2023 年 API 管理の 4 つの基本的なベスト プラクティス

デジタル エクスペリエンスとアプリケーション パフォーマンスの最適化に取り組む企業にとって、API を適切に管理することは極めて重要です。API 管理ソリューションは、アクセス制御、レート制限、開発者ポータル、分析、API バージョン管理などの機能を提供することで、API を効率良く管理できるように支援します。適切な API 管理戦略は、開発者による採用率を高め、開発者エクスペリエンスを向上し、API の収益化による収益増加につながります。さらに、API の安全性を確保しながら、規制要件を満たすことができるため、企業は安心が得られます。

API 管理は、企業がより良い製品やサービスを構築するため、API の能力を活用できるようにする開発の重要な部分です。この記事では、API 戦略の健全性を確保するのに役立つ、API 管理のベスト プラクティスを紹介します。

API 管理の 4 つの柱

API 管理には、API の設計と実装の指針となる 4 つの柱 (基本原則) があります。API 管理を効果的に行うには、この 4 つの柱それぞれに等しく注意を払う必要があります。どれか 1 つでも無視すれば、問題が発生したり、非効率な開発や利用につながる可能性があります。

API 設計

API 設計は、異なるソフトウェア コンポーネント間の相互作用を定義するインターフェイスを作成します。API エンドポイントの定義、エラー処理プロトコル、認証メカニズム、リクエストとレスポンスのフォーマットなど、いくつかの要素が含まれ、バージョン管理に関する懸念も考慮する必要があります。

API の開発、展開、管理方法を確立する API 設計は、効果的な API 管理を実現する上で重要です。効率良いインターフェイスは、開発プロセスを簡素化して開発者の生産性を大幅に向上すると同時に、API の採用率を高めることができます。

逆に、設計が不十分なインターフェイスは、非効率的で導入プロセスを複雑にする可能性があります。明確に定義されたエンドポイントは基本であり、開発段階で API に統合されるべきです。エンドポイントが明確でないと、開発者が API を利用することが困難になり、コストのかかるミスや進捗の遅れを招く恐れがあります。

API モニタリング

API モニタリングは、トラフィック量、応答時間、エラー率など、API の重要なパフォーマンス指標を収集して分析し、API の効率を判断する継続的なプロセスです。これは、API が設定された目標を満たしながら最適に動作していることを確認するために重要です。

API モニタリングは、エンドユーザーに大きな影響を与える前に、発生した問題を即座に発見し解決することを可能にします。効果的な API 管理には、API の使用状況とパフォーマンスの継続的なモニタリングと分析が必要です。モニタリング データを利用することで、API のパフォーマンスを向上し、ユーザーのニーズに確実に応えながら、改善が必要な領域を容易に特定できます。

また、モニタリング データは、潜在的なセキュリティ問題や違反の認識にも役立ち、API のセキュリティと信頼性の維持を容易にします。

API ドキュメント

API を利用する開発者は、エンドポイントの設定、リクエストとレスポンスのフォーマット、エラー処理プロトコルなど、システムの機能のさまざまな側面に関するドキュメントを必要とします。最終的に、これらの情報はまとめられ、開発者の作業プロセスを迅速化し、生産性を向上するのに役立つ、API ドキュメントになります。

そして、API を扱いやすくすることで効率を向上し、チーム内の開発者の満足度を高めます。API を管理する際には、十分なドキュメントを作成することが重要です。そうすることで、開発者は必要な情報にアクセスしやすくなり、サポート チームへの問い合わせを軽減できます。

さらに、API は組織のポリシーやガイドラインに沿っている必要があり、適切な構造のドキュメントを作成することで、開発者とユーザーの双方がそれらを遵守することを保証できます。API の文書化は、効率的な使用と全体的な成功に必要な基本要素です。

API セキュリティ

API を不正アクセスから守るため、ライフサイクル全体でデータを暗号化するとともに、認証や認可の仕組みなどのセキュリティ対策を講じる必要があります。脆弱性評価を定期的に行う一方で、不審なイベントやアクティビティを見過ごすことはできません。

組織は、収益の損失や評判を落とすことを目的とした訴訟などの損害を回避するため、潜在的な侵害を防ぐのと同時に、関連するすべてのポリシーを確実に遵守する必要があります。効果的な API セキュリティを実現するには、アクセス制御、暗号化、モニタリング、関連する規制要件の遵守を含む、徹底した戦略を採用する必要があります。

