e ラーニング オーサリング ツールとは?

「自分の持っている道具がハンマーしかないと、すべての問題が釘に見えてしまうものである。」というのは、アブラハム・マズローの名言です。これは、慣れ親しんだ道具や考え方に頼りすぎることを意味します。パテナイフのほうが作業に適していたとしても、道具箱にハンマーしかなければ、プロジェクトは凹凸したものになってしまいます。プロジェクトをよく理解し、それに適したツールを選ぶことが大切です。

ハンマーと釘が e ラーニング コンテンツの作成とどのような関係があるのでしょうか? ここでは、それを一緒に考えてみましょう。

初めて e ラーニング コンテンツを作成する場合、使用する e ラーニング オーサリングツールを選択する必要があります。魅力的なコンテンツを作成する方法がすでに確立されている組織は、e ラーニング プロジェクトを、慣れ親しんだツール、製品、および方法で捉えたくなるかもしれません。たとえば、Microsoft Word しか持っていない場合、e ラーニング コンテンツは Word ドキュメントのようになってしまいます。Word は、オンライン トレーニング コンテンツや学習コースの開発に最適なツールとは言えません。効果的なトレーニング コンテンツを作成するには、インタラクティブなコンテンツなど、さまざまな要素を用いて学習者の興味を惹きつける必要があります。そのためには、適切な e ラーニング オーサリング ソフトウェアを使用して作成することが重要です。

L&D (学習・人材開発) やテクニカル ドキュメントの分野では、作業を行うためのソフトウェアの選択肢が多数あります。L&D プログラムを最適化するには、e ラーニング業界の新しいトレンドや新しいオーサリング ツールを定期的に評価する必要があります。

コンテンツに適したオーサリング ツールを見つける

e ラーニング プログラムのコンテンツ開発には、デジタル資産の設計、作成、管理、保守が含まれます。オーサリング ツールは、コンテンツ制作者がデジタル コンテンツを作成するのを支援し、e ラーニング オーサリング ツールは、e ラーニング用のデジタル資産の開発を可能にします。e ラーニング オーサリング ツールを使用することで、ビデオ クリップやインタラクティブなクイズなど、魅力的な教材を作成できます。

すべての e ラーニング オーサリング ツールは同じではありません。基本的な機能を提供するツールは、シンプルなインターフェイスとテンプレートを備えているため、すばやくコースを作成できますが、既定のインタラクションしかコースに含めることができないという制限があります。より高度なツールは、カスタム インタラクションやプロジェクトの拡張性のための機能を提供しており、より自由に作業ができ、思い通りのコンテンツを作成することが可能です。

e ラーニング オーサリング ツールの種類

最適な e ラーニング オーサリング ツールは、プロジェクトのニーズ、チームの能力、スケジュール、予算によって異なります。組織内でどのようにコンテンツをオーサリングしたいのか、学習者にどのような学習体験を提供したいのかを考慮します。最適なツールを選択する際には、以下のようなトレードオフが考えられます。

  • 機能: 高度な eラーニング オーサリング ツールは、単に学習コースをすばやく作成できるだけでなく、テンプレートや入門チュートリアルが用意されていたり、e ラーニングの機能や複数のインタラクション タイプをカスタマイズすることが可能です。また、多様なユーザー デバイスに対応したレスポンシブな出力や、さまざまなフォーマット、マルチチャネル パブリッシングに対応しているものもあります。一方、既定のコース テンプレートや一定の機能しかないツールは、コンテンツをカスタマイズしたり拡張する必要がある場合、制限となります。 e ラーニング オーサリング ツールのもう 1 つの優れた点は、1 つのソース ファイルのセットからコンテンツを再利用できることです。
  • 労力: スピードを重視した e ラーニング オーサリング ツールは、ドラッグ & ドロップのオブジェクトを備えたダッシュボードを提供し、初心者でもすぐにコースを作成できるような仕組みになっているため、最小限の労力でコースを作成できます。しかし、どのコースも同じような外観になりがちです。このようなツールでは、機能やブランディングをカスタマイズすることが困難です。また、機能の追加には別途コストがかかる可能性があります。チームの共同作業、ソース コントロール機能、生産性の高いワークフローを求めるなら、ツールの効率性も考慮すべき点です。プロセスの合理化と最適化には、複数のメンバーによるコンテンツの共有、ファイルのレビューとフィードバック、同じプロジェクトの同時作業を容易にできるツールが最適です。
  • 拡張性: プロジェクトのサイズや規模の変更に対応できることが重要な場合もあります。L&D プログラムが拡大することが予想される場合は、企業とともに成長できるツールを選択するとよいでしょう。デジタル学習コンテンツの経験を積むことで、コース デザインの革新、コンテンツのカスタマイズ、オンライン学習センターの開発などに役立ちます。制作規模の拡大が必要になることもあります。コンテンツの拡張に役立つ e ラーニング機能として、1 つのプロジェクトまたは複数のプロジェクト内でのコンテンツの再利用と容易な編集、トピックベースのオーサリング、アクセシビリティ、複数のアウトプットの作成、機能やファイルのインポートまたはエクスポート、翻訳オプションなどが挙げらます。e ラーニング オーサリング ツールの中には、学習管理システム (LMS) と連携しているものもあります。そうでない場合は、進行状況の追跡、コースワークの管理、および配布のため、外部の LMS と互換性のある標準の LMS パッケージを生成する方法を提供しなければなりません。

