プロジェクト管理を効率化するプラットフォーム Smartsheet を使ってみた!


リモートワークや複数拠点での作業が当たり前となった昨今、クラウドベースのプロジェクト管理プラットフォームが注目を集めています。チームメンバー全員がどこにいても同じタスク状況を把握でき、更新するとリアルタイムに共有される便利さは、プロジェクトの円滑な進行にとって欠かせない要素です。その中でも、Smartsheet は Excel ライクな操作感を持ちながら、ガント ビューやカード ビュー、カレンダー ビューなどの豊富な表示形式を使い分けられることが大きな特長です。本記事では、Smartsheet を実際に使ってみた感想を踏まえつつ、

  • 簡単なタスクの作成方法
  • 各ビューの機能 (グリッド ビュー、ガント ビュー、カレンダー ビュー、カード ビュー)
  • 自動化機能 (リマインダーや通知)
  • 実際に使ってみた感想

といったトピックを中心にご紹介したいと思います。

 

Smartsheet とは? 

Smartsheet は、クラウド上で動作するプロジェクト管理プラットフォームです。表形式 (スプレッドシート形式) をベースに、ガント ビュー・カレンダー ビュー・カード ビューなど、プロジェクト管理に必要な多彩なビューをボタンひとつで切り替えて利用できます。 また、リマインダーや通知、承認ワークフローなどの自動化機能により、日々のタスク確認や承認作業を効率化できるのも大きな強みです。 

簡単なタスクの作成方法

  1. シートの新規作成とテンプレート活用
    Smartsheet の基本単位は「シート」です。空のシートを作成することもできますが、まずはテンプレートを使うとスムーズです。テンプレートには「タスク名」「担当者」「開始日」「期限日」「ステータス」といった項目があらかじめ設定されているため、すぐにタスク管理を始められます。



  2. タスクの追加
    シートは Excel と同じように行と列が並んだ表形式で、各行がタスクを表します。タスク名や担当者、開始日・終了日などをセルに入力するだけで、基本の管理項目は揃います。担当者はメールアドレスで指定できるので、後から通知を送ったり、コメントを飛ばしたりといった連携が簡単にできます。
  3. インデント機能(サブタスク化)
    タスクを細分化したい場合は、行をインデントすることでサブタスク (子タスク) を作れます。親子関係を可視化しやすくなるだけでなく、子タスクの進捗をもとに親タスクの完了率を自動計算させることも可能です。大きな作業を複数のメンバーで分担する際や、WBS (Work Breakdown Structure) を活用したいときに役立ちます。

各ビューの活用

グリッド ビュー

まずはグリッド ビューです。Smartsheet の基本表示形式で、いわゆるスプレッドシートのようにタスクを行列で一覧できます。タスク数が多い場合でもフィルターや並べ替え機能が使いやすく、Excel と似た感覚で操作できるため、初めての方でも抵抗が少ないでしょう。 

ガント ビュー

次に、プロジェクト管理でよく使われるガント ビュー。タスクごとに期間 (開始日・終了日) が棒状で表示され、依存関係を設定すると、タスクの遅延がほかのタスクに与える影響を視覚的に把握できます。大きなプロジェクト全体を俯瞰したいときや、スケジュールの変更リスクをいち早く察知したいときに活躍するでしょう。

カード ビュー

カード ビューでは、タスクをカンバン方式で管理できます。
「カンバン方式 (Kanban)」とは、日本の製造業 (特にトヨタ生産方式) で発祥した、作業プロセスを “看板” を使って可視化・管理する手法を指します。ソフトウェア開発やプロジェクト管理の世界では、タスクをカード化し、状態ごとにボードに並べるスタイルが一般的になりました。

Smartsheet のカードビューでも、たとえば「To Do (未着手)」「Doing (進行中)」「Done (完了)」などの列を作り、タスクのカードをステータスに応じてドラッグ&ドロップで移動させます。アジャイル開発や短期スプリントで進める作業などでは、この視覚的なフロー管理が非常に便利です。

カレンダー ビュー

カレンダー ビューでは、日付ごとにタスクを配置し、カレンダー形式で見やすく表示できます。特定の週や月に集中しているタスクがないか、イベントの兼ね合いなどをざっくり把握するときに便利です。
マーケティング キャンペーンやイベントのスケジュール管理をする際、カレンダー感覚でタスクを確認できるのは非常に助かります。

