プロジェクトとは
プロジェクトとは、目標達成のために完了しなければならない一連のタスクです。あらゆる業種と規模の組織が、さまざまな複雑さ、時間枠、リソースがあるプロジェクトに取り組んでいます。
プロジェクトはプロセスとは異なります。プロセスは、通常は反復的かつ継続的に、特定の結果を生み出す一連のステップのことです。
対照的に、プロジェクトには次の 4 つの特徴があります。
- 新しい具体的なものを作る: プロジェクトの主な目標は、新しいもの (製品、機能、サービス、ソリューションなど) を作ることです。一方、プロセスは機能やサービスを維持するのに役立ちます。
- 期限がある: プロジェクトには必ず、事前設定された開始日と終了日があります。
- 通常のビジネス ルーティン外に存在する: プロジェクトは、日々の業務以外で発生する活動です。
- 境界がある: プロジェクトは、時間、コスト、リソース、成果物など、複数の要因に制約されます。プロジェクト管理の 3 つの制約について詳しくは、以下をご覧ください。
プロジェクト管理とは
プロジェクト管理 (PM: Project Management) とは、プロジェクトを整理、管理 (監督)、完了し、価値を提供する方法のことです。PM を成功させるには、タイムラインや予算など、特定のパラメーター内でプロジェクトを効果的に実行するための、特定の知識、スキル、ツール、テクニックが必要です。
プロジェクト管理は、次の慣行と多くの資質を共有していますが、それらの違いを理解することが重要です。
- タスク管理: タスクがどのように組み合わされているかを管理するのではなく、個々のタスク完了までを管理 (監査) します。
- プロジェクトの連携: 関連するタスクの日々の管理、およびプロジェクトの納品に関わる必要なコミュニケーションを指します。
- プロセス管理: プロジェクトには終了点がありますが、プロセスは継続的に行われます。また、継続的な管理と最適化が必要です。
- プログラム管理: プログラムを構成し、戦略的目標に向かって推進する複数のプロジェクトを管理することです。プロジェクト間の依存関係の管理、リソースの割り当て、取り組みの優先順位付けが含まれる場合があります。
あらゆる業種と規模の業界でのプロジェクトの成功が、プロジェクト管理にかかっています。同様に、組織内のすべての部門が、正しく PM 手法を使用して整理された状態を維持し、より効率的に共同作業を行い、効率を高めることができます。
プロジェクト管理が重要な理由
プロジェクト管理は、プロジェクトを期限内および予算内に、最大の効率で完了するために不可欠です。効果的な PM は、プロジェクト チームやその他の重要なリソースをより適切に管理するのにも役立ちます。
しかし、PM の重要性は、単にプロジェクトを実行するだけにはとどまりません。効果的なプロジェクト管理により、プロセスの合理化と共同作業の改善を実現し、時間、コスト、リソースの無駄につながる作業を減らすことができるため、組織全体がより多くの価値を提供できるようになります。
プロジェクト管理における目標とは
プロジェクト管理の主な目標は、組織の戦略的目標に沿ったプロジェクトの結果を得ることです。また、一連の成果物を効果的に構築し実行するための、信頼性の高いプロセスの構築も目標となります。
プロジェクト管理のその他の目標には、次のようなものがあります。
- 生産性の向上
- 共同作業の効率化
- プロジェクトと組織の目標の一致
- リソースの割り当てと管理の向上
- チームワークの強化
- 作業状況に対する可視性の向上
- リスクと遅延の軽減
3 つの制約理論
プロジェクト管理の 3 つの制約理論では、プロジェクトの完了には、スコープ (範囲)、時間、コストの 3 つの重要な制限の影響を受けるとしています。適切に実施するには、プロジェクト マネージャーがこの 3 つの要因を管理し続ける必要があります。
3 つの制約は次のように定義されます。
- スコープ (範囲): プロジェクトの目標を達成する必要があるすべてのタスクとプロセス。
- 時間: プロジェクト実施におけるスケジュール。
- コスト: プロジェクトを達成するためにかかる費用。

3 つの制約理論は、鉄のトライアングルまたはプロジェクト管理トライアングルと呼ばれることもあります。このフレームワークは、要件の変更に対する「ガードレール (対策や指針)」として機能するため、プロジェクトを成功させるうえで重要です。
プロジェクト マネージャーの仕事は、プロジェクトを適切に実施する目的で、コストの増加または削減、スケジュール調整、成果物の削除または追加を行い、3 つの制限のバランスを取ることです。3 つの制約すべてがそれぞれ影響し合うため、どれを選択するにしても、その効果をよく考えることが重要です。
不測の事態に対して、十分な情報に基づいた変更を行えるため、多くのチームにとってこの 3 つの制約は有効的です。
プロジェクト ポートフォリオ管理
プロジェクトおよびポートフォリオ管理 (PPM) は、潜在的なプロジェクトを評価し、優先順位を付ける戦略です。プロジェクト管理はプロジェクトを正しく実行することですが、PPM は大規模なポートフォリオの一環として、適切なプロジェクトを適切なタイミングで選択する必要があります。
PPM の目標は、潜在的なプロジェクトをそれぞれ評価するための合理化されたプロセスを作成し、効率性を高めることです。大きな価値を提供し、成功する可能性が高く、全体的なビジネス目標と一致するプロジェクトを優先させます。PPM をうまく実施することで、チームや組織が、最も重要なプロジェクトに集中できるようになります。
プロジェクト管理の進化
最新のプロジェクト管理では、ツールを活用して信頼性の高いプロセスを作成し、反復的なタスクを自動化します。一般的に、プロジェクト管理に対する最新のアプローチの特徴は、柔軟性、共同作業、効率性の向上です。
