トレーニング モジュールの開発方法

トレーニング モジュールの開発方法

従業員は、無料のスナックや仮眠室よりも、学習の機会を高く評価していることをご存知ですか?しかし、多くの企業研修プログラム (トレーニング モジュール) はつまらなく、仕事に直接関係ない内容であったり、従業員の興味を惹けていないのが現状です。これでは、従業員は学習意欲を失ってしまい、結果的に会社の成長を妨げてしまうかもしれません。

この記事では、従業員が積極的に参加して、学びを深められるような、インタラクティブなトレーニング モジュールを作成するためのヒントを紹介します。

トレーニング モジュールとは?

トレーニング モジュールは、特定のトピックに焦点を当てた、独立したコース コンテンツ (学習単位)です。各モジュールは本の章のようなもので、次のモジュールへとつながっています。これらのモジュールを組み合わせることで、全体的なストーリーが形成され、主題についての完全な理解が得られます。

トレーニング モジュールとは?
 

トレーニング モジュールの種類

さまざまなコンテンツ タイプを適切にバランスよく組み合わせることで、すべての学習者に充実したトレーニングを提供できます。ここでは、さまざまな学習スタイルに対応した従業員トレーニング モジュールの例と、それらを効果的に活用するためのヒントを紹介します。

1. 情報型 e ラーニング コース

情報型 e ラーニング コースは、テキスト、画像、および [次へ] ボタンを含む一連のスライドで構成される、一般的なオンライン トレーニング モジュール形式です。特定のトピックに関する情報を学習者に提供し、ビジネスのさまざまな側面で使用できます。オンライン トレーニング モジュールを作成する際は、学習者が学習内容に集中できるように、視覚的な明瞭さと最適な長さに注意しましょう。

情報型 e ラーニング コースの例

iSpring Suite で作成された「テレワークの心得」コース

情報型 e ラーニング コースのサンプルを確認する →

最適な用途

  • 新人研修、安全性、セキュリティ意識、コンプライアンス トレーニングなどの標準化された知識の提供
  • 新製品、テクノロジ、またはポリシーの更新に関する情報の提供

2. インタラクティブな評価

インタラクティブな評価は、さまざまな種類の質問、カスタム分岐、シナリオで構成されるオンライン クイズの一種です。学習者がオブジェクトを移動したり、比較したり、選択したりするよう促すことで、これらの知識チェックは学習体験をより効果的なものにします。 このため、オンライン トレーニング モジュールでは、多肢選択、○× (正誤)、空欄補充 (穴埋め)、ドラッグ アンド ドロップ、マッチング、シーケンスなどの質問タイプを使用することが効果的です。

インタラクティブな評価の例

インタラクティブな評価

インタラクティブな評価のサンプルを確認する →

最適な用途

  • 学習者の仕事に関連する知識レベルや、知識を応用する能力の測定
  • 認定や資格取得に必要な課題への挑戦
  • 学習活動の完了の証明
  • 追加のサポートが必要な学習者の特定

3. FAQ (よくある質問と回答)

FAQ は、ユーザーが特定のトピックに関する参照情報やよくある質問にワンクリックでアクセスできるレイアウトです。一連の質問と回答、または特定のトピックと詳細のリストとして表示できます。また、FAQ にキーワードを追加することで、オンライン コース内の検索機能を強化することもできます。

FAQ の例

iSpring Suite の FAQ トレーニング モジュール テンプレート

最適な用途

  • 基本的な情報を整理して提示するための標準フォーマットの作成
  • 用語集、定義、その他の基本的な知識レベルの事実
  • トレーニング コースのメイン コンテンツを補完する情報の提供

4. ビデオ レクチャーとスクリーンキャスト

ビデオベースのトレーニング形式は、通常、ビデオ レクチャーやスクリーンキャストで構成されます。ビデオ レクチャーは、後で視聴できるように録画された教育用ビデオです。

ビデオ レクチャーの例

ビデオ レクチャー

ビデオ レクチャーのサンプルを確認する →

スクリーンキャストは、プログラムへのアクセスや特定の機能の操作など、画面上で行われる一連の動作を録画したビデオです。

スクリーンキャスト

プログラムへのアクセス方法、オンライン システムの操作方法、フォームの入力方法など、基本的な業務を示すチュートリアルを提供できます。

最適な用途

  • 多数の学習者に、レッスンなどの特定の知識へのアクセスの提供
  • プレゼンス効果を生み出し、理解力を高める

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5. ロールプレイ シナリオ

ロールプレイ シナリオは、学習者が同僚や顧客との会話の中で知識を応用し、コミュニケーション スキルを構築し、パフォーマンスを測定するのに役立ちます。基本的にダイアログ シーンと分岐シナリオで構成されており、学習者が現実的でありながらリスクのない環境で実践的なトレーニングを行うことができるため、営業トレーニングに最適です。

