MadCap 導入事例: 米 BEV メーカー Rivian は Flare と Central を使用して車載インフォテインメント ダッシュボードを作成

MadCap 導入事例: Rivian (リビアン)

導入によるメリット

  • 最適化されたユーザー エクスペリエンス
    MadCap Flare のオープン スタンダードベースのソフトウェア、設計の柔軟性、CSS 変数、およびその他の機能により、Rivian は車載インフォテインメント ダッシュボードにアプリとして表示され、昼モード/夜モードの自動切り替えに対応した、インタラクティブな車両ガイド (取扱説明書) を搭載しました。そして、MadCap Central の分析機能を活用して、検索結果を改善する方法を特定しています。

  • 合理化されたコンテンツ配信
    MadCap Flare のトピックベースのオーサリング、条件、変数によるコンテンツの再利用と、MadCap Central から Amazon S3 への公開機能により、ドキュメント チームは Rivian のソフトウェア アップデートに対応することができます。

  • 一貫性の向上
    MadCap Flare のグローバル プロジェクトを使用することで、車載インフォテインメント システム、エンタープライズ ソフトウェア Web ポータル、印刷ドキュメントで一貫したコンテンツの配信が容易になります。

  • 品質保証
    MadCap Central を使用して Web サイトで HTML5 コンテンツをプレビューおよびテストできるため、ドキュメント作成者は、ドキュメントを開発チームに送ってソフトウェアに統合する前に、必要な修正を容易に特定できます。

導入した MadCap Software のソリューション & サービス

Flare で作成したインタラクティブな車載ガイドは、ドライバーに優れたエクスペリエンスを提供するために不可欠です。

Rivian
テクニカル パブリケーション担当ディレクター
David Jackson 氏

Rivian (リビアン) について

米国カリフォルニア州アーバインに拠点を置く Rivian (リビアン) は、家族を新しい冒険に連れ出すためであれ、大規模な自動車の EV 化を支援するためであれ、何世代にもわたって自然界を保護する電気自動車 (EV) の製造に全力を注いでいます。2021 年後半、同社は最初の 2 つのモデル、R1T トラックと R1S スポーツ用多目的車 (SUV) の納入を開始しました。どちらもオフロード アドベンチャー向けに設計されています。Rivian はまた、商用 BEV バンも販売しており、その運行と EV 充電器のネットワークを管理する企業向けソフトウェアも展開しています。

Rivian は、R1 モデルだけでも 90,000 件を超える予約注文が殺到した米国で人気の BEV (バッテリ式電気自動車) です。ドライバーや運行管理者が BEV のすべての機能を活用できるように、Rivian は車両ソリューションと同様に最新かつ効率的な製品ガイドとドキュメントの作成に注力しています。これには、車載インフォテインメント システムに統合された車両ガイド (取扱説明書)、エンタープライズ フリート ソフトウェア用の Web ベースのドキュメント、車両充電器やアクセサリなどの Rivian エコシステム内のその他の製品の印刷ガイドが含まれます。

Rivian は、コンテンツ開発ライフサイクル全体をサポートする完全なソリューション MadCap Authoring Management System (AMS) ―現在の MadCap Central Suite― を使用してガイドとドキュメントを提供しています。MadCap AMS には、シングルソースのオーサリングと公開機能を提供する MadCap Flare と、クラウドベースのコンテンツ コラボレーション、プロジェクト管理、分析等の機能を提供する MadCap Central が含まれます。

新しい車両には新しいドキュメント作成アプローチが必要

新興の自動車メーカーとして、Rivian は最新の製品ドキュメントを一から構築する機会を得ました。コンテンツの作成と公開ソリューションを選択するにあたり、同社には、ユーザー エクスペリエンスと、ドキュメント作成における柔軟性と再利用性に関して、いくつかの要件がありました。

Rivian のテクニカル パブリケーション担当ディレクターの David Jackson 氏は次のように振り返っています。

迅速に実装できるオーサリング システムが必要でした。そして、さまざまな出力形式を生成できることが重要でした。特に、車載インフォテインメント システムから車両ガイドをお客様が読めるようにしたいと考えていました。

