Docker VMM パブリック ベータ版公開!Docker Desktop 最新リリースまとめ (v4.84.0 ~ v4.87.0)

本記事では、Docker Desktop バージョン 4.84.0 ~ 4.87.0 における新機能、改善点、既知の問題、そして修正内容について紹介します。Docker 社が公開しているリリース ノートを基に、日本国内ユーザー向けに主要な変更点をわかりやすくまとめています。

最新バージョンがまだ利用可能でない場合は、しばらく時間をおいてから再度確認してください。通常、リリースから約 1 週間以内にアップデートが順次展開されます。

なお、最新リリースから 6 か月以上前のバージョンについてはダウンロード提供が終了しています。Docker Business を利用することで、6 か月以上前のバージョンも引き続きサポート対象として利用できます。

注目トピック

Docker 社独自開発の仮想化エンジン「Docker VMM」のパブリック ベータ版を公開 (Mac / Windows)

Docker が自社でゼロから独自開発した、コンテナー ワークロードに最適化された仮想化レイヤー「Docker VMM」のパブリック ベータ版が、Docker Desktop v4.86 から利用可能になりました。従来サードパーティ製の VMM に依存していた部分を完全自社開発に移行したことで、パフォーマンス、安定性、機能改善のサイクルが大幅に向上しています。

主な特長とパフォーマンスの向上

  • コンテナー起動の高速化: 初回起動時、プロジェクト切替時、再起動からの復旧時など、全体的なコンテナーの起動時間を大幅に短縮しました。
  • ファイル I/O パフォーマンスの改善: ホストとコンテナー間のファイル共有が高速化し、編集、ビルド、テストのサイクル全体で処理効率が向上しました。
  • 効率的なメモリ管理: コンテナーがアイドル状態になるとホストへ自動的にメモリを返却するため、不必要な RAM の占有を防ぎます。
  • Windows での安定性と隔離性の両立: Hyper-V 同等の安全な分離環境と、WSL2 に匹敵する高速なパフォーマンスを同時に提供します。
  • 統合された基盤: Docker Sandboxes (SBX) と同じ仮想化エンジンを採用しており、今後はローカル、クラウド、オンプレミスを跨ぐ統一された実行基盤へと進化する予定です。

利用方法

  • Mac: 既に設定画面で Docker VMM を使用している場合、v4.86 へアップグレードすると自動的に新しいエンジンへ更新されます。
  • Windows: [Settings] > [General] を開き、[Docker VMM] オプションをオンにすることで利用できます。
  • 今後の予定: ベータ期間は 2026 年秋まで実施され、2026 年 10 月末に正式版 (GA) への移行を予定しています (GA 時には Linux サポートも追加予定)。

4.87.0 (2026/8/17)

アップデート情報

不具合の修正および機能強化

すべてのプラットフォーム

  • Docker Desktop を別ドライブのカスタム ディレクトリにインストールしている場合、アプリ内のアップデートが「Source and destination path must have identical roots」エラーで失敗する問題を修正しました。
  • プロキシのエラーが発生した際、接続不能な上位プロキシではなく接続先のサーバー名が表示される不具合を修正し、診断データにマシン全体 (システム) のプロキシ設定を含めるよう変更しました。
  • 以前のアップデートが失敗した後に、アップデート処理が「file exists」エラーで失敗し続ける問題を修正しました。
  • 起動時の自動ログインに失敗した際、Docker Desktop を再起動しない限り Gordon がツールへのアクセス権を失い、誤解を招くサインイン プロンプトが表示される問題を修正しました。

Mac

  • libkrun エンジンを使用した VM のシャットダウン時に、誤って「Docker Desktop encountered an unexpected error」ダイアログが表示されることがある問題を修正しました。
  • Apple Virtualization Framework を使用した VM において、新しい接続が開いた直後に Docker Desktop が予期せず停止する稀なクラッシュを修正しました。