ロールプレイの例

ロールプレイ シナリオ

ロールプレイ シナリオのサンプルを確認する →

最適な用途

  • カスタマー サービスおよびセールス チームが顧客関係を構築し、受注につなげるためのシナリオベースの学習
  • 情報を個人または集団に体系的に伝える必要があるコーチやインストラクターの教育

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6. マイクロラーニング モジュール

マイクロラーニング モジュールは、特定の問題や質問に対する答えを提供する、コンパクトなレッスンです。通常、必要に応じて 5 分程度で完了できます。長すぎる場合は、より小さなセグメントに分割したほうがよいでしょう。「1 つのモジュールにつき 1 つのアイデア」という原則に従います。

マイクロラーニング モジュールの例

マイクロラーニング

マイクロラーニングのサンプルを確認する →

最適な用途

  • 従業員が空き時間に受講し、すぐに新しい知識を実践できるコース
  • 新製品やサービス、更新されたポリシー、または新しい用語に関する短時間で受講できるコース
  • 対面式トレーニング セッションに向けた学習トピックの基本の習得

7. デジタル ジョブ エイド

デジタル ジョブ エイドは、仮想的にアクセスでき、学習者が再生、ダウンロード、保存、印刷できるドキュメントまたはプレゼンテーションです。通常、Word、PPT、または PDF ファイルから作成されたフリップブック形式です。

デジタル ジョブ エイドの例

デジタル ジョブ エイド

最適な用途

  • モバイル デバイスや内部ドライブ上のマニュアル、ガイド、手順へのアクセス
  • 組織内のマイクロラーニング イニシアチブ

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ここで紹介したトレーニング モジュール形式を使用することで、従業員にとって魅力的で効果的なオンライン トレーニングを作成できます。各コース モジュールの例は、さまざまなトレーニング アプローチが特定の教育目標を達成し、全体的な学習体験を向上させる方法を示しています。

トレーニング モジュールの構成要素

トレーニング モジュールの作成方法の説明に入る前に、モジュールに含まれる可能性のある構成要素を確認しましょう。

  1. 導入部: トレーニング モジュールの概要と学習目標の背景を提供します。

  2. 学習目標: 参加者がトレーニングを完了後に理解および実行できるようになることを明確に述べます。

  3. コンテンツ: これはモジュールの本体であり、実際のトレーニング資料が提示されます。テキスト、画像、ビデオ、インタラクティブな要素、その他のマルチメディア リソースが含まれます。

  4. アクティビティと演習: 学習を強化するため、モジュールには、参加者が新しいスキルを適用できるアクティビティや演習が含まれることが多いです。インタラクティブな演習を含むトレーニング モジュールを開発することで、知識の定着率と理解力を大幅に向上させることができます。

  5. 評価: 参加者の理解度と知識の定着率を測定するために使用されます。評価は、クイズ、テスト、実践的な課題など、さまざまな形式で行うことができます。

  6. まとめと復習: 各セクションまたはモジュールの最後には、重要な概念を強化し、取り上げたマテリアルの簡単な要約を提供するため、まとめや復習のセクションが含まれることが多いです。

  7. リソースと参考資料: さらなる学習をサポートし、学習者に関連する他のコンテンツを提供するため、追加のリソース、参考文献、推奨読書を提供できます。

  8. 結論: コース モジュールの重要なポイントを要約し、学習目的を繰り返し述べて終了します。

これらの要素に焦点を当てることで、構造化された効果のあるトレーニング モジュールを作成することができます。

トレーニング モジュールの開発方法

トレーニング モジュールの作成とトレーニング カリキュラムの開発には、慎重な計画と実行が必要です。この包括的なガイドでは、効果的なトレーニング モジュールを開発するプロセスを詳しく説明します。

経験豊富な教育デザイナーであっても、トレーニング モジュールの作成方法を学びたいだけの人であっても、このガイドは、効果的なトレーニング モジュールを作成するのに役立つ貴重な情報と実用的なヒントを提供します。

ステップ 1: 課題を定義する

トレーニングを成功に導くための最初のステップは、正しいビジネス上の課題を解決することです。

詳細なオープンエンドの質問をして、以下のことを明らかにしましょう。

  • 解決すべき問題の本質は何か?
  • ギャップを埋めるために必要な知識やスキルは何か?
  • 従業員が実際に持っている知識やパフォーマンスのレベルはどの程度か?
  • 従業員に期待する知識やパフォーマンスのレベルは?

