッサー上で最適なパフォーマンスを実現でき、ハイブリッド・マルチスレッド MPI アプリケーションをトレースすることが可能になります。mpiexec.hydra プロセス管理により、起動時のスケーラビリティーを向上します。

インターコネクトの独立性と柔軟な実行時のファブリック選択

TCP ソケット、共有メモリー、または InfiniBand* などの多数の RDMA (Remote Direct Memory Access) ベースのインターコネクトのいずれかを実行しなければならない場合でも、インテル® MPI ライブラリーは、DAPL* (Direct Access Programming Library) や OFA* (Open Fabrics Association) を利用して高速なインターコネクトを実現する一般的な複数のファブリック・レイヤーを提供することで、すべての構成をカバーします。実行時にユーザーがどのネットワークを選択しても、効率良く実行できる、ファブリックに依存しない MPI コードを開発できます。

  • TCP、共有メモリーなどだけでなく、インテル® True Scale、Myrinet* MX および QLogic* PSM インターフェイスを含むハイスピードのインターコネクトを利用できます。
  • DAPL*、OFA*、および Tag Matching Interface (TMI*) を介して効率良く動作し、開発者はさまざまなネットワーク・ファブリック上で容易にアプリケーションをテストして実行できます。
  • すべてのレベルのクラスター・ファブリックに最適化: 共有メモリー、イーサーネットや RDMA ベースのファブリックから、タグ・マッチングのインターコネクトまで。
  • 業界をリードする MPI ライブラリー

インテル® MPI ライブラリーは、必要な場合のみ動的に接続を確立し、メモリー・フットプリントを削減します。また、利用できるトランスポートの中から最も高速なものを自動で選択します。必要なメモリー空間のみを割り当てる 2 段階からなる通信バッファーの拡大機能を含むいくつかの手法により、メモリー使用量を抑えます。

MPI 3.1 標準化をサポート

メッセージ・パッシング・インターフェイスの今後の進化は、MPI-3.1 標準のリリースが鍵となります。リモート・メモリーアクセス (RMA) の片方向通信、非ブロッキング集約操作の追加、そして 2GB 以上の大規模数のメッセージの劇的な変更により、使いやすさとパフォーマンスが向上します。これらは、インテル ® MPI ライブラリーでサポートされています。

バイナリー互換

インテル® MPI ライブラリーは、既存の MPI-1.x および MPI-2.x アプリケーションとのバイナリー互換性を提供します。開発者が、新しい MPI 標準へ移行する準備ができていなくても、再コンパイルすることなく、最新のインテル® MPI ライブラリーによるパフォーマンス向上を実現できます。さらに、インテル® MPI ライブラリーは、MPICH ABI 互換性の先駆けであり、任意の MPICH でコンパイルされたコードもインテルのランタイムを使用することができます。

オペレーティング・システムの混在をサポート

Hydra プロセス管理の下、オペレーティング・システムが混在するクラスター (Windows* と Linux*) 環境で単一の MPI ジョブを実行できます。この新しい機能により、ジョブ展開の柔軟性が高まります。

最新のプロセッサーをサポート

インテル® MPI ライブラリーを使うことをで、以前のインテル® プロセッサーおよび互換プロセッサーとの互換性を保ちながら、最新のインテル® Xeon® プロセッサー、インテル® Xeon Phi™ プロセッサー で向上したパフォーマンスを発揮することができます。インテル® AVX2、インテル® TSX、FMA3 およびインテル® AVX-512 もサポートします。

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製品セミナーや関連イベントをご紹介。

米インテル社の製品情報を日本語に翻訳して公開中。

クラスターシステムの性能解析ツールです。

世界最大規模のクラスターユーザーの 70% が活用しているデバッガー & プロファイラーです。

プロセッサー

インテル® プロセッサー、インテル® コプロセッサー、および互換プロセッサーをサポートします。

  • インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー以上
  • インテル® Xeon® スケーラブル プロセッサー・ファミリー (推奨)
アクセラレーター

GEN9 または最新のインテル® Iris® Xe MAX グラフィックスを含む GEN9 以降の GPU

ドライバーおよびライブラリー

oneAPI レベルゼロ API 1.0

オペレーティング・システム

複数オペレーティング・システム上で同じ API を使用してアプリケーションを開発できます。

Windows*

  • Microsoft* 10、11
  • Microsoft* Windows Server* 2019、2022

Linux*

  • Red Hat* Enterprise Linux* 8、9
  • Fedora* 37
  • Rocky Linux 9
  • SUSE* Linux Enterprise Server* 15 SP3、 SP4
  • Ubuntu* 20.04、22.04
  • Debian* 11
  • Amazon* Linux 2022
サポートするコンパイラーと開発環境

Windows*

  • インテル® C++ コンパイラー・クラシック 17.0 またはそれ以降
  • インテル® Fortran コンパイラー・クラシック 17.0 またはそれ以降
  • Microsoft* Visual Studio* コンパイラー 2020

Linux*

  • インテル® C++ コンパイラー・クラシック 17.0 またはそれ以降
  • インテル® Fortran コンパイラー・クラシック 17.0 またはそれ以降
  • GNU*: C、C++、Fortran 77 3.3 またはそれ以降および Fortran 95 4.8.0 またはそれ以降
言語