e ラーニング オーサリング ツールの必須機能

大工道具や石工道具に、作業を行うために必要な特性があるように、e ラーニング オーサリング ツールにも必要な機能があります。クイズや知識チェックという形で、魅力的なコースを作成できるツールであることが重要です。デジタル学習コースを作成するための基本機能を見てみましょう。

  • コンテンツ: ツールは、コースに関連した簡潔な情報を開発する方法を提供する必要があります。教材は明確かつ簡潔に記述されていなければなりません。学習目的やトピックに応じて、コンテンツを小さな「チャンク」にまとめられるツールは、知識の定着率を高めることができます。
  • ナビゲーション: 学習者は、コース コンテンツを直感的にナビゲートでき、コースをガイドする要素 (ボタン、リンク、メニュー、矢印など) を容易に認識できる必要があります。
  • エンゲージメント: ツールは、テスト問題、スライドショー、ポップアップ、タスク、ゲームなど、学習者がコンテンツに対してインタラクティブになれる機能を提供する必要があります。魅力的なデザイン要素を備えていたり、ユーザーがこれらを独自に作成できるツールは、活気があり興味を引くコースの作成を可能にします。画像、ビデオ、音声、色などのビジュアルやマルチメディアは、コースを充実させるのに役立ちます。
  • 追跡: e ラーニング オーサリング ツールは、LMS との連携のため e ラーニングの技術標準 (SCORM、xAPIなど) をサポートする必要があります。LMS プラットフォームは、コースワークを管理し、学習者がトレーニング教材にアクセスできるようにし、学習者の進歩を追跡します。LMS から取得したデータを分析して、学習プログラムやコースを調整することもできます。

効果的な e ラーニング コンテンツに必要な機能

e ラーニング オーサリング ツールの基本的な特性を理解したところで、コンテンツを作成し、効果的なパフォーマンスを維持するのに有用ないくつかの機能を見てみましょう。

  • コンテンツの再利用: シングルソースとは、コンテンツを再利用し、同じソース ファイルのセットから複数の出力を行うことを意味します。これにより、コンテンツを異なる目的のために活用できます。たとえば、同じコースの異なるバリエーションにテスト問題を再利用することが可能です。再利用するコンテンツは、テキストや画像、プロジェクトやトピック ファイルなど、あらゆるものが対象となります。

コンテンツを最適化して再利用することで、コスト削減、テクニカル オーサリング チームと L&D チームの連携の向上、ワークフローの効率化、生産性の向上、製品変更時の迅速なコンテンツ更新が可能になります。

  • カスタマイズ: カスタマイズが可能なツールは柔軟性が高く、多くの場合、オープンなアーキテクチャーを採用しています。XML、HTML、CSS (カスケード スタイル シート) に対応しており、必要に応じてコンテンツを簡単に操作できます。オープン フォーマットで、CSS ファイルの編集機能が組み込まれているツールでは、出力の生成時にカスタマイズした更新内容を確認して、e ラーニング コンテンツの外観、コースの出力や成果物、企業のブランディング、デザイン テンプレートなどを変更できます。つまり、コンテンツのパーソナライズが可能です。