Windows

  • Windows における WSL エラーの復旧処理において、HCS/0x80070569 などの特定エラーに対して具体的な対応手順が表示されず、汎用的なエラーが表示される問題を修正しました。
  • Windows 環境において、ユーザー単位で EXE インストールを行ったアプリに自動アップデートを適用すると、install-settings.json が正しいユーザー単位の場所ではなくシステム全体のパスに書き込まれてしまう問題を修正しました。
  • Get-NetConnectionProfile.json ファイルが空になり、診断バンドルにネットワーク接続プロファイル データが含まれない問題を修正しました。
  • Windows 付属のオプション機能ではなく Microsoft Store 経由で WSL をインストールしている場合、Docker Desktop から wsl --update の実行を繰り返し求められる問題を修正しました。
  • Linux コンテナーではなく Windows コンテナーを使用している場合に、[Resource Saver] 設定セクションが誤って表示される問題を修正しました。
  • ハイパーバイザーとして Hyper-V を選択している際、[Resources] 設定でディスク イメージの使用制限が非表示になる問題を修正しました。
  • ユーザー単位のインストール時のインストーラー ログが、診断バンドルから漏れていた問題を修正しました。
  • Windows 上で Hyper-V を使用している際、仮想ディスクの上限値を低く設定しても適用されない問題を修正しました。
  • Windows 上の Docker VMM バックエンドにおいて、ディスク使用制限のスライダーが非表示になり無視されていた問題を修正しました。修正後は [Settings] > [Resources] > [Advanced] でディスク サイズを設定および適用できます。

4.86.0 (2026/8/10)

アップデート情報

  • Docker Engine v29.7.2
  • Docker Buildx v0.36.0
  • Docker Scout CLI v1.24.0
  • Docker Agent v1.119.0

不具合の修正および機能強化

すべてのプラットフォーム

  • Docker 独自のコンテナー最適化ハイパーバイザーによる「Docker VMM Beta」のパフォーマンスを向上しました。Mac および Windows で利用可能です。
  • ツール エラー、ポリシーによるブロック、ループの検出が発生した際、Gordon が汎用的な「Agent error」ではなく、具体的なエラー メッセージを表示するよう変更しました。
  • エンジンのシャットダウン時に、コンテナー停止のタイムアウトおよび unless-stopped 再起動ポリシーが適用されない問題を修正しました。
  • プロキシが環境変数ではなく OS 側で設定されている場合に、Docker Desktop ダッシュボードから Docker Offload を有効化できない問題を修正しました。
  • 非常に古いバージョンの設定ファイルを引き継いでいるユーザーにおいて、アップグレード後の起動時にクラッシュする問題を修正しました。
  • 自動割り当てされた公開ポートを使用する Swarm サービス (ホストモードのタスク ポートや重複した Ingress ポートの定義を含む) のポート フォワーディングに関する問題を修正しました。
  • Gordon AI エージェントのツール確認 UI に 3 つの安全モード (Strict、Balanced、Autonomous) を追加し、従来の承認/すべて許可を行うダイアログを置き換えました。確認時にはリスク ティアのラベルが表示されます。
  • アプリの起動時に、「Waiting for the Docker Engine…」の画面が一瞬表示されたり、アクセス制限されたページから意図せず画面遷移したりする、UI の一瞬の誤表示 (チラつき)を修正しました。
  • VirtioFS 経由で共有される AF_UNIX ソケットが、双方向 (ホストからゲスト、およびゲストからホスト) で正常に機能するよう修正しました。
  • VM の再起動時にウィンドウのフォーカスが奪われる問題を修正しました。

Mac

  • Enhanced Container Isolation (強化されたコンテナー分離) が有効な Kubernetes (kind) クラスタにおいて、Docker Desktop の再起動後に復旧に失敗することがある問題を修正しました。
  • Apple Silicon 上の inet テーブルにおいて、nftablesfib 式が「Operation not supported」エラーで失敗する問題を修正しました。

Windows

  • Windows インストーラーにおいて、設定ファイルやエンタープライズ ポリシー ファイルを書き込めなかった場合でも「成功」と表示してしまう問題を修正しました。
  • セカンダリ ログオン (別ユーザーとして実行) セッションで Docker Desktop を起動した際、Model Runner が「CreateJobObject: Access is denied」エラーで起動に失敗する問題を修正しました。
  • Windows でのアップグレード時にウイルス対策ソフトウェアによって隔離されるのを防ぐため、同梱されている 7-Zip をバージョン 26.02 に更新しました。

Linux

  • Linux arm64 ホストにおいて、QEMU バイナリのパス解決が正しく行われず、Docker Desktop の起動に失敗する問題を修正しました。

セキュリティ

  • docker container cp における移動先エスケープの脆弱性 (CVE-2026-17106) に対処しました。

4.85.0 (2026/8/3)

