Docker Desktop 4.39 ~ よりスマートな AI Agent、Docker Desktop CLI の GA 版リリース

アプリケーションを素早く安全にビルド、共有、実行する手段を求めている開発者は多く、Docker はその実現を支援します。Docker Desktop 4.39 リリースでは、モデル コンテキスト プロトコル (MCP) や Kubernetes のサポートを備えた Docker AI Agentの導入、Docker Desktop CLI の GA 版リリース、よりスムーズなマルチプラットフォーム イメージ管理を実現する ‘platform’ フラグの追加など、生産性を高める機能が強化されました。

Docker AI Agent ~ よりスマートに、より機能的に、MCP と Kubernetes に対応

前回のリリース (Docker Desktop 4.38) では、Docker Desktop と CLI に組み込まれた AI を活用したコンテキスト認識型アシスタントとして、Docker AI Agent のベータ版を導入しました。これにより、コンテナー管理やトラブルシューティング、ワークフローの簡素化をガイダンスと自動化で支援します。ベータ版リリース後の反響は想像以上に大きく、週間アクティブ ユーザー数は 9 倍に増加しました。Docker Desktop のリリースごとに、Docker AI Agent をよりスマートで使いやすく、開発者のコンテナー ワークフロー全体の効率化を図っていく予定です。また、GitHub Copilot で Docker を使用している場合、これらのアップグレードは自動的に適用されるため、常に最新かつ最適な環境で作業できます。

 Docker AI Agent は、Model Context Protocol (MCP) と Kubernetes に対応し、複数行プロンプトや簡単なコピーなど、ユーザビリティの向上もサポートするようになりました。また、Docker Engine と連携し、コンテナー、イメージ、ボリュームの一覧表示やクリーンアップも可能です。さらに、Kubernetes クラスターにアクセスすることで、名前空間の一覧表示、Nginx サービスなどのデプロイと公開、ポッドログの分析も行えます。

Docker AI Agent の MCP 活用方法

MCP は、AI Agent やモデルを外部のデータやツールとつなぐための新しい標準です。AI を活用したアプリや Agent は、外部ソースからデータを取得し、サードパーティ サービスで操作を実行し、ローカル ファイル システムと連携することで、新機能や拡張機能を活用できます。MCP は、MCP クライアントと MCP サーバーという概念を導入し、クライアントがリソースを要求し、サーバーがその要求を処理して必要なアクションを実行する仕組みになっています。

Docker AI Agent は MCP クライアントとして機能し、コンテナーで実行されている MCP サーバーと連携できます。ターミナルや Docker Desktop の AI Agent ウィンドウで docker ai コマンドを実行して質問をすると、Agent は作業ディレクトリ内で gordon-mcp.yml ファイルを探し、そのコンテキストに基づいて使用する必要がある MCP サーバーのリストを検索します。たとえば、Docker AI Agent では次のようなことができます。

MCP の導入をより簡単かつ安全にするために、Docker は Anthropic と協力し、MCP サーバーのリファレンス実装用コンテナー イメージをビルドして、Docker Hub の mcp 名前空間で公開しています。Docker AI Agent で MCP を使用する方法については、ドキュメントをご覧ください。

複数の一般的な言語でのアプリのコンテナー化 ~ 近日公開予定

Docker AI Agent は、次のような新しいプログラミング言語でのアプリケーションのコンテナー化にも対応するようになりました。

  • npm、pnpm、yarn、bun を使用した JavaScript/TypeScript アプリケーション
  • Go モジュールを使用した Go アプリケーション
  • pip、poetry、uv を使用した Python アプリケーション
  • nuget を使用した C# アプリケーション
「アプリケーションをコンテナー化できますか?」と尋ねてみてください。

Agent がプロジェクト内のサービス数、使用されている言語、パッケージ マネージャー、コンテナー化に関する情報を解析すると、Docker 関連のアセットが生成されます。これには、最適化された Dockerfile、Docker Compose ファイル、dockerignore ファイル、そして Docker でアプリケーションをすぐに開始するための README が含まれます。

