
DevOps や JFrog の専門知識がなくても、JFrog ソフトウェア サプライチェーン プラットフォームを活用できるようになりました。JFrog MCP サーバーの導入により、JFrog プラットフォームが大規模言語モデル (LLM) とシームレスに連携し、より多くの開発者が利便性を享受できる環境が整います。
これにより、開発者は JFrog Catalog に含まれる脆弱性情報をはじめとする、セキュリティやパッケージに関する詳細な情報に、作業の流れを中断することなくアクセスできるようになります。MCP の導入によって開発業務における可視性が高まり、日常の生産性向上にもつながります。
MCP とは
MCP (Model Context Protocol) は、AI システムと外部のツールやデータ、サービスを接続するために設計されたオープンスタンダードのインテグレーション フレームワークです。軽量で一貫性のあるインターフェースを備えており、個別に専用のコネクタを構築する必要がなく、大規模言語モデルから社内ツールの機能を統一された方法で呼び出すことが可能です。
MCP の大きな特長は、その高い相互運用性にあります。どの MCP クライアントでも任意の MCP サーバーに接続できるため、柔軟で拡張性の高い構成が実現できます。これは、以下の図でも示されているとおりです。

新しい JFrog MCP サーバーに含まれているもの
JFrog は、DevOps、セキュリティ、MLOps、IoT を含む幅広いサービスをソフトウェア開発のサプライ チェーン全体に提供しています。このたび新たに導入された MCP サーバーは、これらの機能へのアクセス性をさらに高め、開発者の日常業務やワークフローへの統合をより簡単に実現します。以下に、現時点で提供されている主な内容をご紹介します。今後数か月でさらに多くの機能が追加される予定です。
まずツールについてですが、今回の初期リリースでは、プロジェクトやリポジトリなどの作成、表示が可能な基本的なツール群から提供が開始されます。また、オープンソース パッケージの脆弱性状況など、JFrog が保持する詳細な情報を取得できる機能や、組織内でどのようなコンポーネントが利用されているかを把握する機能も利用可能です。これらはあくまで出発点であり、今後さらに多くのツールが順次リリースされていく予定です。
MCP クライアントについては、OAuth に対応した VSCode、Cursor、Claude などがサポートされています。つまり、MCP に準拠した AI エージェントであれば、どれでも JFrog との連携が可能です。開発者は、好みのツールや環境を使いながら、自然なかたちで JFrog の機能を活用できます。
また、JFrog MCP サーバーの大きな特長のひとつが「リモート提供」である点です。ユーザーが何かをインストールする必要はなく、常に最新のツールが利用できる状態が維持されます。クラウド環境に制限がなく、すべての JFrog SaaS 利用者がすぐにアクセスできるようになっています。
次に、実際の活用例をご紹介します。たとえば、Docker と Maven に対応した「green-pizza」というプロジェクトを新たに作成したいと考えたとします。MCP を使わずに手動で行う場合、まずプロジェクト自体を作成し、次に各パッケージタイプごとにローカル、リモート、バーチャルの 3 種類のリポジトリを作成する必要があります。Docker と Maven の 2 種類で合計 6 つのリポジトリを準備し、それぞれを設定した上でプロジェクトに関連付け、適切な権限を設定し、構成を検証するという流れになります。非常に強力ではありますが、手間がかかり、人的ミスも起こりやすくなります。
一方で MCP を使用すれば、「Docker と Maven に対応した green-pizza というプロジェクトを作成して」と伝えるだけで完了します。AI がプロジェクトの作成、すべての必要なリポジトリの作成と設定、そして関連付けまでを即座に行い、手動操作や推測を必要としません。まさに摩擦のない DevOps が実現されるのです。
つまり MCP を使えば、必要なことをただ伝えるだけで、AI クライアントと MCP がその内容を理解し、必要なすべてのステップを自動で実行してくれます。
導入方法も非常に簡単です。JFrog MCP サーバーのドキュメント ページにアクセスし、案内に従って設定を進めるだけで利用を開始できます。
現在、JFrog のリモート MCP サーバーは JFrog SaaS 利用者向けにオープンベータとして提供されています。ソフトウェア開発のプロセスを簡素化し、AI を JFrog のワークフローに統合したいとお考えの場合は、ぜひ今すぐベータ版を有効化するか、無料トライアルをお試しください。
JFrog に関するご質問は、日本正規代理店であるエクセルソフトまでお問い合わせください。
記事参照: Introducing JFrog’s MCP Server: Better vibes and easier AI automation
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