C/C++、Fortran

デバッガー (Linux* のみ)
  • Rogue Wave* Software TotalView* 6.8 またはそれ以降
  • Allinea* DDT* 1.9.2 またはそれ以降
  • GNU* Debuggers 7.4 またはそれ以降
バッチシステム

Windows*

  • Microsoft* Job Scheduler
  • Altair* PBS Pro* 9.2 またはそれ以降

Linux*

  • Platform* LSF* 6.1 またはそれ以降
  • Altair* PBS Pro* 7.1 またはそれ以降
  • Torque* 1.2.0 またはそれ以降
  • Parallelnavi* NQS* V2.0L10 またはそれ以降
  • NetBatch* v6.x またはそれ以降
  • SLURM* 1.2.21 またはそれ以降
  • Univa* Grid Engine* 6.1 またはそれ以降
  • IBM* LoadLeveler* 4.1.1.5 またはそれ以降
  • Platform* Lava* 1.0
ファブリック・ソフトウェア
クラスター・ファイル・システム (Linux*)
  • IBM Spectrum Scale* (GPFS*)
  • LustreFS*
  • PanFS*
  • NFS* v3 またはそれ以降
  • 最新の情報は、製品または評価版に同梱されているリリースノートを参照ください。

お知らせ

2020年 12月 9日、インテル® MPI ライブラリー 2021 が同梱されるインテル® oneAPI 2021 の販売を開始しました。

過去に製品をご購入いただき、現在有効なサポートサービスをお持ちのお客様は、すぐにバージョン 2021 を無料でダウンロードしてご利用いただけます。

2019年 12月 18日、インテル® Parallel Studio XE 2020 を販売開始しました。

インテル Parallel Studio XE 2020 初期リリースの時点では、インテル MPI ライブラリーの最新バージョンは 2019 update 6 となります。サポートサービスの有効期間中に後継となる新バージョンがリリースされた場合、その新バージョンも無料でダウンロードし、利用いただけます。

2018年 9月 13日、インテル® MPI ライブラリー 2019 を販売開始しました。

過去に製品をご購入いただき、現在有効なサポートサービスをお持ちのお客様は、すぐにバージョン 2019 を無料でダウンロードしてご利用いただけます。

FAQ

インテル® MPI ライブラリーには開発者ライセンスとランタイムライセンスがあります。インテル® MPI ライブラリー・ベースのアプリケーションのユーザーが、アプリケーションを再リンクしてユーザーが作成したサブルーチンを追加する場合、同じマシンに 2 つのライセンス (開発者およびランタイム) が必要です。ユーザーが MPI コードを実際に記述する (MPI_* 関数を直接呼び出す) 場合、開発者ライセンスが必要です。 ランタイムライセンスには、インテル® MPI ライブラリー・ベースのアプリケーションを実行するために必要なものがすべて含まれています。ライセンスは無料で、ライセンスの期限はありません。開発者ライセンスには、アプリケーションをビルドおよび実行するために必要なものがすべて含まれています。ライセンスは有料で、ライセンスの期限はありません。インテル® MPI ライブラリー・ベースのアプリケーションを実行するために必要なコンポーネントを無料で再配布できます。

いいえ。ISV がインテル® MPI ライブラリーを製品とともに出荷する場合、現在は 3 つの異なるモデルがあります。

  1. ISV は、開発キットに含まれているインテル® MPI ライブラリーのランタイム・コンポーネントを再配布できます (再配布可能なファイルの一覧は、インテル® MPI ライブラリーのインストール・ディレクトリーにある redist.txt ファイルを参照してください)。

  2. ユーザーがインテル® MPI ライブラリーをシステム・コンポーネントとしてインストールする場合、ランタイム環境キットをインテル® MPI ライブラリー製品ページから無料でダウンロードできます。

  3. インテル® MPI ライブラリー RTO (ランタイム環境) をベンダーが事前にインストールしてアプリケーションとともに出荷できます。

インテル® MPI ライブラリーは、単体製品またはインテル® Parallel Studio XE Cluster Edition 製品のコンポーネントとしてご購入いただけます。
無償評価版は、 こちらのページからご登録いただけます。製品名にて、インテル® Parallel Studio XE 製品をお選びください。

製品をご購入後は、 インテル® ソフトウェア開発製品レジストレーション・センターからインテル® MPI ライブラリー for Linux* またはインテル® MPI ライブラリー for Windows® のパッケージを入手できます。

はい。インテル® MPI ライブラリー for Windows® を利用できます。

インテル® MPI ライブラリー・ランタイム環境は以下リンクから申し込むことで、無償にてダウンロードいただけます。

申し込み後は、 インテル® レジストレーション・センターからランタイム環境のダウンロードが可能です。

インテル® レジストレーション・センターで操作します。
操作手順やよくあるご質問、トラブルシューティングは、インテル® レジストレーション・センター操作マニュアルを参照ください。

» マニュアルはこちら

最新版、または旧バージョンのダウンロードは、インテル® レジストレーション・センターで行います。
詳細は以下ページを参照ください。

» 製品登録 & ダウンロード