インテルが Codeplay Software 社を買収

インテルは長年にわたり、イノベーションはオープンなエコシステムで成長し、あらゆる選択を可能にし、信頼を育み、すべての人が平等にアクセスできると考えてきました。oneAPI プロジェクトは、オープンな仕様、オープンソースの基準の実装、技術諮問委員会、世界各地の oneAPI センター・オブ・エクセレンスを特徴とし、オープンで活発なエコシステムへのこの取り組みを反映、具現化しています。設立以来、oneAPI のコンポーネントと実装は、世界中の企業や研究者によって、数多くの多様なコンピューティング・アーキテクチャー上で実証されてきました。

近年、インテルは、oneAPI エコシステムのサポートをさらに進めています。その一環として、このたびインテルは、クロスアーキテクチャーのオープン・スタンダードに基づく開発者向け技術で世界をリードする Codeplay Software 社を買収する契約を締結しました。スコットランドのエディンバラに拠点を置き、CEO の Andrew Richards 氏と CTO の Ruyman Reyes 氏が率いる Codeplay 社は、oneAPI で使用される Khronos オープン標準プログラミング・モデルの SYCL に関する専門知識とリーダーシップ、および SYCL や OpenCL などのオープン・エコシステム活動から RISC-V、自動車ソフトウェア安全、医療画像まで業界に対する大きな貢献により、世界的に認められています。Codeplay 社は、oneAPI を世界中に届けるという使命を担い、多様なハードウェア・プラットフォームをサポートする製品をグローバルに幅広く提供しています。

この買収は、両社のオープンなコラボレーションと標準化への取り組み、特に SYCL とoneAPI エコシステムの採用推進を強化するものです。インテルと Codeplay 社は、複数のプラットフォームやデバイスで動作するオープン・スタンダードなプログラミング・モデルの定義と拡張に共同で取り組んできました。Codeplay 社は Khronos の標準化委員会に積極的に参加しており、SYCL 標準に長年携わってきました。実際、Codeplay 社の開発者は現在、Khronos SYCL ワーキンググループといくつかの ISO C++ 標準の議長を務め、OpenCL 仕様の編集者として活動し、その他多数の標準に多大な貢献をしています。

Codeplay 社は、AI や HPC の高い処理性能を実現するために、CPU、GPU、DSP、その他多くの先進的なプロセッサー・アーキテクチャー向けのコンパイラーやランタイムを開発、保守しながら、開発者コミュニティー内でエコシステムのリーダーシップを発揮してきた実績があります。この 2 年間で、Codeplay 社は、ローレンス・バークレー国立研究所の NERSC や、オークリッジ国立研究所とアルゴンヌ国立研究所のコラボレーションなど、主要なオープンサイエンス計算サイトに選ばれ、AMD および NVIDIA GPU 用の oneAPI SYCL コンパイラーを提供するようになりました。Codeplay 社は、インテルの強みを活かし、オープン・スタンダードとその上に構築されたオープンソース・エコシステムに基づき、SYCL ソリューションの提供をクロスアーキテクチャーおよびマルチベンダー製品に拡張することができます。

今四半期末に予定されている取引完了を条件として、Codeplay 社はインテルのソフトウェアおよび先端技術部門 (SATG) 傘下の子会社として事業を展開します。この子会社化により、Codeplay 社が業界で高く評価されている独自の起業家精神とオープン・エコシステム・アプローチを育んでいく予定です。

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参照記事: Intel to Acquire Codeplay Software