また、潜在的な脅威に積極的に対処し、関連システムを常に最新の状態に保つことも、最適な保護を確保する上で重要です。API セキュリティへの適切な配慮は、安全な API と安全なデータ伝送の両方を維持するための基本です。

API 管理のベスト プラクティス

セキュリティの確立と維持

API 管理では、セキュリティの確保に関して細心の注意が必要です。これは、特定の手順とベスト プラクティスを含む包括的なアプローチを採用することで実現できます。

  1. 認可と認証: API に関する厳密なセキュリティ基準を確保することの重要性は、どれだけ強調してもしすぎることはありません。そのためには、健全な認証および認可方法を実装することが重要です。ベスト プラクティスとして、OAuth 2.0 や OpenID Connect などの業界で認められているプロトコルを利用すると、サイバー攻撃により API の整合性が損なわれるのを抑止できます。
  2. レート制限: レート制限により、サービス拒否 (DoS) 攻撃を防止し、クライアントの制御されたリクエストが確実に実行されるようにします。このメカニズムは、指定された時間枠内で送信できる量を制限することで、クライアントからのトラフィックを規制し、過負荷や保守の問題を防ぎます。
  3. ロギングとモニタリング: セキュリティ違反や不審なアクティビティを検出して対応するには、ロギングとモニタリングを実装することが不可欠です。侵入検知システム (IDS) やセキュリティ情報イベント管理 (SIEM) システムなどの専用ツールを導入すると、アクティビティを積極的にモニタリングするのに役立ちます。
  4. RBAC: API エンドポイントのセキュリティは重要であり、エンドポイントへのアクセス制限は、アクセス制御メカニズムの実装を通じて実現できます。RBAC のようなロールベースのシステムを使用すると、管理者が決定した特定のロールを持つ個人間で、適切なエンドポイント内で制御された対話が可能になります。
  5. 業界標準: API への不正アクセスに関連するリスクを軽減するには、セキュリティを優先する戦略的なアプローチが必要です。信頼性の高いセキュリティ プロトコルと主要なセキュリティ機関 (OWASP Top 10 など) が提唱するベスト プラクティスを採用することは、API を最大限に保護するのに大いに役立ちます。

重要なセキュリティ対策を組み込み、信頼できる戦略を採用することで、API の整合性を確保し、重要なデータの不正アクセスや悪用を防ぐことができます。このアプローチは、ユーザーのデータを保護することでユーザーの信頼を維持するのに役立ちます。

ドキュメントの保守

API 管理において、対応するドキュメントの保守は不可欠です。次の主要な手順とベスト プラクティスに従って、正確で関連性のある API ドキュメントを維持できます。

  1. 最新のドキュメント: API ユーザーに一貫した有用なドキュメントのセットを提供するには、ドキュメントを更新することが重要です。システム内で行われたすべての変更を反映して最新の状態に保つことで、エンドポイントからのデータ フローを正確に表現できます。このプロセスを通して、リクエスト/レスポンス構造への変更を認識することもできます。さらに、認証方法の詳細やエラー処理メカニズムに関する改訂も文書化する必要があります。
  2. 自動化ツール: 正確で一貫性のあるドキュメントを維持するには、Swagger や OpenAPI などの標準ドキュメント ツールが役立ちます。これらのツールはドキュメントの自動生成を支援し、時間と労力を節約しながら、標準への準拠を確実にします。
  3. 公開ドキュメント: 誰でも簡単にドキュメントにアクセスできるようにすることが不可欠です。そうすることで、API の採用率を高め、サポート担当者が直面する懸念を軽減するのにも役立ちます。
  4. フィードバックを許可する: ユーザーからの貴重なフィードバックを取り入れることは、ドキュメントの成功を大きく左右します。ドキュメントの明確さや適用可能性に関する意見、およびユーザーにメリットのある新しい機能や拡張機能のアイデアを検討します。

これらの手順とベスト プラクティスに従うことで、API ドキュメントが正確、最新、適切であることを保証し、開発者のエクスペリエンスを向上し、API の採用を増やすことができます。