得られた回答により、ビジネス上の課題を明確に理解し、オンライン トレーニング モジュールの学習目標を設定できます。

この段階では、学習者に関する情報を収集することも重要です。これにより、モジュールの適切な難易度とトーンを選択できます。

ビジネス上の課題

ステップ 2: SMART な目標を設定する

トレーニングの目標または学習目標は、学習の理由を確立し、トレーニング モジュールの焦点を伝えます。最良の結果を得るため、トレーニング モジュールを作成する際には、SMART な目標を設定しましょう。

  • Specific (具体的) – 学習者がコース終了後に何を学び、何ができるようになるかを明確にします。
  • Measurable (測定可能) – 学習者が習得した知識を一貫して活用できるようにします。
  • Achievable (達成可能) – 学習者が期待されるタスクを実行できるようにします。
  • Relevant (関連性がある) – 業務に不可欠な知識とスキルに焦点を当てた内容にします。
  • Timely (期限付き) – 学習者がタイムリーに完了できるようにします。

SMART 目標は、学習者に「メリット」を示すことで、モチベーションを高めます。

SMART トレーニング目標

ステップ 3: 適切なコンテンツ形式を決定する

課題を調査し、目標を設定したら、実践的な部分の準備は完了です。

優れたトレーニングを構築する秘訣は、適切な種類のトレーニング モジュールを現在の学習タスクに一致させることです。以下の表は、特定の学習ニーズと推奨されるコンテンツ形式を示しています。

学習/組織のスキルやニーズ推奨される e ラーニング ソリューション
  • 職務知識
  • コンプライアンスと安全性
  • 新人研修
  • e ラーニング コース
  • インタラクティブな評価
  • タウンホール ミーティング
  • ビデオ レクチャー
  • プロセスまたは手順
  • 「ハウツー」リソース
  • FAQ
  • スクリーンキャスト
  • 電子書籍
  • ハンズオン インタラクション
  • 製品知識トレーニング
  • e ラーニング コース
  • ビデオ レクチャー
  • ウェビナー
  • ソフトウェアとシステム トレーニング
  • スクリーンキャスト
  • ハンズオン インタラクション
  • ビデオ チュートリアル
  • セールスおよびカスタマー サービス トレーニング
  • ソフト スキル
  • リーダーシップ育成
  • ビデオ レクチャー
  • ダイアログ (対話式) シミュレーション
  • ポッドキャスト
  • 能力または技能達成の証明
  • 認定
  • インタラクティブな評価
特定の学習ニーズと推奨される e ラーニング コンテンツの種類

e ラーニング ツールを一度も使用したことがない初心者でも、レパートリーを増やしてコンテンツをより迅速に作成したいと考えている e ラーニングのプロでも、iSpring Suite は効果的で魅力的なトレーニング コースの開発に役立ちます。PowerPoint インターフェイスで、あるいは既存の ppt、Word、pdf ファイルからでも、さまざまな形式のインタラクティブな学習コンテンツを簡単に作成できます。

iSpring Suite のトレーニング モジュール

iSpring Suite は、スライドベースのコースにクイズ、既成のインタラクション、キャラクターを追加したり、必要に応じてスクリプトを貼り付けるだけでロールプレイを作成したり、ハイテクなビデオ編集ツールを使わずにあらゆる種類の指導ビデオを録画したりするなど、ほぼ無限のオプションを提供します。さらに、同僚とリアルタイムでオンライン トレーニング モジュールを共同作成およびレビューできるため、次のステップに最適です。

ステップ 4: フィードバックと改訂

トレーニング モジュールの最初のドラフトが完成したら、専門家 (SME) とステークホルダーに送信してフィードバックを収集します。

専門家は、最初のドラフトに対して多くのフィードバックを提供し、それをすべてオンライン トレーニング モジュールに反映させたいと思うかもしれません。これは、無限のフィードバック ループを引き起こす可能性がありますが、アルファ/ベータ/ゴールドと呼ばれる 3 段階の設計プロトコルにより回避できます。

  • トレーニング モジュールの最初のドラフトは、アルファ ドラフトと呼ばれます。経験豊富な教育デザイナーの場合、アルファ ドラフトは約 75〜80% 正確であるはずです。通常、この段階では、専門家から最も多くのフィードバックが寄せられます。

