通常、構造物の解析モード形状は有限要素解析 (FEA) によって取得します。写真を使ったモデリングによって構造物の正確なコンピューター モデルやモード形状を取得することは困難ではありません。従来の測定ツールの多く (タッチ プローブやキャリパーなど) は、非接触モデリングには適していません。フォトグラメトリでは、デジタル写真を使って構造物の正確な 3D モデルが生成できます。
フォトグラメトリは、組立システムのダイナミクス測定にも使用されています。このテクニックでは、システムへのわずかな変更が全体のパフォーマンスにどれだけ影響するか調査できます。危険な産業環境での測定は、大半の場合において困難です。フォトグラメトリでは、写真画像を使用することにより、容易にはアクセスできないシステムの正確な 3 次元表現が実現します。
フォトグラメトリを使った構造物の 3D モードの作成
通常、構造物の動的挙動は実験モード解析 (EMA) によって取得します。EMA の結果は、FEA の結果と比較されます。FEA では、コンピューター モデルを使用して構造物の構造力学を明確化します。正確なコンピューター モデルを作成するには、対象の構造物の物理的特性および幾何学的形状が必要となります。構造物の解析モードは、動的方程式を解くことによって得られます。写真を使ったモデリング技術では、精度の高い構造物の 3 次元表現をデジタル写真から作成できます。他の方法に比べ、写真画像から FEA モデルを生成することは難しくありません。また、このテクニックでは正確な振動モードが得られます。構造のモード取得に関する研究では、フォトグラメトリを使って振動モードを取得する方法について説明しています。
構造物の非接触モデリング
フォトグラメトリを使ったテクニックでは、画像から正確な 3 次元表現が作成できます。デジタル カメラでオブジェクトを異なる視点からキャプチャします。撮影した写真を処理し、3D のフォトテクスチャ モデルを作成できます。3D モデルを拡大縮小することにより、オブジェクトの異なる寸法の属性を取得します。3D のフォトテクスチャ モデルをエクスポートし、AutoCAD や 3D Studio などのプログラムに適したオルソ ファイルや写真を生成できます。構造物の非接触モデリングに関する論文では、デジタル近距離写真測量を用いて 費用効率の高い方法で構造物をモデリングする方法について説明しています。この研究では、フォトグラメトリ ツールとして PhotoModeler が使用されました。
フォトグラメトリを使った組立形状の測定
従来の測定方法を用いて組立システムのダイナミクスを測定することは現実的ではありません。フォトグラメトリを使ったテクニックは、組立システムの形状を測定するのに適しています。組立サスペンションの幾何学的形状を測定する研究では、フォトグラメトリを使って自動車のダイナミクスを測定する方法を説明しています。この研究では、PhotoModeler を使用して組立サスペンションにおけるわずかな変更が自動車のダイナミクスにどれだけ影響するか調査しています。
フォトグラメトリを使った 3D CAD モデルの作成
危険な産業環境での測定は、時間と労力を要するプロセスです。
リスクのレベルによっては、メジャーなどの従来のツールを使用することが不可能な場合もあります。フォトグラメトリを使うことによって、さまざまな産業関係での測定が容易になります。システムやプラントをキャプチャした写真を処理し、正確な 3D CAD モデルを生成できます。
インフレータブル ウィングのデザインおよびテスト
インフレータブル ウィングに作用する力の影響を研究するには、正確で信頼性の高い測定が必要となります。測定値を使ってウィングの設計を最適化し、空気力学的効率を改善します。フォトグラメトリによって、インフレータブル ウィングの研究者や製造業者は形状変化が空気力学的な力にどのように影響するかを調査できます。インフレータブル ウィングの飛行試験に関する論文では、PhotoModeler を使用して翼の形状の変化による空気力への影響について調査しています。
結論
フォトグラメトリの活用により、画像から正確な工業システムの 3 次元表現を生成することが可能となりました。この非接触式の測定方法は費用対効果が高く、多様な工業用途に適しています。フォトグラメトリは、正確なコンピューター モデルの作成、組立システムのダイナミクス測定、工業システムの正確な 3 次元表現などに適用できます。
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