アップデート情報

  • Docker AI Agent v1.115.0

不具合の修正および機能強化

すべてのプラットフォーム

  • ユーザーが分析機能 (アナリティクス) を無効に設定している場合でも、ネイティブのクラッシュ レポートが Bugsnag に送信されてしまう問題を修正しました。
  • ファイルの書き込みや編集アクションを承認する際、Gordon の確認カード内でファイルの内容プレビューおよび差分 (diff) が表示されなくなる問題を修正しました。
  • 無効な install-settings.json ファイルが存在する場合に、エラー ダイアログが表示されるまでに約 7 分間の起動遅延が発生していた問題を修正しました。現在は直ちにエラーが表示されます。
  • Gordon のプラン モードにおいて、最初のメッセージの送信後にバックグラウンドでビルド モードへ戻ってしまい、画面上はプラン モードが有効に見えても、以降のやり取りでフル ツール アクセスが実行されてしまう問題を修正しました。
  • 起動時に無効な config.json ファイルが存在する場合に、エラー ダイアログが数秒で表示されず、最大 7 分間遅延していた問題を修正しました。
  • コンテナーのファイル 監視機能 (inotify/fanotify) がバインド マウント上のホスト側のファイル変更を検知した際に、Linux VM がカーネル パニックを起こして Docker Desktop がフリーズする可能性があった問題を修正しました。
  • Docker Hardened Images CLI において、コンソールに JSON を出力する際にアンパサンド (&) がエンコードされてしまう問題を修正しました。
  • 設定が読み込まれる前に拡張機能のセレクターが誤って有効化されることが原因で、起動時に拡張機能関連のリクエストが失敗する問題を修正しました。
  • 過去のマルチエージェント Gordon セッションを再読み込みした際にサブエージェントのメッセージ属性が失われ、サブエージェントのメッセージがメイン エージェントによって生成されたかのように表示される問題を修正しました。
  • Gordon の「Docker のクリーンアップ」提案プロンプトにおいて、リソースを削除する前にクリーンアップ計画を提案してユーザーの確認を待つように変更し、意図しない削除を防止しました。
  • 接続されているエージェントがプラン機能をサポートしている場合のみ表示されるよう、Gordon AI のプラン モード切替の表示ロジックを修正しました。

Windows

  • Windows 環境において、hosts ファイルの変更を元に戻す際にアクセス拒否エラーが発生し、ユーザー単位での Docker Desktop のアンインストールが失敗する問題を修正しました。
  • Microsoft Store から Windows 版 Docker Desktop を新規インストールする際の既定の動作を「ユーザー単位のインストール モード」に変更し、管理者権限を不要にしました。
  • docker-users グループが存在しない場合に Docker Desktop がクラッシュする問題を修正しました。現在は復旧可能なグループ メンバーシップ ダイアログが表示されます。

Linux

  • Enhanced Container Isolation (強化されたコンテナー分離) が有効なコンテナー内で、ホスト側のバインド マウント上のファイルを削除した際に「Value too large for data type」エラーで失敗しないよう修正しました。

4.84.0 (2026/7/27)

アップデート情報

  • Docker Agent v1.111.0
  • Kubernetes: cri-dockerd v0.4.4
  • Docker Hardened Images CLI (dhictl) v0.0.7
  • Docker Desktop CLI v0.4.3

不具合の修正および機能強化

すべてのプラットフォーム

  • 無効な ~/.docker/config.json ファイルが存在する場合に、エラー ダイアログが表示されないまま Docker Desktop が停止し、CPU やメモリの使用率が高くなる問題を修正しました。修正後はエラー ダイアログが表示され、ファイルの修正が促されます。
  • 一部の Docker Hardened Images のカスタマイズを作成できない問題を修正しました。
  • 無関係な資格情報 ID を削除した際に Docker Hub の OAuth トークンが誤って消去され、サインアウトされる問題を修正しました。
  • docker pull または docker buildx build コマンドの実行後に表示されていた Docker Scout CLI のヒントを削除しました。

Windows

  • 空の、または破損した install-settings.json ファイルが存在する場合に、起動時にエラー ダイアログが表示されないまま Docker Desktop が停止し、CPU やメモリの使用率が高くなる問題を修正しました。
  • MSI インストーラーがユーザー単位の Docker Desktop インストールを検出し、該当するユーザー名を表示してインストールをブロックするようになりました。MSI をインストールするには、該当するユーザーの環境から既存の Docker Desktop をアンインストールする必要があります。
  • アンインストール処理が途中で失敗した場合に、アプリケーション データ ディレクトリへのアクセス権が完全に失われる問題を修正しました。

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