このようなフォーマットでは、どのデバイスでも基本的なテキスト エディターで更新を行い、Web 上でファイルをホスティングし、ソフトウェア アプリケーションを表示することなくファイルを配布できます。独自のシステムに限定されることなく、ほかの技術やアプリケーションとの統合が可能になり、教材を完全にコントロールすることができます。

e ラーニング コースを自由にカスタマイズできることは、非常に大きなメリットです。この種のツールには高度なコーディング スキルが必要だというのは誤解です。プログラミングの専門知識がなくても、カスタマイズや拡張が可能なアプリケーションもあります。そのようなアプリケーションは、経験を積みながら高度な機能を利用できるだけでなく、e ラーニング コースを迅速に作成することができます。

  • マルチチャネル パブリッシング: マルチチャネル パブリッシング機能を備えたツールでは、共通のソース ファイルを使用して、複数のフォーマット (オンラインと印刷など) の出力を生成し、パブリッシュできます。これにより、学習者がどこからでも、どのような方法でも、コンテンツにアクセスできるようになります。

学習者が携帯電話やタブレットなど、さまざまなサイズのデバイスからコースにアクセスできるようにするためには、レスポンシブなオンライン出力でコースを作成することが非常に重要です。使用するデバイスに応じて、コンテンツが自動的に調整されて表示されます。モバイル フレンドリーなデザインを使用することは、見た目にも美しく、学習者にとってコースがポジティブな学習体験となることは間違いありません。

  • すぐに使える: 基本機能を提供するツールも、高度な機能を提供するツールも、目的はやるべきことを正確にやることです。独自のコンテンツを追加できるツールや、最小限の労力で効果的な出力を生成する方法を探してみましょう。簡単なインターフェイス、テンプレート、ビルトインの e ラーニング機能、魅力的なクイズや知識チェックをすばやく作成できる機能があれば、すぐに使い始めることができます。さらに、チュートリアル、ハウツー ビデオ、ユーザー コミュニティ、すぐに利用できるカスタマー サポートなどの追加リソースも考慮してください。

コースの作成に役立つ機能としては、さまざまなタイプの問題 (択一問題や複数選択問題など)、解答に対するフィードバック、解答のランダム化、スコア付け、テストの試行回数の制限、テスト結果のカスタマイズ、LMS に準拠した ZIP パッケージの生成などが挙げられます。コースを次のレベルに引き上げるには、学習者に感動的な体験を提供することです。

機能の有効性や確固たるツールの条件は、多くの e ラーニング オーサリング ツールに共通です。最適なツールの選択はケースバイケースであり、場合によっては 1 つのツールではなく、複数のツールの組み合わせかもしれません。e ラーニング オーサリング ツールは、L&D プログラム、e ラーニング コンテンツ、そしてチームの能力を容易に最適化します。

適切なツールがない場合、今あるもので何とかしようと、多くの時間と創造的なエネルギーを費やすことになるかもしれません。最終的には、作業に適したツールを使用することが、効率の向上と、コストの削減につながります。

強力な e ラーニング オーサリング ツール

MadCap Flare は、高度なコンテンツ オーサリング機能を備えた、デジタル資産を作成するための柔軟なスタンドアロン ソフトウェア アプリケーションです。e ラーニング オーサリング ツールを効率化し、「トレーニングのチャンク」の整理、問題と解答の作成、インタラクティブなコンテンツの作成などの機能を提供します。コンテンツの再利用、カスタム インタラクション、マルチチャネル パブリッシングを可能にする機能により、必要なものを正確に作成できます。Flare は、専門家でなくても、シンプルなインタラクションやテストを作成し、コンテンツやプロジェクトをシームレスに拡張できるように設計されています。

テクニカル オーサリングと L&D プログラムを統合し、e ラーニング オーサリング ツールとしての要件を満たした Flare は、最も強力な多機能ツールと言えます。組織全体のコンテンツを活用し、ファイルを共有することで再利用を最大限に高めます。e ラーニング コース、オンライン ヘルプ、ナレッジベース、または学習センターを作成することで、チームは学習を支援するという共通の目標に向かって団結し、協力し合う傾向があります。講師、ライター、教材設計者は、Flare を使ってコンテンツを開発、管理、公開し、プロジェクトの一環として革新的なクイズや知識チェックを行うことができます。学習者は、LMS から関連するコースにいつでもアクセスし、自分の学習スタイルに合った方法でコースを利用できます。

MadCap Flare は最新バージョン 2021 r2 より、e ラーニング コースの更新、最適化、作成に対応しました。詳細は、MadCap Flare 2021 r2 の新機能ページをご覧ください。