プロジェクト管理の概念は 20 世紀初頭に正式に確立され、テクノロジおよび作業基準とともに進化してきました。2001 年に作成されたアジャイル手法は、より柔軟かつ反復的なアプローチで作業を完了することで、従来の PM をディスラプトしました。
最近では、リモート ワークの増加によりプロジェクト管理に新たな課題、そして新たな変化が出てきています。主な変化は次のとおりです。
- 非同期コミュニケーションの強化: 対面でリアルタイムにやり取りできない環境では、チーム メンバーは即座の応答を待つことなく、時間差でのコミュニケーションを通じて作業を進めていく必要があります。
- さまざまなスケジュールに対応: リモートワークの導入により、地理的に離れたチームメンバーや多忙な個人が、固定の勤務時間に縛られることなく、柔軟にオンラインで作業できるようになりました。
- クラウドベースのツールへの依存度が高まる: これらのツールによって、一緒に作業をしていない人の仕事やタスクを確認できます。
さまざまなプロジェクト管理の手法
プロジェクト管理には多数のフレームワークがあり、さまざまなプロジェクトに対応します。以下ではいくつかのプロジェクト管理手法を紹介します。
ウォーターフォール
ウォーターフォールまたは従来のプロジェクト管理は、最終的な成果物を生成するために順番に完了する一連の定義済みタスクに基づいています。この PM 方法はシンプルで予測可能ですが、あまり柔軟ではありません。
ウォーターフォール プロジェクト管理は、建物のように成果物が単一で大きいプロジェクトに適しています。高い柔軟性を必要するプロジェクト、変更される可能性のあるプロジェクト、相互に依存する複数のタスクを並行して完了させる必要がある、ソフトウェア開発のようなプロジェクトでは、あまり役に立ちません。
ウォーターフォールの主なメリットは、しっかりと計画を立て体系化できること、そして各プロジェクト タスクとプロジェクト全体のスケジュールを厳しくコントロールできることです。とは言うものの、ウォーターフォールを使用すると、予期せぬ出来事やプロジェクト範囲の変更に適応するのが難しくなり、時間、リソース、コストが増える可能性があります。
ガント チャート
ウォーターフォール管理のプロジェクトでよく使用されるのは、ガント チャートです。ガント チャートは、タスク、リソース、タスク間の依存関係、およびプロジェクト全体の進捗状況を追跡するプロジェクトのタイムライン ビューです。ガント チャートに関する詳細はこちらをご確認ください。
アジャイル
アジャイル プロジェクト管理では、より小さなタスクを段階的に完了しながら、エンド ユーザーのフィードバックや要求に基づいて継続的にレビュー、改良、反復します。
アジャイル プロジェクト管理のメリットとデメリット
アジャイルが適しているのは、高い柔軟性を必要とし、進むにつれ変化する可能性が高いプロジェクトです。アジャイルの主なメリットは次のとおりです。
- 事前計画の軽減
- オープン コミュニケーションの強化
- 継続的なフィードバック
- 柔軟な目標
アジャイルを効果的に使用すると、納品までの時間を短縮できることもよくあります。しかし、この柔軟なアプローチにはデメリットもいくつかあります。
- 納品日が明確でないため、要件の変更が発生する場合がある
- プロジェクト チームに献身と柔軟性がかなり求められる
プロジェクトが緊急ではない場合や、プロセスが柔軟なアプローチに対応できるように設定されていない場合、アジャイル手法の導入に過剰なコストや時間がかかる場合は、この手法は合っていないと言えるでしょう。
スクラム
最も一般的なアジャイル手法の 1 つであるスクラムは、小規模なチームが、スプリントと呼ばれる短い期限のタスクを完了しながら、大規模なプロジェクトやリリースの作業を部分的かつ段階的に進めていきます。顧客との関係における応答性の向上、開発コストの削減、仕事の満足度の向上、迅速なリターンの向上につながります。スクラムは流動的なプラクティスで、プロジェクトの進捗に合わせて、多くの可動部分、チーム、目標を考慮に入れます。
かんばん
これは、製造と生産でよく使用される調整手法で、チームは小さなかんばんカードを使用してタスクを表示します。チーム メンバーは、製造プロセスまたはプロジェクト プロセスのステージを表す異なる列を持つかんばんボード上でこれらのカードを移動します。
クリティカル パス方式
クリティカル パス手法 (CPM) は、完了しなければならないすべてのプロジェクト タスクの順序を特定し、依存関係と呼ばれる順序付けされたタスクをマッピングすることにより、プロジェクトの総期間を見積もる手法です。プロジェクトの可能な限り長い期間が表示され、プロジェクトのスケジュールに関するインサイトが得られます。クリティカル パス方式に関する詳細はこちらをご確認ください。
プロジェクト管理に最適な Smartsheet
Smartsheet は上記で紹介をしたガント チャートやかんばん、クリティカル パスを自動生成する機能を備えるプロジェクト管理プラットフォームで、フォーチュン 100 の 90% 以上の米国企業に利用されています。さまざまな業種やプロジェクトに合ったテンプレートを数多く備えているので、いちからファイル (Smartsheet では「シート」と呼びます) を作成する必要もありません。
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*本記事は、Smartsheet 社が提供している以下の記事から抜粋・転載したものです。
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