自動化

Smartsheet には、あらかじめ自動化ワークフローが組み込まれた複数のテンプレートが用意されています。よく使われるシナリオがひと通りカバーされているため、細かな設定を一から作り込まなくても、必要な自動化をスムーズに導入できるのが大きな魅力です。

リマインダー機能

タスク管理でありがちなミスが、「期限を過ぎてしまった」「開始日を忘れていた」というもの。Smartsheet では リマインダー機能を使い、タスクの期限が近づいた際に担当者へ自動でメールを送るなどの設定が行えます。
「期限の 2 日前にアラートを出す」「開始日の当日に Slack へ通知を送る」など、細かくトリガーをカスタマイズできるため、コミュニケーションの抜け漏れを防ぎやすくなります。

通知機能

リマインダー以外にも、「タスクの担当者が変更されたらプロジェクト リーダーに通知する」「コメントが追加されたら該当タスクに関わるメンバーへ通知する」など、さまざまな条件で通知が飛ばせます。
メールだけでなく、Slack や Microsoft Teams と連携することができるのも大きな利点で、担当者は普段使っているコミュニケーション ツールでタイムリーに状況を把握できます。

承認ワークフロー

また、承認ワークフローを設定しておくと、タスクが「承認待ち」になったタイミングで担当者などに自動通知が行き、ワンクリックで承認/却下を行うだけでシートのステータスを更新できます。メールやチャットで個別に「承認お願いします」とやり取りする手間が減り、承認履歴も一元管理されるため、作業効率が大きく向上するでしょう。

Smartsheet を使ってみた感想

良かった点

Excel ライクな操作感で使いやすい

Excel などに慣れていると、行や列を編集する操作が直感的に分かりやすく、学習コストが低めです。テンプレートを活用すれば、初期設定の負担も最小限で済みます。

多彩なビューで多様なプロジェクトに対応

グリッド、ガント、カレンダー、カード (カンバン方式) と、一通りの主要な管理スタイルを網羅しています。プロジェクトの規模やチームの好みに合わせて、最適な表示形式を選べるのは大きな強みでしょう。

チームコラボレーション機能が充実

コメントやファイル添付がタスク単位で行えるので、メールやチャットだけでは散在しがちな情報を集約しやすくなります。加えて、Slack や Microsoft Teams と連携しておけば、通知をリアルタイムに確認できるのも便利です。

使用上の注意点

シートの乱立

Smartsheet はチームメンバーが積極的に使うようになると、シートがどんどん増えていきがちです。命名規則やフォルダ分け、権限管理など、運用ルールをしっかり決めておくことが重要です。

機能が豊富ゆえの勉強コスト

基本的な操作は簡単ですが、自動化や承認ワークフロー、レポートなどを活用しようとすると、それなりの学習は必要になります。段階的に機能を取り入れながら慣れていくのがベターです。

料金プランの検討

Smartsheet は有料サブスクリプション型のサービスで、ユーザー数や機能制限などによってプランが異なります。チームメンバー全員で使う場合は、費用対効果を見極めたうえで導入を検討する必要があります。
また、Smartsheet では無料トライアルが用意されています。実際の運用環境で機能を試すことができ、導入前にその効果を実感することが可能です。 詳しくは、エクセルソフトのホームページをご覧ください。

まとめ

Smartsheet は、Excel ライクな操作感を維持しながら、ガント チャートやカード ビューなどの豊富な表示形式を組み合わせることで、プロジェクト管理をより多角的かつ効率的に行えるプラットフォームです。さらに、リマインダーや通知、承認ワークフローといった自動化機能を活用することで、タスクの抜け漏れや承認フローの滞りを最小限に抑え、チーム全体の生産性向上が期待できます。

一方で、シートが増えすぎたり、機能が多岐にわたるために初学者が戸惑ったりする可能性もあるため、運用ルールの策定と段階的な導入をおすすめします。最初は小規模なプロジェクトで試しながら運用に慣れ、チーム内でガイドラインを共有しておくとスムーズです。

「Excel やメールでのやり取りに限界を感じてきた」「もっとプロジェクトの “見える化” を進めたい」とお考えの方は、一度 Smartsheet を試してみてはいかがでしょうか。小さなタスク管理から徐々に機能を広げていくことで、メリットを実感しやすくなります。チームに合った運用スタイルを確立できれば、情報共有や進捗確認に割く時間を大幅に削減できるでしょう。

Smartsheet 製品に関してはこちらをご覧ください。

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