  • アルファ ドラフトを改訂した 2 番目のバージョンは、ベータ ドラフトと呼ばれます。最初のラウンドで質の高いフィードバックを受け取った場合、ベータ ドラフトの精度は約 95〜98% に達し、この時点で修正すべき箇所は大幅に少なくなるはずです。

  • 最終ドラフトはゴールド バージョンと呼ばれます。前のラウンドのレビューで専門家が重要な見落としをしていない限り、ゴールド バージョンは 99〜100% 正確であるはずです。専門家とステークホルダーによるゴールド ドラフトのレビューは迅速に行われ、素晴らしいトレーニングが完成します。

ステップ 5: テスト対象者によるパイロット テストを実施する

トレーニング コース開発のベスト プラクティスとして、新しいトレーニングを組織全体に展開する前にパイロット テストを実施する必要があります。まず、特定のトピックに精通していない少人数の従業員からなるテスト対象者を選択します。そして、彼らからフィードバックを収集し、トレーニング モジュールで最も効果的だった点と改善できる点を明らかにします。意図したパフォーマンス目標が達成されなかった場合は、可能性のあるギャップを考えます。専門家やステークホルダーと協力して、ギャップを埋める方法について話し合います。

ステップ 6: 最終バージョンを作成、アップロード、ローンチ

この段階では、トレーニング モジュールの「最終版」を作成し、学習管理システム (LMS) を通じてアクセスできるようにします。ビジネス パートナー、変更管理、またはプロジェクト管理と協力して、新しい学習イニシアチブの正式なロールアウトを調整します。

トレーニング プログラムの開始から 30 日、60 日、90 日後に、学習消費と結果に関する詳細なレポート データを提供することもできます。職務パフォーマンス指標の追跡データは、トレーニングが従業員育成と実際の業務パフォーマンスに与える影響を示す優れた方法です。

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トレーニング モジュールに関する FAQ

トレーニング コースの作成に関するよくある質問と回答 (FAQ) を以下に示します。

トレーニング モジュールの目的とは?

オンライン トレーニング モジュールの目的は、特定のトピックまたはスキルに関する情報と指示を提供することです。このいわゆる「モジュール学習」は、特定の分野における知識、スキル、またはパフォーマンスを向上させるため、個人を教育およびトレーニングすることを目的としています。各種モジュールには、学習体験を向上させるさまざまなインタラクティブ要素、評価、およびリソースが含まれます。

トレーニング モジュールとトレーニング マニュアルの違いは?

オンライン トレーニング モジュールは、ビデオ、オーディオ クリップ、インタラクティブ アクティビティ、クイズなどのマルチメディア要素を組み合わせて、情報と指導を提供するように設計されています。これらのモジュールは、多くの場合、e ラーニング プラットフォームやソフトウェアを利用して、魅力的でインタラクティブな学習体験を提供します。学習モジュールは、特に実践、シミュレーション、またはデモが必要なシナリオで効果的です。

一方、トレーニング マニュアルは、通常、詳細なテキストベースの説明、図、グラフ、例で構成される書面形式です。トレーニング コンテンツの包括的かつ体系的な概要を提供し、学習者が自分のペースで学習および参照できるようにします。トレーニング マニュアルは、学習者が独立して情報を読み、確認することができる自習型の学習環境でよく使用されます。

最終的に、トレーニング モジュールとトレーニング マニュアルのどちらを選ぶかは、トレーニングの目的、対象者、利用可能なリソースによって決まります。どちらの形式も、効果的なトレーニングを提供する貴重なツールであり、学習者の好みやニーズに合わせて、両方を組み合わせて使用することもよくあります。

トレーニング モジュール作成のポイント

  • 適切なビジネス課題を解決する
  • SMART 目標に従う
  • オンライン学習ではさまざまなスタイルを試してみる
  • iSpring Suite などのオーサリング ツールで魅力的な教材を作成し、LMS でトレーニングを管理する
  • SME との共同作業、フィードバック、修正を考慮する
  • 組織全体で利用できるようにする前に「テストドライブ」を実施する

トレーニングは 1 回で終わるものではありません。組織は常に改善を求めているため、どんなに優れた e ラーニングでも、数カ月から 1 年程度しか使用できません。正確さ保つため、少なくとも年に 2 回は、すべてのオンライン トレーニング モジュールを見直してください。そして、毎年コンテンツを更新するか、完全に改訂する必要があると想定してください。

この記事で習得した新しい知識を実践してみてください。まだ iSpring Suite Max をお持ちでない場合は、無償評価版をダウンロードして、効果的なトレーニング モジュールの作成を開始しましょう!

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記事参照: How to Develop a Training Module: A Step-by-Step Guide
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