言語とパッケージ マネージャーのサポートは、近日中に提供予定です。

図 1: Docker AI Agent は、アプリのコンテナー化を支援し、その作業の手順を示します

スクリプトを書く必要はなく、Docker AI Agent に依頼するだけ

Docker AI Agent には、コンテナー、イメージ、ボリュームとのインターフェースなど、さまざまな組み込み機能が備わっています。スクリプトを書く代わりに、自然言語で複雑な操作を依頼することができます。たとえば、複数のサーバーを組み合わせて、未使用のイメージの検索やクリーンアップといった複雑なタスクを実行できます。

図 2:Docker AI Agent への簡単な質問による未使用のイメージ ストレージの検索と最適化

Docker Desktop CLI の GA 版のリリース

Docker Desktop 4.37 のリリースでは、Docker Desktop を管理するためのコマンドライン ツールである Docker Desktop CLI コントローラーがベータ版で導入されました。開発者は、コマンドラインから直接 Docker Desktop の起動、停止、再起動、ステータス確認などのタスクを実行できるだけでなく、ログの印刷や最新バージョンへの更新もできます。

Docker は、CLI と GUI の両方で、開発者が作業する場所に合わせて対応できます。Docker Desktop CLI を使用することで、開発者は GUI ワークフローとコマンドライン ワークフローをシームレスに切り替え、ワークフローを自身のニーズに合わせて調整できます。

この機能により、CI/CD パイプラインでの Docker Desktop の操作を自動化し、ターミナルから直接トラブルシューティングを迅速に行い、よりスムーズで集中できるワークフローを作成できます。IT 管理者もこの機能を活用でき、たとえば、自動化スクリプトを使用して更新の管理が可能です。

新しい --platform フラグによるマルチプラットフォーム イメージ管理の改善

コンテナー化されたアプリケーションは、しばしば複数のアーキテクチャ間で実行する必要があるため、効率的なプラットフォーム固有のイメージ管理が重要です。これを簡素化するために、docker savedocker loaddocker history コマンドに --platform フラグを導入しました。この追加により、開発者は linux/amd64linux/arm64 など、特定のアーキテクチャのイメージを明示的に選択して管理できるようになります。

新しい --platform フラグを使用することで、保存や読み込み時に環境バリアントを完全に制御できます。たとえば、イメージの linux/arm64 バージョンのみをエクスポートするのは、次のコマンドを実行するのと同じくらい簡単になりました。

docker save --platform linux/arm64 -o my-image.tar my-app:latest

同様に、docker load --platform linux/amd64 を使用すると、amd64 バリアントのみがマルチアーキテクチャ アーカイブからインポートされるようになり、あいまいさが減少し、クロスプラットフォームのワークフローが改善されます。さらに、デバッグや最適化のために、docker history --platform を使うと、特定のアーキテクチャに関するビルド履歴の詳細な分析情報を得ることができます。

これらの機能強化により、開発者はイメージのビルド、保存、配布方法を完全に制御できるようになり、マルチプラットフォーム開発がより効率的になります。

詳細については historyloadsave のドキュメントをご覧ください。 

まとめ 

Docker Desktop 4.39 では、開発者エクスペリエンスの向上に向けた Docker の取り組みが強化されました。Docker AI Agent の MCP、Kubernetes、コンテナーとの対話のための組み込み機能など、拡張されたサポートにより、開発者はワークフローを簡素化し、カスタマイズすることができます。また、GUI とコマンドラインをシームレスに切り替えながら、Docker Desktop CLI を使用して自動化を作成することも可能です。さらに、新しい --platform フラグによって、開発者はイメージのビルド、保存、配布方法を完全に制御できるようになりました。


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*本記事は、Docker 社が提供している以下の記事から抜粋・転載したものです。

デスクトップ 4。39:よりスマートなAIエージェント、GAのDockerデスクトップCLI、および簡単なマルチプラットフォームビルド

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