バージョン管理の実装

API バージョン管理の実装は、API 管理を成功に導くために不可欠な要素です。その有効性を確保するには、次の手順がベスト プラクティスと考えられます。

  1. セマンティック バージョニング: API のバージョン管理は困難なタスクですが、セマンティック バージョニングを利用するとプロセスを簡素化できます。この業界標準は、バージョンを効果的に管理する明確かつ簡潔な手順を提供します。
  2. 下位互換性: 既存のクライアントへの混乱を防ぐため、API の新しいバージョンは下位互換性を維持する必要があります。
  3. API クライアント通信: API アップデートでは、プログラムの機能を利用するすべてのクライアントとの迅速な通信が必要です。新しいバージョンを公開する場合は、変更点を明確に文書化し、リリース ノートなどのサポート ドキュメントを提供することが重要です。
  4. 廃止スケジュール: 製品の古いバージョンの廃止スケジュールを設定します。そして、事前に通知することで、クライアントは新しいバージョンに問題なくスムーズに移行できます。
  5. API URL: API URL のバージョン管理は、クライアントと開発者の双方にとって、混乱を回避できる非常に便利な手法です。これにより、クライアントがどの API を利用しているかを容易に把握でき、適切な利用が保証されます。

これらのベスト プラクティスに従うことで、API バージョン管理を効果的に実装し、既存のクライアントへの中断を最小限に抑えながら、API を常に最新の状態に保ち、クライアントのニーズを満たすことができます。

パフォーマンスの最適化

  1. パフォーマンス モニタリング: 負荷テスト ツールとパフォーマンス モニタリング ツールを利用して API パフォーマンスを測定します。改善が必要な領域を特定することで、変更によりどの程度の改善が見込めるかをより深く理解できます。
  2. 応答時間の最適化: 応答時間の最適化では、応答サイズの軽減と、操作完了に必要なリクエスト数の軽減の 2 つが重要なポイントになります。キャッシュと圧縮の方法論を戦略的に適用することで、パフォーマンスを向上できます。
  3. データ形式: ネットワーク上でのデータ転送量を最小限に抑えるため、プログラムを作成する際には JSON やプロトコル バッファーなどの効率的なデータ形式を利用する必要があります。
  4. スケーラブルなインフラストラクチャ: 負荷の増加に対応できる API を構築する上で重要な点は、オンデマンドで拡張または縮小できる柔軟なインフラストラクチャを使用することです。自動スケーリングや負荷分散などの機能を組み込むことで、ピーク時でも API が効率良く実行されます。
  5. API の依存関係を最小限に抑える: API の全体的な有効性を高める重要な戦略は、外部サービスへの依存を最小限に抑えることです。そうすることで、潜在的なシステム障害を軽減できるだけでなく、全体的な応答性と機能も向上することができます。
  6. エラー処理: 最適な API パフォーマンスを維持するには、完璧なエラー処理メカニズムを組み込むことが不可欠です。これには、ソフトウェア エラーの発生を予測してキャッチし、ユーザー エクスペリエンスを最大限に考慮して系統的に対処する技術的能力が必要です。適切なエラー処理により、API はクライアントへ信頼性の高いサービス配信を維持しながら、サイバー攻撃に対する安全性を高めることができます。

これらの手順に従うことで、API のパフォーマンスを最適化し、API の高速性、応答性、信頼性を確保し、クライアントにポジティブなユーザー エクスペリエンスを提供することができます。

まとめ

最新のソフトウェア開発と統合において、API 管理は重要な役割を果たします。

API 管理の柱は、設計、ドキュメント、モニタリング、セキュリティ、バージョン管理など、数多くあります。これらは、API の信頼性と効果の両方を保証するため、非常に重要です。API 管理の全体的なベスト プラクティスには、API 設計時にスケーラビリティと使いやすさに重点を置き、その後、包括的なドキュメントを維持することが含まれます。

組織の API パフォーマンスと使用率のモニタリングは、適切なセキュリティ対策の実装、ならびにバージョン管理システムを使用した更新の効果的な管理とともに、日常的に行う必要があります。

統合の取り組みを強化し、開発コストを最小限に抑え、市場で際立つためには、組織は効果的な API 管理を優先する必要があります。これには、ソフトウェア開発の重要なコンポーネントとして API 管理を統合し、持続可能な成功のためのベスト プラクティスを常に評価して適応する必要があります。


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参照記事: 2023 年 4 月 25 日
Axandria Shepard
© Kong Inc. 2023
Four Essential Best Practices for API Management in 2023

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