さらに、当社の車両はオフロードでの使用を想定して設計されており、常にインターネットに接続できるとは限らないため、車両がインターネットに接続できない場合でも検索可能なコンテンツを提供する必要がありました。

その他にも、オーサリング システムがカスタマイズ可能であること、コンテンツの再利用、コンテンツの保存、翻訳管理に優れていることが重要でした。

Rivian はコンテンツ オーサリングおよび公開ソリューションの検討を開始し、すべてが連携して機能する包括的なコンポーネント スイートを提供できるベンダーを評価して、候補をすぐに絞り込みました。

David 氏は次のように述べています。

MadCap AMS は当社のすべての要件を満たし、実装プロセスを簡素化しました。また、HTML5 出力を使用して優れた車載ガイドを作成できると判断しました。AMS は当社の最大の要件の 2 つを両方とも満たしました。

Rivian のすべての製品ドキュメントは、MadCap Flare オーサリング ソフトウェアを使用して作成されています。これには、車載ガイドに加えて、Rivian の充電器、アクセサリ、エンタープライズ ソフトウェア システムに関するドキュメントも含まれます。

タップでインタラクティブな情報にアクセス

「Flare で作成したインタラクティブな車両ガイドは、お客様に優れたエクスペリエンスを提供する上で不可欠です。」と David 氏は指摘します。ドライバーにとって、車両ガイドは、音楽、電話、ナビゲーションなどの他のアプリと並んで、インフォテインメント センター内の 1 つのアプリのように見えます。アイコンをタップし、トピック メニューと検索バーに移動して、必要な車両情報をすばやく入手できます。さらに、このガイドはローカルにある HTLM5 出力なので、オフロードでインターネットに接続できないときでも利用できます。

MadCap Flare を使用して構築された Rivian 車両ガイドは、オフロードでインターネットに接続できないときでも、ドライバーが簡単にアクセスできます。

David 氏は次のように語っています。

私たちの作業の多くは、車両ガイドのデザインを微調整し、全体的なソフトウェア システムに統合することに集中していました。概念実証に迅速に取り組み、HTML5 出力を車両で実行する際に大きな技術的障害に直面することはありませんでした。これは、Flare のオープン スタンダードベースのアーキテクチャのおかげです。

各車両ガイドの最大の要件の 1 つは、インフォテインメント システムの残りの部分とともに、昼モード/夜モードを自動的に切り替えることです。この課題に対処するために、Rivian ドキュメント チームは MadCap Flare でスケーラブル ベクトル グラフィックス (SVG) とカスケーディング スタイル シート (CSS) 条件を組み合わせて、昼モードと夜モード用にカスタマイズされた画像とテキストを作成しました。

Flare 使用することで、車両ガイドの昼モード/夜モードを切り替え、ユーザー エクスペリエンスを最適化する実装を開発できました。

Rivian
シニア スタッフ プロダクション マネージャー
Hennah Rahman 氏

もう 1 つの重要な要件は、Rivian が OTA (Over The Air) を介して定期的に行う車両ソフトウェアのアップデートと足並みを揃え、インタラクティブな車両ガイドを更新して顧客に最新の情報を提供することです。

David 氏は次のように述べています。

「Flare の柔軟な公開機能により、車両ソフトウェアのアップデートと並行して、車両ガイドのアップデートを OTA を介してシームレスに提供できるようになりました。」

MadCap Flare の柔軟な公開機能により、車両ソフトウェアのアップデートと並行して、車両ガイドのアップデートを OTA を介してシームレスに提供できるようになりました。

MadCap Central の分析、テスト、公開機能

ドキュメント チームは、顧客が必要な情報をより早く見つけられるようにする新しい方法を常に模索しています。インタラクティブな車載ガイドの利用状況を把握するため、チームは MadCap Central の分析機能を活用しています。

