概要
LightningChart .NET バージョン 8 以降、X 軸におけるスケールブレークのサポートが追加されました。スケールブレークを使用することで非アクティブな取引時間や日付、機械の非生産時間などの特定の X 範囲を除外できるため、データを効率的に視覚化できます。指定の X 軸に割り当てられたすべての系列は、軸やラベルとともに定義済みのブレークポイントで非表示になります。ブレークの幅とスタイルは自由に調整できます。幅を設定しない場合、新しいデータ値にジャンプします。これは、静的データ値を削除するためにブレークを使用する際に役立ちます。
証券取引データをもとにしたサンプル
例として、証券取引のデータセットを視覚化する際にスケールブレークを使用するケースを見てみましょう。これから紹介するサンプルは、Arction 社が提供するデモ アプリケーションに含まれていますので、設定の変更による影響をリアルタイムに確認できます。
スケールブレーク適用前
時間の関数として指定された証券データは、以下のように表示されます。取引時間外の場合にはデータが存在しないため、重要なデータを見つけ出すのが難しくなります。
スケールブレーク適用後
スケールブレークを適用することにより、以下のように重要度の低いデータや軸ラベルを非表示に設定できます。これにより、データの可読性が向上され、重要度の高いデータをより多く表示できるようになります。データ間のギャップは、データが切り取られるポイントを視覚的に提示します。また、異なる日のデータもより明確に分析することができます。視覚化したデータのフローは、データ間のギャップをスキップするため連続的に見えます。
場合によっては、以下のようにデータ間のギャップとともにデータの視覚化情報を無効化することが好ましいケースもあります。この場合、前の点から次の点にかけてラインが繋がっていない状態になります。代わりに、スケールブレークが定義されていないかのように元の方向に進みます。
使用時の設定について
スケールブレークを使用できるタイミングには、いくつかの制限があります。スクロールによる軸の分割や対数軸はサポートされていないため、ScrollMode プロパティを無効化し、ScaleType を Linear に設定する必要があります。
スケールブレークは、X 軸の ScaleBreak プロパティから設定できます。新しい ScaleBreak オブジェクトを作成し、プロパティのコレクションに挿入するか、バンディングを使用することで同じ効果を実現できます。スケールブレークの使用方法と利用可能なすべてのプロパティに関する詳細は、LightningChart .NET の日本語ユーザー マニュアルをご参照ください。
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LightningChart .NET 製品に関する詳細は、こちらの製品概要ページをご確認ください。
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この記事は、Arction 社で公開されている「Using Scale Breaks in Data Visualization」の日本語参考訳です。