たとえば、Rivian は助手席の前の収納コンパートメントをフロント トランク (front trunk) と呼んでいますが、MadCap Central は、一部の顧客が EV の所有者がよく使う用語「frunk」を使用して検索していることを特定しました。このデータを基に、ドキュメント チームは MadCap Flare で同義語を作成しました。これにより、「frunk」を検索すると、ガイドには「front trunk」という用語を使用するトピックが表示され、ユーザーは適切なトピックを見つけることができます。

Rivian は、分析とソース管理だけでなく、コンテンツのテストと公開にも MadCap Central を活用しています。これらのプロセスは、車載ガイドの配信を迅速化する上で特に役立っています。HTML5 ベースのコンテンツを MadCap Central に公開することで、チームはドキュメントがオンラインでどのように表示されるかを確認およびプレビューし、変更が正しく反映されたことを確認できます。つまり、コンテンツをソフトウェア ビルドに組み込む前に品質を保証することが可能です。

テストが完了すると、ドキュメント チームは MadCap Central でデスティネーション ターゲットを Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) に設定し、開発チームがガイドを簡単に取得できるバケットに HTML5 ベースのドキュメントをプッシュします。

David 氏は次のように説明しています。

テストにより、開発チームがガイドをソフトウェアに統合する前に、問題をすばやく検出して修正できます。その後、Amazon S3 バケットの認証情報を保存し、コンテンツを渡す準備ができたら MadCap Central で公開をクリックするだけで済むため、自動化により公開プロセスが大幅にスピードアップします。

一貫性と効率の最大化

Rivian は、MadCap AMS を使用して約 40 のドキュメントを作成しています。これには、各 BEV モデルのインフォテインメント車両ガイドに加えて、Rivian の充電器、アクセサリ、エンタープライズ ソフトウェア システムに関するドキュメントが含まれます。これらは、HTML5 ベースのオンライン コンテンツ、rivian.com からダウンロードできるデジタル PDF、および Rivian の車両、充電器、アクセサリに付属する印刷ガイドとして提供されています。

Rivian は、MadCap AMS を使用して、充電器、アクセサリ、エンタープライズ ソフトウェア システムに関する 約 40 のドキュメントを作成しています。

David 氏は次のように述べています。

当社のドキュメント デザインは、ユーザーのニーズに非常に特化しています。たとえば、車載ガイドには、比較的大きなボタンとスクロール可能な目次を備えたインフォテインメント タッチスクリーンがありますが、エンタープライズ ソフトウェア システムには、より一般的なオンライン ヘルプ システム デザインを使用しています。

Flare のデザイン機能は柔軟性に富んでいるため、作成するドキュメントに応じて、タッチスクリーンとコンピューターの両方での使用に最適化されたコンテンツを生成できます。

ドキュメント チームは、R1T トラックと R1S SUV の機能の多くが同じか類似しているため、MadCap Flare のトピックベースのオーサリング、条件、変数を広範に使用してコンテンツを最大限に再利用しています。さらに、チームは Flare のグローバル プロジェクトを使用して、再利用したい共有テンプレート、条件、スタイル シート、その他のトピックやコンテンツを保存しています。これにより、プロジェクトが合理化されるだけでなく、ドキュメント全体の一貫性も確保されます。

Hennah 氏は次のように説明しています。

著作権とカスタマー サービスに関するコンテンツは、どこに表示されても同じである必要があります。Flare のグローバル プロジェクトを使用すると、作成するすべてのコンテンツで一貫した外観、雰囲気、および音声を維持し、共同作業を行うことができます。

さらに、MadCap Flare は独自のコンテンツを作成できるだけでなく、そのプロセスを最初から最後まで管理できるため、柔軟性が大幅に高まり、コンテンツ配信の速度が大幅に向上します。Flare を使用して効率を高め、顧客のエクスペリエンスを向上させる新しい方法を引き続き模索しています。


この資料は、MadCap Software の Web サイトで公開されている「Rivian Uses MadCap Software to Embed Interactive Owner’s Guide in Vehicle’s Infotainment Dashboard」の日本語参考訳です。

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